【犬の僧帽弁閉鎖不全症】症状や余命、発症しやすいのは?飼い主さんができること。

犬が発症する病気【僧帽弁閉鎖不全症】は、犬のなりやすい病気の中でも上位にある心臓病です。

「僧帽弁閉鎖不全症になると、穏やかな最期を迎えることができないかもしれない」と言われているほど、この病気にかかった愛犬と暮らす飼い主さんは覚悟が必要です。

では具体的に僧帽弁閉鎖不全症とはどのような病気なのでしょうか?症状や発症してからの余命、発症しやすい子の特徴などについて解説いたします。

ぜひ参考にしてみてください!

目次

犬の僧帽弁閉鎖不全症はどんな病気?

犬の僧帽弁閉鎖不全症とは、心臓の左心房・左心室の間にある【僧帽弁】という機能を持つ弁がなんらかの原因で変性、閉鎖不全が起こる病気です。

僧帽弁は心臓が「ドクン」と収縮すると左心房から左心室に血液が流れるときにだけ開くようになっていて、左心室に入った血液は左心房に逆流することはできない仕組みになっています。

しかし、僧帽弁閉鎖不全症になると弁の開閉機能に支障をきたし、左心室から左心房へ血液が逆流してしまうようになります。

さらに症状が進行すると肺水腫を発症し、治療が遅れると死に至ることもある病気です。僧帽弁閉鎖不全症は心臓病の中でも発症率はトップ1で、中でも小型犬がなりやすいと言われています。

犬の僧帽弁閉鎖不全症の好発犬種や年齢とは?

犬の僧帽弁閉鎖不全症は小型犬がなりやすいと上記でお伝えいたしましたが、日本で飼育されている小型犬の中でも

  • チワワ
  • キャバリア・キング・チャールズ
  • マルチーズ
  • シー・ズー
  • トイ・プードル
  • ポメラニアン
  • ヨークシャー・テリア
  • ミニチュア・ダックスフント

などの犬種に好発すると言われています。

また、オスよりメスに多く6歳を超えると急激に病気にかかる率が上昇する事実があります。

僧帽弁閉鎖不全症になってしまった犬の余命は?

犬が僧帽弁閉鎖不全症を発症して、肺水腫を起こしてしまう深刻な症状を見せた時点で投薬治療を開始した場合の平均生存期間は8ヶ月前後と言われています。

僧帽弁閉鎖不全症が進行し、肺水腫の症状をみせるのは8~10歳がもっとも多いと言われていますので、その年齢から約8ヶ月だと、小型犬の平均寿命と言われている15歳までまだ5年はあります。

ですが、これは肺水腫まで症状が進行した場合の平均生存期間です。早期発見であればあるほど長生きすることは可能です。

実際に、内科的治療のみで小型犬の平均寿命である15歳まで生きた子もたくさんいますよ。

犬の僧帽弁閉鎖不全症になる原因は?

犬の僧帽弁閉鎖不全症は、小型犬の場合は遺伝的な素因であることが考えられていますが、詳しい原因はまだわかっていません。

一部では、歯周病を放置して歯周病菌が心臓にまでたどり着き炎症を起こしてしまうことで、僧帽弁閉鎖不全症を引き起こしてしまうのではないか?とも考えられていて、心臓病の発症は歯周病菌が大きく関与しているとも言われています。

犬の僧帽弁閉鎖不全症の症状とは?

たまたまワクチン接種などで病院へ行き獣医師が心音をチェックした際に「心臓の雑音」に気付き病気が発覚する事は多くありますが、飼い主さんが見てわかる症状は初期の段階では無いことがほとんどです。

進行すると

  • 咳が出る
  • 運動を嫌がる
  • 運動後や興奮時に倒れる

などの症状が出て初めて愛犬の異変に気付く飼い主さんが多いです。特に「咳」の症状で気付く飼い主さんが多いと言われていますよ。

この時点で上記のような症状に気付いたらすぐに動物病院へ受診するようにしましょう。

さらに重症し肺水腫が起こると

  • 呼吸困難
  • チアノーゼ

などをおこし、数分で死に至ることもあります。

ここまで症状が悪化すると「絶対になにかおかしい」と気付く飼い主さんは多いかと思いますが、この時点で気付いた場合手遅れだったというケースも多いです。

僧帽弁閉鎖不全症は早期発見・早期治療が進行を遅らせるうえでとても重要になります。

初期の段階では無症状で飼い主さんが気付くことは難しいですが、定期検診で早期発見・早期治療をすることができます。

犬の僧帽弁閉鎖不全症にならないために飼い主さんができること

残念ながら、犬の僧帽弁閉鎖不全症の予防は難しいと言われています。

ですが、日常的に塩分の高い食事を控えたり肥満を予防したりと、心臓に負担をかける生活を避けて健康的に過ごす事は、愛犬の健康を守るためにも基本的なことです。

病気の早期発見のためにも定期検診に行こう!

定期検診に行き、病気の早期発見に務めることもとても大切なことです。

愛犬の健康管理は飼い主さんにしかできない事なので、健康を意識した生活ができるように心がけましょう!

生活面での注意点

愛犬が僧帽弁閉鎖不全症になってしまった場合、生活面で様々な注意点があります。

獣医師から処方された薬を確実に投薬することはもちろん、高温多湿を避けて、過度な運動はNGです。また、塩分の多い食事は心臓の負担となりますので避けて、呼吸の回数や舌の色など異変はないかこまめにチェックをすることも大切です。

獣医師から生活面や投薬のアドバイスを必ずもらえますので、しっかりと覚えておきましょうね!

愛犬が僧帽弁閉鎖不全症になってしまったら…

僧帽弁閉鎖不全症は外科的治療・内科的治療どちらの選択も可能ですが、基本的には内科的治療が行われます。

国内での外科的治療は限られているからです。内科的治療では根治は難しく、進行を遅らせてできるだけ良い状態を長く保てるようにするという目的があります。

内科的治療外科的治療
メリット・軽症の場合、心不全までに進行しない可能性もある・心臓病の症状が消失する可能性が高い
・薬を減量できる
・生活の制限を軽減できる
デメリット・心不全再発の可能性がある
・治療に限界がある
・内服薬が多くコストと通院の手間がある
・手術できる医師(病院)が少ない
・手術のリスク
・費用が高額

延命ということで、僧帽弁閉鎖不全症になってしまった子の治療は生涯続きます。最期が近くなれば近くなるほど飼い主さんの介護が必要になることもあります。

治療方針はしっかりとかかりつけの獣医師と相談して決定しましょうね。

まとめ

犬の僧帽弁閉鎖不全症はある日突然亡くなってしまう可能性も十分にある病気です。

僧帽弁閉鎖不全症は完治・予防ともに難しいと言われている病気です。飼い主さんが愛犬にできることは、病気を少しでも早く発見し、治療を開始することです。

そのためには、シニア犬になるまでには年に最低でも1回、シニア犬からは年に2回以上の健康診断を受けて、病気の早期発見・早期治療に努めましょう!

また、普段と様子が違うことに気付いたら、早急にかかりつけの動物病院を受診しましょう。

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