留守番トレーニングと分離不安

みなさん愛犬との暮らし楽しんでいますか。とてもかわいくてずっと一緒にいたいけど、そうもいかないのが現実ですよね。

離れる時大騒ぎされて胸が締め付けられる思いをしたくない、落ち着いてお留守番できるようにしようというのが今回のテーマです。ぜひチャレンジしてみてください!

目次

愛犬への愛情と弊害

留守番トレーニングの前に知っておいてほしいことをお伝えします。

みなさなんワンちゃんが大好きでお家に迎えたはずです。だから愛情を注いでかわいがっていますよね。私もそうですしこれまでも「コミュニケーションを取り、お互いを理解して良い関係を築くことが大事」とお伝えしてきました。しかし、愛情を注ぎ絆が強くなればなるほど逆に分離不安という弊害が出てくることがあります。「寂しがり」や「怖がり」と同様に考えたり誤解されたりしますが、状態的にはもっと悪化したものと考えてください。。

留守番ができず鳴き叫んだり行動や精神が不安定になるのは分離不安になっている可能性が高く、それを解消しない限り「落ち着いてお留守番」はできないということになります。

絆は大事ですが依存されすぎると飼い主さんがいないと何もできない子になってしまうので、自律性を高めることも同時にやっていかないといけません。そのためにトリック(芸)を教えたり社会化・しつけをしましょうとお伝えしてきました。

飼主さんが「望む状態」「望むことができた」時にごほうびをあげると、その後も自主的にその行動をしたり状態を保とうとします。自主的に行動してほめられることで自信がついていき、飼い主さんがいなくても不安になることなく落ち着いていられるようになります。さらにいろんなことに対して社会化してあげれば分離不安になる可能性はかなり低くなるんです。

このように今までお伝えしてきたことは「まとめてしつけ」でありどれも大事なことなんです。だから困ったことがあったらその瞬間、そのことだけ治そうとがんばっても土台がないから簡単にはいかない。一から土台(関係性)を作っていきましょうとなるので時間がかかります。

ただ、体罰や愛犬が嫌がることを罰として使えば言うことを聞かせるのはすぐにできるかもしれません。力で負けなければ望み通り動いてくれるはずです。しかし、それは自主性とはかけ離れたもので「罰が嫌だから言うことを聞く」ということです。

そういう子なら留守番の時騒がないかもしれませんが、飼い主さんも信頼していません。逆にいないほうが嬉しいかもしれない。。。私の記事を読んでくれている飼い主さんはそんな関係を望んでいないことはわかっています。

留守番と関係ないと感じるかもしれませんが、人や他犬・音の社会化をして怖がらないようにしたり、ビビりを克服することも必要なことなことで、なぜなら留守番できない原因のひとつに怖がりも含まれるからです。社会化できていれば留守番トレーニングすら必要ないことだってあるくらいなんですよ。

話しが多少それてしまいましたが「留守番トレーニング」の手順やポイントについて解説していきます。

ポイント

✅ 愛犬との絆の強さゆえの依存・分離不安という弊害も少なからずある
✅ 社会化やトリック(芸)などすべてがしつけの一貫で大事なこ
✅ 留守番できない原因のひとつとして怖がりも考えられる

留守番トレーニング

お仕事・お買い物などでお留守番してもらうことが多いと思いますが、どこでどのように留守番させるかはフリーの人もいればスペースを限定したりクレートに入れるなどそれぞれ違うはず。

まずは留守番トレーニングを難易度から考えてみましょう。

難易度を考える

トレーニングは低い難易度か始めるのが鉄則なので「環境・時間・距離」でそれぞれ解説します。

環境

場所は一番安心できる環境ということで自宅リビングなど「1部屋にフリーでお留守番」から初めてみましょう。他に影響がありそうな物はできるだけ排除します。


【マイナス要因】
🔸 テレビや外から音がする
🔸 他人・他犬がいる
🔸 クレートなど狭いところに閉じ込める

【プラス要因】
🔸 おもちゃ
🔸 オヤツなど食べ物

マイナス・プラスはワンちゃんによっては逆になることもあるので、それは飼い主さんの判断にお任せです。一般的にはオヤツやおもちゃがあれば不安は感じにくくなるはずなので、愛犬の状態によって置いてあげてください。

時間

時間は短ければ短いほど難易度は低いです。とても騒ぐ子だと最短1秒だって考えられます。現在の愛犬の状態を見て限界時間を見極めましょう。

留守番用のWebカメラを使って観察すると、だいたいどのくらいの時間なら落ち着いてられるかわかるので可能であれば利用してみてください。落ち着いていられる時間を基準として徐々に伸ばすようにトレーニングをしていきます。

距離

留守番に関しては飼い主さんは部屋から出て見えなくなるので距離は関係なく難易度にも関係ありません。

環境と時間が把握できたらトレーニングを始めます。個人レッスンだと初級・中級・上級と分けてカリキュラムを組んだりします。

【初級】 自宅1部屋にフリーでお留守番
【中級】 自宅でクレートなど狭い場所・カバーで視界を遮りお留守番
【上級】 自宅以外でお留守番

大雑把に説明すると上記のような環境です。中級以上になると条件が厳しくなり、クレートトレーニングや社会化も必要になってくるので今回は初級のみの解説になります。

初級編

リビングなどの部屋でドアがあり飼い主さんが見えなくなることを想定いしています。ワンルームなどの場合、外に出るなど自分の環境に置き換えてと考えてください。

「部屋に戻る=飼い主さんがごほうび」となるためオヤツは必要ありませんが、愛犬の状態や様子を見て必要と判断した場合は使ってかまいません。

1⃣ 部屋から出る

お留守番の合図を言って部屋を出ます。私は「留守番」と言っていましたがお好きな言葉でかまいません。合図を言うことで「これから飼い主さんはしばらく居なくなるんだな」と理解してもらうためです。毎回言うことで愛犬はちゃんと理解してくれるので必ず言うようにしましょう。

2⃣ ドアの前で待つ

ガラスで飼い主さんの存在がわかってしまうようならダンボールなどで遮るか、見えなくなる場所まで退避してください。あまり距離があるとすぐ戻れないのでできれば遮るほうがいいです。

戻るタイミングは愛犬が騒がない、吠えたりしない時間で戻ります。一番重要なのは吠えている最中に部屋に入らないことです。これは「吠えたら戻ってくる」と学習させないためなので守るようにしてください。

3⃣ 部屋に戻る

戻った時に騒がないで好ましい状態ならなでたり遊んであげてください。部屋に入った時(帰宅時)の対処法は「学習の仕組み」と「伝え方」で解説していますので合わせてご覧になってください。

4⃣ 1⃣~3⃣を繰り返す

繰り返しながら 2⃣ で部屋の外にいる時間を徐々に伸ばしていきます。最初は「留守番」って言うと居なくなるけどすぐ戻ってくると理解して、居なくなる時間を適切に伸ばしていくと「すぐじゃないけど必ず戻ってくる」と変化していきます。

時間が伸びてくるとドアの前で待つよりも寝たり他のことするようになり、落ち着いてお留守番できるようになります。

部屋を出とたんに吠えまくり、それが長時間続いたり異常性を感じるならすでに分離不安の可能性があります。私の愛犬バッシュは保護犬だったせいか分離不安の気がありました。迎えてからすぐにトレーニングもせずに留守番してもらうことになってしまい、帰ったら1時間以上吠えまくって大変だったこという経験があります。

その時は対処に2時間ほどかかり翌日以降トレーニングをして留守番できるようになったのですが、愛犬の状態や環境を考慮した最適な対応、トレーニングをする必要があるので専門家の指導の元トレーニングすることをおすすめします。

参考までにバッシュが鳴き叫んでいる留守番動画をお見せします。

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クレートで留守番という中級のトレーニングですが、これだけ吠えてはトレーニングとしては失敗です。こんな状態ですがフリーでお留守番ならできてるんです。それがクレートに入れるだけでこの状態に。。。環境でどれほど違うかもわかりますね。

動画は2分ほどですが、ほぼずっと吠え続けています。吠えというより鳴きと言ったほうがいいくらい悲痛な声に聞こえますよね。分離不安に基準はなく、この時のバッシュがそうだとも言い切れませんが普通とはちょっと違うと感じるかと思います。

ちなみに18秒くらいから「やだぁ~やだぁ~やだやだやだワン!」と聞こえるのは私だけでしょうか。

ポイント

✅ しつけ・トレーニングは低い難易度から始めるのが鉄則
✅ 分離不安と疑わしい状態なら専門家に相談すること

留守番トレーニングについて解説しましたが、やることはシンプルで難しいことはないんです。それよりも社会化をして自信をつけさせる方が留守番できるようになる近道かもしれません。

やってほしい芸を教える、困った行動を治すなどひとつに集中せずに、社会化を中心にいろんな事を教えたりコミュニケーションを取ることで自然と治ったり困ることもなくなっていくはずです。ぜひ愛犬と一緒にいろんなことにチャレンジしてみてください!

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