犬の痙攣(けいれん)とは?症状や原因、対処法について

愛犬の体が震えているのを見たら、びっくりしてパニックになってしまう飼い主さんが多いと思います。けれども痙攣は突然起こるものです。
いざという時、慌てず適切な行動をとれるように正しい知識を身につけておきましょう。犬の痙攣の症状や原因、対処の仕方についてまとめましたので、ぜひご覧ください。

目次

痙攣ってどんな症状?

痙攣とは、全身または手足などの一部の筋肉が勝手に収縮し、犬の意思とは関係なく体がビクビクと小刻みに震えたり、手足がバタバタと動いてしまう状態のことです。
体の震えの他に、意識を失う、嘔吐や失禁、大量のよだれを出すなどの症状が出ることもあります。痙攣は一般的に数秒、長くても2~3分ほどで治まるはずです。無理に押さえつけたり、体を揺らさないようにしましょう。

痙攣が起こる原因

犬の痙攣が引き起こされる原因は、大きく分けて「脳の病気」と「脳の病気以外の疾患」の二つに分類されます。

  • 脳の病気
    てんかん、水頭症、脳炎、脳腫瘍、脳梗塞 など

犬の痙攣の最も多い原因は、てんかんです。脳の神経細胞に異常が生じることで、てんかん発作を引き起こします。
意識を失い横倒しになって全身をガクガク震わせる発作や、体の一部分だけが痙攣する発作など、症状はさまざまです。
たいてい6か月~3歳の若い時期に発症しますが、初めて症状が出た時の年齢が中高齢期の場合は、脳腫瘍などの可能性が高くなるといわれています。

  • 脳の病気以外の疾患
    心疾患、肝障害、低血糖、腎不全、熱中症、中毒(殺虫剤、除草剤、チョコレートなど)、外傷 など

熱中症が原因で痙攣している場合、犬の体はかなり危険な状態です。臓器がダメージを受け、数日で命を落とすこともあります。とにかく体を冷やし、一刻も早く動物病院へ連れて行きましょう。
呼吸が荒い、よだれをたらし続ける、ソワソワしているなどの初期症状の段階で、すぐに体を冷やす応急処置をとることが重要です。
回復したように見えても数日後に何らかの機能障害が出ることもあるので、飼い主さんが勝手に「大丈夫」と判断するのではなく、かかりつけの先生に相談することをおすすめします。

対処法について

愛犬が痙攣している姿は、とてもショッキングな光景です。しかし多くの場合、症状は数秒で治まりますので、痙攣の様子を落ち着いて観察しましょう。
この時、犬は意識が混濁しているため、顔まわりを不用意に触ってしまうと咬まれる恐れがあります。前述のとおり、無理に体を押さえつけたりせず、愛犬が周囲のものにぶつかってケガをしないように注意を払ってください。
苦しんでいる愛犬のためにできることは、パニックにならないこと。そして、愛犬と飼い主さんの身の安全を確保し、痙攣の様子をしっかり観察することです。

  • 痙攣が起こる前、行動や体調の変化はあった?
  • 全身の痙攣?それとも部分的な痙攣?
  • 痙攣中の意識の有無は?
  • 痙攣していた時間はどのくらい?
  • 痙攣以外に、お漏らしや嘔吐などの症状はあった?
  • 痙攣が治まった後の様子は?

メモをとる他、動画で撮影することも頭の片隅に入れておいてください。口頭ではうまく伝わらないことも、動画があれば当時の状況がひと目で分かります。
痙攣が起こった時の様子を詳しく伝えることが、原因を突き止めるための手助けになるのです。

痙攣が落ち着いたら動物病院へ

痙攣の原因を特定するためには、さまざまな検査を要します。症状が治まったら、なるべく早く動物病院へ向かいましょう。
ただし、5分以上にわたる長時間の痙攣であったり、1日に2回以上の痙攣が起こる場合は、動物病院での緊急対応が必要になります。たとえ夜間であっても、愛犬の様子に気を配りつつ、そのまま連れて行きましょう。

予防ってできるの?

残念ですが、熱中症や中毒を除くと、飼い主さんが事前に予防することは難しいです。
だからこそ、愛犬が熱中症にならないように注意する、中毒の恐れがあるものは口にしないよう身の回りを気を付けるなど、できることをきちんとして愛犬の健康を守りたいですね。
また、定期的に健康診断を受けることが、あらゆる病気を早期に発見するための近道になるのではないでしょうか。
犬は人間よりも早く歳をとり、あっという間に成長します。そう考えると、最低でも年に1回、むしろ2回受けたとしても多いというほどではありません。

まとめ

犬の痙攣の症状や原因、対処法についてご紹介しました。できることなら愛犬が苦しんでいる姿は見たくないものですが、痙攣はどの犬にも起こる可能性があります。
大切なのは、その後の対処の仕方です。決して混乱状態には陥らず、適切な対応がとれるように日頃から常に意識しておきましょう。
そして、実際に痙攣が起こった場合は症状が落ち着くのを待ち、早めに動物病院へ連れて行ってあげてください。

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