犬の年齢とともに歯が黄色くなってきたり、口の臭いも気になってきますよね。
犬は自分で歯をキレイにできないので、歯磨きをしてあげる必要があります。
歯磨きをしないとどんどん歯が汚れて、やがて歯石ができ歯周病の原因に。
そこで今回は
・犬の歯石ができる原因と予防法とは?
・犬の歯石が原因でかかる病気とは?
・受診すべき犬の歯石の症状とは?
などの疑問にお答えします。
また「犬の歯石を取る方法」についても解説しています。
ぜひ参考にしてください。
犬の歯石ができる原因と予防法とは?
歯石は歯周病を間接的に悪化させる原因とされています。
犬の歯周病を防ぐために、歯石ができる原因と予防法を解説します。
【犬の歯石ができる原因】
歯石ができる多くの原因は、歯磨きが適切にできていないことです。
犬自身が歯磨きに慣れていないといった理由で、適切な歯磨きが行えないでいると歯石ができやすくなってしまいます。
歯磨きが適切に行われていないと徐々に歯垢がたまり、時間が経過するにつれ歯石へと変化していきます。
歯垢とは、口腔内の細菌や水分などの成分が集まってできるもので、歯の表面や隙間にたまるのが特徴です。
犬の唾液のpH値は人間に比べてよりアルカリ性に近いので、人間より早く歯垢から歯石になってしまいます。
歯石には歯垢が付きやすく悪循環となる上、一度歯石になってしまうと家庭では取り除けません。
できてしまった歯石は、動物病院で全身麻酔をかけて除去する必要があります。
【犬の歯石ができるのを予防する方法】
犬の歯石ができるのを予防する方法は、定期的に歯磨きをすることです。
歯垢を付着させないためにも日頃からしっかりと、犬の歯磨きをして歯垢がたまるのを防ぎましょう。
犬専用の歯ブラシや歯磨剤などの、デンタルケア用品を使うのもおすすめです。
また、歯石除去効果のあるガムやおやつを併用するのも良いでしょう。
歯垢が歯石にならないようにするためには、正しい歯のケアが大切です。
しかし、犬が歯磨きを嫌がったり、適切なケア方法がわからないなどの理由で、十分な歯磨きができない場合もあるのではないでしょうか。
そこで次に、「犬の歯磨きの仕方」を解説していきます。
【犬の歯磨きの仕方】
犬の歯磨きは次のように順を追って行います。
1.口の周りを触られることに犬を慣れさせる
いきなり犬の口や鼻をつかむと嫌がられてしまうため、まずは口周りを触られることに慣らしていきましょう。
犬の口や鼻を触った際に、嫌がらなければご褒美を与えてください。
これを繰り返すことで、口や鼻を触られると良いことがあると印象付けます。
2.犬の唇をめくり歯を触る
犬が口や鼻を触られることに慣れてきたら、少し唇をめくり軽く歯を触ってみましょう。
犬の唇をめくったり歯に触れられたら、忘れずにご褒美を与え褒めてあげてください。
難しい場合は、犬のおやつの味がする「犬用歯磨きペースト」を、指に付けるとスムーズに犬の歯に触れるかもしれません。
3.ガーゼを巻いた指で犬の歯を触る
犬が嫌がらないようであれば、ガーゼを巻いた指で少しずつ犬の歯を磨いてみてください。
最初は3秒からはじめ、5秒、10秒・・・と歯磨きができたら、その都度ご褒美を与えて褒めてあげましょう。
4.犬用歯ブラシを使って歯を磨く
指での歯磨きに慣れてきたら、犬用歯ブラシを使って切歯、犬歯、臼歯と少しずつ歯全体を磨けるように慣らしていきましょう。
人間の子供も初めての歯磨きは嫌がることが多いもの。
犬も人間と同じで、歯磨きに慣れるまで時間が必要です。
また犬に嫌な思いをさせてしまうと、スムーズに歯磨きを進められません。
犬が歯磨きを嫌がる場合は無理に進めず、一度中止してください。
歯磨きを嫌がればいったん中止し、慣れるまで何度も挑戦してください。
犬の歯石が原因でかかる病気とは?
3歳以上の犬の約80%以上が、歯周病になっていると報告されています。
犬の歯石を放置しておくと、細菌が付着、増殖し歯肉炎や歯周炎になる可能性があるので大変危険です。
歯肉炎とは、歯垢や歯石が原因で歯肉(歯の周りの歯ぐき)に炎症が起こる病気を言います。
また、歯周炎とは歯肉や歯槽骨(歯の周りの骨)など、歯の周囲に起こる病気のことです。
歯周炎になると、歯肉だけでなく歯や歯の周囲にある靭帯や、歯を支える骨まで炎症が起こります。
歯周炎が進行すると歯が抜けたり、膿がたまり目の下が腫れたりすることもあります。
さらに歯周炎が悪化すると、歯根にたまった膿が鼻から出たり、顔の皮膚に穴が開き膿が出てくることもある恐ろしい病気です。
重度の歯周炎の場合は、軽い刺激であごの骨が折れてしまうこともあるので、定期的に犬の歯のチェックをしてください。
また、細菌や細菌が出す毒素などが全身に渡り、腎臓や肝臓、心臓などの臓器にも悪影響を与える可能性があります。
受診すべき犬の歯石の症状とは?
犬の歯石は動物病院で除去する必要があるため、次のような症状がある場合は受診します。
まず口の臭いを確認しましょう。
以前に比べ、犬の口の臭いが強いようなら、歯石が付着している可能性があります。
次に歯の状態を確認し、犬の歯肉が赤くなっていたり、歯の根元に歯石が付いていたら、一度病院を受診してください。
また、歯や歯肉に異常がある犬の場合、しきりに前足で口周りを気にして触る動作や、地面に顔を擦り付けるような行動をとります。
他にも、犬が食事中に頭を振ったり痛がる声を出したりする場合や、食後に口を気にする場合などは、歯に何らかの異常があるということです。
犬は歯や歯茎が痛いと、噛む力を弱めてドッグフードを食べることがあるので、食べている途中で口からドッグフードをこぼしやすくなります。
これらの症状が犬に見られた場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
犬の歯の病気が進行しないように、日頃の犬の特徴や行動をよく観察して健康管理をする必要があります。
犬の歯石を取る方法とは?
家庭では犬の歯石を取ることができないため、動物病院に行く必要があります。
歯周病の初期段階の歯肉炎の場合は、症状が悪化しないよう、自宅で適切なデンタルケアを行ってください。
歯石の付着により歯周炎に進行している場合は、動物病院で歯石を取る必要があります。
また重度の歯周病の場合は、抜歯処置を行うケースも。
いずれの場合も、全身麻酔が必要です。
全身麻酔は、健康な犬であってもリスクがゼロではありません。
歯肉炎の状態や軽度の歯石などの場合は、全身麻酔をせずに無麻酔歯石除去を行うこともあります。
しかし、処置中に犬が動いてケガをしたというトラブルもあるので注意が必要です。
歯周病の治療により全身麻酔で犬に負担をかけないよう、犬の歯の健康状態は日々チェックしておきましょう。
まとめ
歯磨きを習慣づけましょう
この記事では、犬に歯石ができる原因や予防方法、症状などについて解説しました。
犬は3〜5日で歯垢が歯石になると言われています。
歯周病は口腔内だけでなく、全身に影響を及ぼす可能性もある病気です。
歯石が原因で犬の歯の病気が進行してしまうのを防ぐためにも、毎日の歯磨きは欠かせません!
まず、犬の歯の健康状態を正しく把握することから始めましょう。
そして「犬の歯の病気の危険性を正しく認識すること」が大切です。