ワンちゃんてなぜ吠える? ~対応と改善~

帰宅したら吠える、他犬を見たら吠える、外の音に吠えるなど様々な事に対して吠えるワンちゃん。そんな愛犬の吠えに悩まされている飼い主さんけっこう多いですよね。

今回はそんな時「どう対応したらいいのか?」「どうしたら吠えなくなるのか?」を考えていきます。

目次

なぜ吠えるのか?

最初から順に読んでくれている方ならおわかりでしょう。まずは吠える原因を知ることが最初にやるべきことで、原因を把握してからそれに合った対応・対策をして改善するのが正しい手順です。

よく「問題行動・無駄吠え」などと言われますが、ワンちゃんは無駄に吠えているわけではなく必ず吠える原因が存在します。その原因を取り除けば吠えなくなるのは至極当然のことなんです。つまり吠えるのが問題なのではなく、吠える原因をそのままにして吠え続けさせている飼い主さんに問題があるわけですね。

書籍やネットなどでは問題行動・無駄吠えと表現していることが多いので「吠えるのは悪いこと」と決めつけている方はとても多いです。だから吠えに対しては叱るという対応を選択してしまう。でもそれはちょっと待って!

まずは「なんで吠えているんだろう?」と考えてみましょう。いまその状況の中に必ず原因が存在しています。瞬間的だったり時間が経つとなくなる原因もあるのですぐに状況確認して突き止めることが大事です。あくまでも予想だし複数の原因を予想してもかまいません。それを続けていけばだんだんと原因が絞れて予想が確信へと変わっていきます。

それと同時に吠えを止めないといけませんが、対応方法は原因によって違います。間違えると逆効果になりよけい吠えるようになるので注意が必要です。

吠える原因

具体的な原因を挙げていくと星の数ほどあるので仮に陽と陰の2つに分けて考えます。

陽の原因

陽とは感情が高ぶって興奮している時で、喜んだり楽しい原因と考えてください。

 🔸 飼い主さんが帰ってきて喜んで吠える
 🔸 他犬・人を発見して喜ぶ
 🔸 遊んでいて興奮している
 🔸 遊び・ごはんなどを要求する

こういう時は原因・対象に対して良いイメージがあり積極的な行動として吠えているので原因はごほうびになるものが多いのが特徴です。

陰の原因

陰は逆で怖い・不安など感情が落ちている原因です。

 🔸 急な大きな音・地震などに反応
 🔸 嫌いな他犬・人を発見
 🔸 場所・状況に恐怖や不安を感じている

この場合は原因・対象が罰になるものが多い

原因・対象が「ごほうび」になるのか「罰」になるのかで考えるとわかりやすいですね。ちなみに感情がフラットの時に吠えることはあまりないと思うのでここでは考えません。

ポイント

✅ 吠えを止めるのではなく原因を知り解決することで吠えなくなる
✅ 原因・対象がごほうびになるかになるかで対応方法は違う

適切な対応

それでは陽・陰のそれぞれでどう対応すればその時吠えが止まるのかを考えていきましょう。

陽の場合の対応

対象がごほうびになるのですから対象がなくなることが罰になります。では具体的にどう対応するかを挙げた例で説明します。

🔸 飼い主さんが帰ってきて喜ぶ
もう嬉しくてかまってほしくてしかたがない。興奮が抑えきれず吠えてしまっている場合ですね。これはワンちゃんの「学習の仕組み」と「伝え方」で対応方法となぜそうなるかを詳しく解説しているのでそちらを参照してください。

🔸 他犬・人を発見して喜ぶ
他犬・人が大好きなワンちゃんはお散歩中などは大騒ぎだと思います。うちのバッシュもそうです。。。

吠えるだけならともかく、飛びついたりすると迷惑がかかったりトラブルの元にもなります。一番簡単な方法はすぐに遠ざかり視界から消すこと。広いところだと消すのは難しいかもしれませんが、距離を取れば吠えは収まるはずです。

もし慣れた相手や遊ばせてもいい犬・人なら、一定の距離を保ってお互い止まり吠えなくなったら遊ばせてあげれば「吠えない=遊べる(ごほうび)」となり遠ざかるだけより効果的に吠えを改善できます。ただ、知らない相手だと向こうから近づいてきて制御できない可能性が高いのでそういう時は逃げの一手です。

さらに詳しい解説は【人・他犬への社会化】手順とポイント解説を御覧ください。


🔸 遊んでいて興奮している
おもちゃでの「遊び方」と「教えたほうが良い」ことを御覧ください。

🔸 遊び・ごはんなどを要求する
「要求吠え」と言われるものですね。これは吠えると飼い主さんは言う事聞いてくれるとすでに学習している可能性が高いので普段の対応を飼い主さんが改善しないと治りません。

そう学習してしまうのはある意味仕方がない部分もあります。家でも外でも吠えると迷惑になるという心理が働くので、飼い主さんは吠えを止めるために愛犬の望むことをしてあげちゃうんですよね。。。その結果「吠えれば望みが叶う」と学習したワンちゃんはなんでも吠えて解決しようとします。まぁ単純にかわいいから言う事聞いちゃうっていう飼い主さんの方が多いかもしれないけど。。。

対応方法は単純で「吠えている時は望みを叶えない(ごほうびになる事をしない)」「望ましい状態になったら叶えてあげる」だけでいんです。ただ、吠えを学習した子はがんばって吠え続けて近所迷惑になることもあるので注意が必要です。そういう場合は専門家に相談して愛犬と環境に合った最適な方法を指導してもらうのがいいでしょう。

陰の場合の対応

今回の記事のポイントは「陰の原因の場合にどう対応するか」が一番お伝えしたいことなんです。陽の原因の場合は対象が「ごほうびになるもの」なので、多少失敗しても愛犬はラッキーなだけなんですが、陰の場合は対応を間違えると関係性が崩れたり症状が悪化したり他の困ったことに繋がったりします。

🔸 急な大きな音・地震などに反応
社会化って大事!愛犬との暮らしをもっと楽しくを御覧ください。


🔸 嫌いな他犬・人を発見

【人・他犬への社会化】手順とポイント解説を御覧ください。


🔸 場所・状況に恐怖や不安を感じている

怖がりな子などは音や環境の変化に敏感で、事あるごとに恐怖・不安を感じ吠えることが多いです。これは威嚇あるいは虚勢だったり飼い主さんに助けを求めている可能性もあります。根本は恐怖を和らげたいために吠えているので陽の原因とはだいぶ違いますよね。

この場合はその状況がすでに罰になっているので、1秒でも早くそこから脱出させてあげる・状況を改善してあげることが飼い主さんのするべきことでそれがごほうびになります。それがわかればこの吠えに対して叱ることが良い対応ではないことはわかっていただけるはずです。

たとえば虫嫌いの人が虫がたくさんいる部屋に閉じ込められ悲鳴をあげて怖がっているのに「うるさい!静かにしろ!」と言われたらその人を嫌いになるでしょうね。もしかしたら言った人に怒りをぶつけることだって考えられます。それと同じことなので叱るのはやめましょう。

その瞬間に恐怖や不安を取り除く方法としては「抱っこしてあげる」「対象から遠ざかる」のが一般的です。ただ、愛犬の性格・関係性や状況によるので抱っこに対して「拘束された・逃げられない」など安心感より恐怖が大きい場合はたとえ飼い主さんであっても噛まれる危険性はあります。うまくいかない場合などは専門家に相談したほうがいいでしょう。

改善するために

前述したように吠えるには理由(原因)があり、それを解決してあげれば吠えなくなるんです。だから吠えを止めるという意識よりも、吠えにつながるようなことをなくしていけば自然と吠えなくなります。

そのためにはやはり社会化が一番おすすめです。日常起こりうる事や接する人・物などに慣らしていけばちょっとやそっとのことでは動じない自信のある子になります。これは主に「陰の原因」をなくしていくので「陽の原因」をなくしていくためには、普段から興奮しすぎないように飼い主さんがコントロールしてあげるなど、飼い主さんの理想に沿った対応をしていく必要があります。

それらを積み重ねていった結果吠えなくなるんです。飼い主さんは短時間で治すことを望む方が多いですが、吠えを改善する即効性の方法があるとしたら力ずくで吠えさせないようにすることくらいです。

吠えたら嫌悪刺激(体罰などの嫌がること)を与えれば当然吠えなくなりますが、私のしつけ方法ではそれはやってはいけないことなのであえて「即効性のある方法はない」と言わせてもらいます。その方法では吠えなくなる以上に失うものが多いでしょう。

ポイント

✅ 吠えなくする即効性のある対応方法はない
✅ 吠える原因をなくすためにしっかり社会化することをおすすめ

吠えはヘルプや要求などのサインですから、それを有無を言わさず却下して抑え込んだら愛犬はストレスも溜まります。飼い主さんに言っても解決してくれないから自分で判断して行動するとそれもまた怒られる。。。どうしようもないですよね。

飼い主さんに必要なのは愛犬のサインを見逃さず、ちゃんと理解して適切に対応してあげる能力です。それができれば信頼関係が築けて愛犬との生活はより楽しくなるはずなので「関係の構築と社会化」をがんばってみてください!

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