あなたの愛犬は甘えん坊ですか?飼い主が大好きな犬は、愛情をさまざまなしぐさで伝えてくれます。
昔は「犬を甘やかすと自分がボスだと思うようになる」といわれ、犬の甘えを許さない教えもありました。
しかし今や犬は家族の一員。愛犬が甘えてきたら、その愛情に応えてあげたくなります。
この記事では、甘えん坊な犬がよくするしぐさ6つをチェック形式で解説します。
また、「愛情を注ぐこと」と「甘やかす」ことの違いについても触れますので、気になる方はぜひ確認してみてください。
甘えん坊な犬のしぐさ6選!これが当てはまったら「甘えん坊犬」認定
甘えん坊の犬には、飼い主に触れていたい、構ってほしいというしぐさがよく見られます。
以下の6つのしぐさを全てするなら、あなたの愛犬はかなりの「甘えん坊犬」といえるでしょう。
いくつ当てはまるか、チェックしてみてください。
①頭や体の一部を押し付けてくる
愛犬があなたの体に頭やお尻など体の一部などを押し付けてくることはありませんか?
それは、甘えたい、撫でてほしい、あなたに触れていたいという気持ちの表れです。あなたがそばにいることが嬉しくてたまらないのでしょう。
また、犬がお尻をくっつけて背中を見せるのは信頼している相手だけ。愛犬がお尻をあなたの体にくっつけてリラックスしているなら、あなたを完全に信頼し、そばにいることに安らぎを感じているのでしょう。
②飼い主の後追い
同じ家の中にいるのに、あなたの姿が見えなくなると追いかけてくるのも、甘えん坊の特徴です。
いつもあなたと一緒にいたい、一緒にいれば安全だという気持ちの現れでしょう。
ただ、この場合は少し注意が必要です。犬が一人で置いて行かれることに不安を感じていることもあるからです。
毎回そのような態度をとる場合は、少し分離不安の傾向があるのかもしれません。
③前足や顎を乗せてくる
あなたがソファでくつろいでいるときなどに、膝の上に前足や顎を乗せてくるのも、甘えん坊です。
基本的にあなたに触れてぬくもりを感じると安心するのでしょう。あなたに母犬のような感情を抱いているのかもしれません。
④飼い主の口を舐める
あなたの愛犬は、あなたや家族の口元を舐めますか?口を舐めるしぐさは、オオカミからの本能の名残です。
野生では、母犬は子犬が消化しやすいように獲物を一度自分でかみ砕いてから与えます。そのとき子犬は母犬の口元を舐めて口の中の餌をねだるのです。
犬社会では、口元を舐めることは、自分より上位の者に対する尊敬と愛情のしぐさ。愛犬があなたの口元を舐めるのは、野生の名残からきた、敬愛のしぐさなのです。
ただし、犬に舐めさせることは、人獣共通感染症の危険性もありますので、あまりおすすめできません。口元を舐めようとしたら、さりげなく離れて代わりに撫でてあげましょう。
⑤じっと見つめてくる
視線を感じて振り向くと、愛犬がじっとこちらを見つめていることはありませんか?
信頼し合っている飼い主と犬は、見つめ合うことで幸福ホルモンといわれる「オキシトシン」が分泌されます。
犬は信頼している飼い主と見つめ合うことで幸せを感じるため、アイコンタクトをとろうとしているのかもしれません。
また、こっちを向いてほしい、注意を向けてほしいと感じている可能性もあります。
⑥撫でてもらおうとお腹を向ける
愛犬が仰向けになるのは、構ってほしい、撫でてほしいという気持ちと同時に、信頼をしている証拠でもあります。
お腹を見せる行為は犬にとって最も無防備な姿です。飼い主が自分に絶対に危害を加えないと信頼しているのでしょう。
犬がお腹を見せるしぐさは、ときに「服従」のしぐさだともいいます。犬が服従でお腹を見せているときは、視線を大きく外し、ゆっくりと緩慢な動作でお腹を見せます。
ごろんと勢いよく転がったり、お腹を見せつつあなたを見つめているときは、服従ではなく甘えているか遊んでいるかです。
甘えん坊な犬にしてあげたいこと
チェック結果はどうだったでしょうか?すべてにチェックが入れば、あなたの愛犬を「甘えん坊犬」に認定します!
しかし「甘えん坊犬」の中には飼い主がいると安心するという反面、飼い主が居ない場所では不安を感じている犬もいるかもしれません。
以下で、「甘えん坊犬」認定犬に対して、飼い主ができることについて解説します。
お留守番の練習をする
甘えん坊な犬は、「分離不安症」にならないよう、少しずつお留守番に慣れるトレーニングが必要です。愛犬が可愛いからといって、毎日24時間一緒にいられる方はほとんどいないでしょう。
分離不安症を抱える子は、脳内伝達物質のセロトニン濃度が低いことがわかっています。分離不安はメスよりオスのほうが圧倒的に多いといわれており、生まれつきなりやすい子もいます。
しかし分離不安はトレーニングによってかなり改善できます。行動診療ができるドッグトレーナーさんの指導を受けて留守番トレーニングを続けましょう。
分離不安症は、重度になると犬自身も大きなストレスからの頭痛に苦しみます。
トレーニングで改善が難しいようなら行動診療医からセロトニン濃度を補う薬を処方してもらうなどして、本人の不安を和らげてあげることも大事です。
「愛情」と「甘やかし」を区別する
犬を「甘やかす」ことと、「愛情をかけて育てる」ことは違います。
よく、犬になついてもらうために、家にいる時間が少ないお父さんがやたらとおやつをあげて、結局犬を太らせたうえに我がままにしてしまうという話を耳にします。
微笑ましい話ですが、間違った愛情で甘やかしてしまうと、犬は正しい行動を理解できません。何をしても許されると誤解し、飼い主に対して威圧的な行動に出てしまうことも。
十分な散歩、栄養管理されたご飯、新鮮な水、適度なスキンシップ。
大事なのは犬の欲求を過不足なく満たし、「この人といれば大丈夫」と安心感を与えてあげることです。
あなたを信頼するかしないか、好きになるかどうでもいい人だと思うかは、愛犬自身が決めることなのです。
まとめ
あなたの愛犬は、甘えん坊度チェックがいくつ当てはまりましたか?
全部当てはまるという場合は、かなりの甘えん坊犬です。
甘えん坊の犬がよくするしぐさは、常に飼い主に触れていようとする態度や、あなたの注意を引こうとする行動に表れています。
しかし、甘やかし方を間違えると、分離不安になったり攻撃性が出てしまったりしてしまいます。心から信頼できない相手と暮らすのは、お互いに辛いでしょう。
犬の甘えるしぐさは十分に受け入れつつ、同じだけの愛情を与えてあげましょう。