犬も虫歯になる?虫歯の原因と見分け方|予防や治療方法と費用について!

私たち人間だけでなく、犬にとっても歯の健康はとても大切なものです。歯の健康が損なわれてしまうと食事が取りづらくなってしまいます。これでは食べるのが好きなワンちゃんにとっては苦痛です。さらに、歯の不調は犬の身体の健康状態にも影響を及ぼすことがあるのです。

今回は犬の口腔トラブルの一つである虫歯についてご紹介いたします。

目次

犬も虫歯になる?なりやすい?

一昔前までは「犬は虫歯ならない」と言われていましたが、最近では犬も虫歯になるということが分かってきました。

それでは、犬と人間を比べた場合、犬は虫歯になりやすい方なのでしょうか?

いいえ、犬は本来虫歯になりにくい動物です。その理由は次の3つ。

  • デンプンを糖に変える酵素が少ない
  • 歯が鋭く薄い
  • 口腔内が弱アルカリ性をしている

人間の唾液にはデンプンを糖に変える「アミラーゼ」という酵素が含まれています。しかし、犬の唾液にはアミラーゼが少ないため、口腔内でデンプンが糖に変換される事があまりありません。このため、虫歯菌の餌となる糖分が犬の口腔内にはあまり存在しないので、虫歯になりにくいのです。

また、肉食よりの雑食である犬の歯は、肉を噛みちぎるために鋭く薄い歯をしています。人間のように臼状の歯が少ないため、食べかすなどの汚れが歯に溜まりずらく、虫歯が発生しにくくなっています。

さらに、犬の口の中が弱アルカリ性をしているというのも虫歯になりにくい大きな理由です。

虫歯菌などの悪玉菌は酸性で増えやすく、アルカリ性だと繁殖しにくいという特徴があります。犬の唾液は弱アルカリ性をしているので、犬の口腔内では虫歯菌が定着・繁殖しにくく、犬はあまり虫歯にならないのです。ちなみに、私たち人間の口の中は弱酸性なので、虫歯が発生しやすくなっています。

以上のような理由から、犬にはあまり虫歯が発生しません。

ですが全く虫歯にならないわけではないので、日々の口腔ケアと共に歯の健康状態をよく観察することが大切です。

犬の虫歯の原因とは?

通常は虫歯になりにくい犬に虫歯が発生してしまうのは何故なのでしょうか?

犬が虫歯になってしまう原因として以下のようなものが考えられます。

人間の食べ物を頻繁に与えている

私たち人間が食事をしていると、愛犬がテーブルの側でこちらを見上げながらお座りをしている。そんな姿を見るとついついご飯を分けてあげたくなりますよね。

しかし、人間のご飯は犬にとっては味が濃すぎますし、糖分も多く含まれています。

特に、パンや米などの炭水化物は糖分が豊富です。これら糖分が多いご飯を頻繁に犬に与えていると、口の中が虫歯菌の増殖しやすい環境になってしまうため、虫歯が発生しやすくなります。

また、糖分が多い人間のご飯を与える事は、歯の健康を損なうだけでなく、糖尿病などの病気も発症しやすくなるので注意が必要です。

可愛い愛犬にはなんでも与えたくなりますが、健康を考えるならドッグフードなどの犬用のご飯だけを与える事が1番だと言えるでしょう。

歯垢や歯石の蓄積

虫歯になりにくい犬ですが、歯垢や歯石が蓄積しやすく「歯周病」を発症しやすいという特徴があります。

これは口腔内が弱アルカリ性のため、歯垢が石灰化しやすいく歯石が溜まりやすいからです。

この溜まった歯垢や歯石の奥には犬の弱アルカリ性の唾液が届きません。そのため、蓄積した歯垢や歯石の奥に虫歯菌が入り込むと容易に増殖できてしまうので、虫歯が発生してしまうのです。

日頃から歯垢を溜めないようにケアしてあげましょう。

人間の虫歯菌が犬にうつった

人間の口の中の虫歯菌が犬にうつる事で、犬に虫歯が発生するケースがあると考えられています。また、逆に犬の歯周病菌が人間にうつり、人が歯周病を発症するケースも考えられます。

そのため、犬に口を舐めさせたり、ご飯を口移しで与えるような行為は適切とは言えません。

人と犬双方の健康のためにも、過剰なスキンシップは控えた方が良いでしょう。

犬の虫歯の見分け方

犬が虫歯を発症しているか見分けるには、歯の状態と犬の様子をよく観察することが大切です。

犬が虫歯になった時には次のような歯の状態が見られます。

  • 歯に穴が空いている
  • 歯の一部が黒ずんだり茶色くなる
  • 歯が濁った色になる

このような歯の変化が見られたら虫歯を発症している可能性が高いです。

また、犬の様子にも変化が見られます。

  • 口を触ろうとすると嫌がる
  • 口を足で触ろうとするなど口を気にする様子が見られる
  • 餌を食べるのが下手になる
  • 食欲が無くなる

このような犬の状態が見られた場合には、虫歯などで口の中に異常が起きている可能性が高いので、早めに獣医師に相談するようにしましょう。

犬の虫歯予防方法は?

愛犬の虫歯を予防する対策として次のようなものが挙げられます。

  • 食べ物に注意する
  • 歯磨きを習慣づける

パンや米などの人間の食べ物はもちろん、犬用のおやつでも甘味の強い物を頻繁に与えていると虫歯になりやすくなってしまいます。

人間のご飯は与えない、甘みが強く歯につきやすいおやつは控えるなど、与える食べ物に注意しましょう。

犬の虫歯予防に最も効果的なのが歯磨きです。普段から歯磨きをして歯垢を除去してあげる事で虫歯や歯周病予防になります。

犬は歯垢が歯石に変化するのに3〜5日かかると言われているので、最低でも1日おきに歯磨きをした方が良いですね。

いきなり歯ブラシで歯磨きをするのはハードルが高いですから、歯磨きシートなどを使って歯に触れられる事に徐々に慣れさせていき、歯磨きを習慣化していきましょう。

他にも、歯垢除去に効果があるデンタルガムなどのデンタルケアグッズを上手に組み合わせて使うと良いですね。

犬の虫歯治療と費用

もし愛犬が虫歯になってしまったとしたら、どのような治療を行うのでしょうか?

また、費用はどのくらいかかるものなのでしょうか?

犬の虫歯治療は基本的に全身麻酔を使って治療します。これは治療中に犬が暴れる事を防ぐためです。具体的な治療方法は虫歯の進行具合によって変わってきます。

軽度の虫歯であれば患部を削り、充填剤で削った箇所を埋めて歯の形を修復すれば治療終了です。

虫歯が歯髄にまで及んでいる場合は、菌が歯から全身に広がってしまう恐れがあるので、歯髄を除去する「抜髄治療」が必要になります。また、虫歯によって歯冠が大きく破壊されている場合や、歯の根本の炎症が重度の場合には抜歯が必要となるケースもあります。

虫歯が進行するほど治療も複雑になりますし、犬の身体への影響も大きくなるので、虫歯を見つけたら早めに獣医師に相談しましょう。

次に虫歯治療の費用についてです。

犬の虫歯治療費は病院によって様々ですが、だいたい3万円〜10万円ほどの費用がかかります。

虫歯治療が高額になる理由は、治療前に様々な事前検査が必要になるからです。

犬の虫歯治療は全身麻酔を使って行いますが、全身麻酔には少なからずリスクがあります。そのため、犬の健康状態が良好でなければ治療することができません。安全に治療するためには、虫歯治療の前に様々な検査を行い、犬の健康状態を調べる必要があるのです。

このように、犬の虫歯治療を行う際には治療前に様々な検査が必要となるため、費用が高額になりがちです。

犬の虫歯まとめ

犬は歯の形状や口腔内の環境から虫歯に罹りにくい動物です。しかし、絶対に虫歯にならないわけではありません。
虫歯治療の費用は高額になるケースが多いですし、虫歯が進行すると愛犬の身体の健康にも悪影響があります。

普段からデンタルケアを習慣づけて、愛犬の虫歯予防を心がけましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次