犬も人間同様くしゃみをすることがあります。
そして人間同様、生理現象のものから病気の可能性があるものまで、くしゃみが出る理由は様々です。
- 毎日のようにくしゃみが出ている
- くしゃみの他にも症状がある
などの場合は、生理現象ではないことが疑われます。
ここでは、犬のくしゃみの原因や考えられる病気について解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
【犬のくしゃみ】生理現象の場合
犬のくしゃみが生理現象の場合、
- ホコリを吸い込んだ
- 臭いを嗅いだときの刺激
- 水が鼻に付いた
など、鼻に刺激があったときに起こるくしゃみの事を言います。上記のような場合は、特に心配する必要は無いでしょう。
犬の逆くしゃみとは?
犬には逆くしゃみという現象が起こることがあります。
通常のくしゃみの場合、鼻の中に刺激があった際に空気を思いっきり排出させるように「クシュン!」とするのが一般的ですが、逆くしゃみはまるで呼吸困難が起こっているかのように「ガーガー」と鼻を鳴らすようなくしゃみの事を言います。
これは鼻の中が刺激される事により、空気を思い切り吸い込むことで発生しています。
多くの場合はアレルギーやホコリを吸い込んだことが原因で起こるのですが、鼻の中に異物が混入した場合やひどい炎症を起こしていることもあるので、頻繁に起こるようであれば一度かかりつけの獣医師へ相談することをおすすめします。
犬のくしゃみで考えられる病気と症状
犬のくしゃみが生理現象ではなく、病気が原因の場合はその他にも症状が現れていることが多いです。
犬がくしゃみをしていて考えられる病気とその症状については以下のとおりです。
【犬のくしゃみ】ケンネルコフ
- 咳やくしゃみ
- 発熱
- 呼吸が苦しそう
- 食欲不振
- 呼吸困難
- 元気がない・ぐったりとしている
など…。
犬のケンネルコフとは、ウイルスの感染症で「伝染性気管支炎」とも呼ばれています。
とくに生後6週~6ヶ月の子犬が1日に数回「コホコホ」と咳をしていたり、くりゃみを繰り返す場合、要注意です。
ケンネルコフの原因となるウイルス感染はワクチンで予防することができますので、子犬の頃からワクチン接種はきちんと行いましょう。
【犬のくしゃみ】歯周病
- 歯茎が赤くなり腫れ上がっている
- 口臭
- 歯茎からの出血
- よだれの量が増える
- くしゃみ
など…。
歯周病は初期の状態であれば歯茎が赤くなり腫れ上がっていたり、口臭がきつくなるなどの症状です。
ですが、歯周病の炎症がひどくなると歯の根元にまで炎症が進み、更に進行すると口と鼻の壁となっている骨が溶けて穴が空いてしまうことによって、くしゃみや鼻水などの症状が出ることがあります。
飼い主さんが歯周病に気付きやすい症状は「口臭」です。口臭がきつくなったと感じれば早めに動物病院へ受診するようにしましょう!
また、歯周病は歯磨きで予防が可能です。定期的な歯磨きを心がけましょう。
【犬のくしゃみ】鼻炎
- くしゃみ
- 鼻水
- 涙
- めやに
など…。
鼻炎の一般的な症状はくしゃみと鼻水ですが、目と鼻がつながっている「鼻涙管」に炎症が起こることで涙が多く出ていたり、目やにが出ることもあります。
鼻炎の原因は、ウイルスや菌、アレルギーなどが考えられますが稀に鼻腔内の腫瘍が原因で鼻炎を起こすこともあります。
腫瘍が原因でくしゃみが出ている場合、鼻炎の症状とよく似ているため全く気付かない飼い主さんも珍しくはありません。
顔が腫れ上がったり眼球突出、呼吸困難などの症状が出ていると気付く飼い主さんも多くなりますが、この頃には腫瘍が既に進行している状態であることがほとんどです。
くしゃみが頻繁に出ていると気付いた時点で、動物病院へ相談することをおすすめします。
異物による刺激でくしゃみが出ることも
犬の「逆くしゃみ」でも少し触れましたが、鼻の中に異物が入ることでくしゃみが出る事もあります。
中には鼻の中にある異物がなかなか排出されずに、くしゃみが止まらない状態になることもあります。
長時間鼻の中に異物が残ったままになると鼻の中の粘膜に傷が付き炎症を起こしてしまう恐れもあり、その結果鼻血や食欲の低下などの症状が現れることもあります。
犬の鼻の穴は小さいですが、思わぬものが入り込むことも考えられます。生活環境は常にきれいな状態を保つことで予防にも繋がりますよ!
犬はくしゃみを【わざと】出すこともある?
犬がくしゃみをした際に、例えば
- 飼い主さんが自分に注目してくれた
- 飼い主さんに優しく声をかけられた
など。
過去にくしゃみをしたことによって「飼い主さんが反応してくれた!」という愛犬にとって嬉しい経験があり、わざとくしゃみをすることがあります。
また、嬉しいときに「うれしょん」をする子がいるように、くしゃみをする子もいます。
こういった「嬉しい」を表現するためにくしゃみが出る子も中にはいますよ!
犬のくしゃみが止まらない!対処法は?
1度や2度のくしゃみではなく、数分以上続くくしゃみや、毎日何度もくしゃみが出ていると飼い主さんも不安になりますよね。
くしゃみは生理現象から病気のものまで様々で、飼い主さんが病院へ連れて行くべきかどうか判断しなければいけません。
病院へ連れて行くべきか、様子を見ていても大丈夫なのか、以下を参考にしてみてください!(※あくまで参考程度で、少しでも心配なことがある場合は迷わず獣医師へ相談してくださいね。)
病院へ行くべき症状
- 食欲が落ちている
- くしゃみに伴い鼻水が出ている
- 鼻水に色がついている・粘り気がある・鼻血が出ている
- くしゃみが続く
- 毎日数回出ている
など…。
くしゃみに伴い食欲が落ちていたり鼻水が出ている場合は、アレルギーや鼻炎、異物混入なども考えられますのでまずはかかりつけの動物病院へ問い合わせをしてから連れて行くようにしましょう。
様子を見ていても大丈夫な症状
- 1回のくしゃみが1~3回程度で収まる
- 原因がわかっている場合
1日に1回程度や、稀に出ている場合、原因がわかっている場合はしばらく様子を見ていても問題ないでしょう。
ただし、原因が分かっているのに対処をしないのはNGです。
例えば
ホコリが原因=掃除をしてホコリを取り除いてあげる。
お水が鼻の中に入りやすい=水を飲む容器を変更してあげる。
など、原因によっては飼い主さんが対策をする必要があることもありますよ。
まとめ
犬のくしゃみはすぐに収まるものであれば基本的に心配する必要はありません。
ですが、続いている場合や他の症状がある場合は病気である可能性も考えられるので、日頃から愛犬の様子をしっかりと伺うことが大切です。
自己判断は危険ですのでくしゃみの他にも気になる症状があれば、迷わず動物病院へ受診しましょうね!