結論:完熟した甘柿の「果肉だけ」なら少量与えて問題ありません。種・ヘタ・皮は必ず取り除きます。干し柿は糖質が生柿の約4倍あり、別物として扱ってください。
柿そのものに犬への中毒成分はありません。実害は「種による消化管の詰まり」と「糖質・食物繊維のとりすぎ」の2つです。
秋になると食卓に柿が並び、愛犬がじっと見上げてくる。そんな場面で「柿はあげていいのだろうか」と手が止まる飼い主さんは多いはずです。
結論は冒頭のとおりですが、問題は「どこまでなら少量か」です。多くの記事は「少量なら大丈夫」で終わります。本記事では文部科学省の食品成分表の数値から体重別のg数を逆算し、生柿と干し柿を分けて示します。
あわせて、他サイトでほとんど触れられない柿胃石(かきいせき)という論点と、種を飲み込んだときの受診の判断基準までを一本で完結させます。

結論|甘柿の果肉は少量OK、種・ヘタ・干し柿は避ける
まず判断の全体像を整理します。柿は部位によって扱いがまったく違います。
| 部位・種類 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 完熟した甘柿の果肉 | ○ | 中毒成分なし。量を守れば問題ない |
| 渋抜きをした柿の果肉 | △ | 人が食べられる状態ならよいが、渋みが残るものは避ける |
| 皮 | △ | 不溶性食物繊維が多く消化が悪い。むいて与える |
| 種 | × | 硬く消化されない。小型犬では消化管に詰まる可能性 |
| ヘタ・葉・枝 | × | 硬く繊維質。詰まりと消化管の傷の原因になる |
| 未熟な青柿・渋柿(生) | × | 硬くて丸呑みしやすく、可溶性タンニンが多い |
| 干し柿 | × | 糖質が生柿の約4倍。少量でカロリーを使い切る |
| 柿の加工品(ゼリー・ジャム・菓子) | × | 砂糖・油脂・添加物が加わっている |
柿はネギ類やブドウのような「中毒を起こす食材」ではありません。玉ねぎやブドウのように、ごく少量でも避けるべき食材とは性質が異なります。
判断の基準が食材ごとに違う点は、犬が食べてはいけないもの完全一覧と犬が食べていいもの一覧で全体像を確認しておくと整理しやすくなります。
犬に柿を与えるときの3つのリスク
柿の危険は「毒」ではなく「物理」と「量」です。順に見ていきます。
リスク1:種とヘタによる消化管の詰まり
柿の種は長さ15〜20mm、幅8〜12mm程度の平たい楕円形です。表面はつるりと硬く、胃酸ではほとんど溶けません。
ここで問題になるのが犬の小腸の太さです。小型犬の小腸の内径はおよそ1cm前後、大型犬でも2cm程度とされます。つまり幅10mm前後の柿の種は、小型犬にとっては腸の内径とほぼ同じ大きさということになります。
1粒が必ず詰まるわけではありません。ただし「余裕をもって通過できるサイズではない」という認識は必要です。とくに複数粒を一度に飲み込んだ場合や、ヘタと一緒に飲み込んだ場合はリスクが上がります。
消化管閉塞は緊急疾患です。完全に詰まると腸の血流が止まり、放置すれば腸が壊死します。嘔吐を繰り返す・食べないのに吐く・お腹を痛がるといった症状があれば、様子見をせずに動物病院へ連絡してください。
同じ「種の誤飲」でも、桃のように大きな種は喉や食道で止まりやすく、柿の種は胃を通過して腸で止まりやすいという違いがあります。種のある果物全般の扱いは犬に桃を与えていい?種のリスクと体重別の適量や犬にりんごを与えていい?種・芯のリスクもあわせて参考にしてください。
リスク2:糖質と水分による下痢・肥満
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」によると、生の甘柿は可食部100gあたりエネルギー63kcal、糖質14.3g、水分83.1gです。
果物としては糖質がやや高めの部類に入ります。同じ100gで比べると、りんごの糖質14.3gと同等、バナナの21.4gよりは低い水準です。
一方で水分が83%を占めるため、量を食べれば胃腸が冷えて軟便になりやすくなります。さらに不溶性食物繊維も1.6g含まれ、これが腸を刺激します。
「甘くておいしいから」と続けて与えると、主食のフードが食べられなくなり栄養バランスが崩れます。おやつが主食を押しのける状態は避けたいところです。
リスク3:タンニン(シブオール)と柿胃石
ここが他サイトでほとんど扱われていない論点です。
柿の渋み成分はシブオールと呼ばれる可溶性タンニンです。これが胃酸に触れると化学反応で不溶性に変わり、接着剤のように食物繊維や食べかすを巻き込んで固まります。
こうしてできた塊が柿胃石(ディオスピロベゾアール)です。人の医療では実際に報告されている病態で、胃の通過障害や腸閉塞の原因になります。実験では24時間以内に塊が形成されうるという報告もあります。
犬で「柿胃石」と確定診断された症例報告は、現時点でほとんど見当たりません。ただし胃酸とタンニンが反応するという機序自体は犬でも同じです。可能性を否定する根拠がない以上、渋みの残る柿を大量に与えないという予防が妥当です。
注意:人の柿胃石で使われる「コーラ溶解療法」を犬に流用しないでください。人ではコーラで胃石が溶けることが知られ、治療に用いられる場合があります。しかしコーラには大量の糖分とカフェインが含まれ、犬にとっては別のリスクになります。ネット上の人間向け民間療法を犬に応用するのは危険です。
体重別の適量早見表|生柿と干し柿をgで比べる

おやつは1日の必要カロリーの10%以内に収めるのが一般的な目安です。この上限から、柿のg数を逆算します。
1日の必要カロリー(DER)は、避妊・去勢済みの成犬で「体重(kg)の0.75乗 × 70 × 1.6」で概算しました。計算の考え方は犬の1日の食事量と回数|体重・年齢・運動量別の目安と計算方法で詳しく解説しています。
| 体重 | 1日の必要カロリー | おやつ上限 (10%) |
生の甘柿 カロリー上限 |
実務上のおすすめ量 | 干し柿 カロリー上限 |
|---|---|---|---|---|---|
| 3kg チワワなど |
約255kcal | 約26kcal | 約40g | 10〜15g | 約9g |
| 5kg トイプードルなど |
約375kcal | 約38kcal | 約60g | 15〜20g | 約14g |
| 10kg 柴犬など |
約630kcal | 約63kcal | 約100g | 30〜40g | 約23g |
| 20kg ボーダーコリーなど |
約1,060kcal | 約106kcal | 約168g | 50〜70g | 約39g |
| 30kg ゴールデンなど |
約1,440kcal | 約144kcal | 約228g | 70〜90g | 約52g |
※生の甘柿63kcal/100g、干し柿274kcal/100gで算出(日本食品標準成分表 八訂 増補2023年)。子犬・シニア犬・活動量の多い犬では必要カロリーが変わります。
「カロリー上限いっぱい」を勧めない理由
表を見ると、10kgの柴犬なら生柿100gまで与えられる計算になります。柿Mサイズの可食部はおよそ180gなので、半分強です。
ただし、これはあくまで計算上の天井です。実際に半個を一度に食べさせると、水分と食物繊維の量が多すぎて軟便になる犬が少なくありません。
そこで本記事では、カロリー上限とは別に「実務上のおすすめ量」を上限の3分の1程度で示しました。この量なら下痢のリスクを抑えつつ、季節の味を楽しめます。
初めて与える日は5〜10g(1〜2切れ)から。そのうえで24時間、便の状態と皮膚のかゆみを観察してください。問題がなければ次回から表の範囲内に増やします。
干し柿が生柿より危険な理由|糖質は約4倍
「干し柿なら渋が抜けているから安全」という説明を見かけますが、これは渋みの話であって、カロリーの話ではありません。
同じ食品成分表で生柿と干し柿を並べると、差は歴然です。
| 可食部100gあたり | 生の甘柿 | 干し柿 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| エネルギー | 63kcal | 274kcal | 約4.3倍 |
| 糖質 | 14.3g | 57.3g | 約4.0倍 |
| 食物繊維 | 1.6g | 14.0g | 約8.8倍 |
| カリウム | 170mg | 670mg | 約3.9倍 |
| 水分 | 83.1g | 24.0g | 約0.29倍 |
| ビタミンC | 70mg | 2mg | 約35分の1 |
注目すべきは、期待する栄養(ビタミンC)は35分の1に減り、負担になる糖質は4倍に増えるという点です。干し柿は「栄養価の高い柿」ではなく「糖分を凝縮した菓子」に近い食品だと考えてください。
体重3kgの犬に干し柿1個は「1日の約4割」
市販の干し柿は1個およそ35gです。これは約96kcalに相当します。
- 体重3kgの犬:1日の必要カロリー約255kcalの約38%
- 体重5kgの犬:約375kcalの約26%
- 体重10kgの犬:約630kcalの約15%
チワワが干し柿を1個食べれば、その日のカロリーの4割近くをおやつで使い切る計算です。しかもタンパク質やカルシウムはほとんど摂れていません。
さらに、干し柿は水分が減って硬く縮んでいるため、丸呑みしたときの詰まりやすさは生柿より上です。食物繊維が8.8倍という点も、塊になりやすさにつながります。
以上から、本記事では干し柿は与えないを推奨とします。どうしても、という場合でも表の上限(3kgで9g)を超えないよう、ごく小さくちぎってください。
甘柿・渋柿・渋抜き柿・熟柿はどう違うか
柿の種類による違いは、タンニンが「可溶性か不溶性か」で説明できます。
| 種類 | タンニンの状態 | 犬への可否 |
|---|---|---|
| 甘柿(富有・次郎など) | 成熟の過程で不溶性に変化。口内で溶けない | ○ |
| 渋柿(平核無・西条など・未処理) | 可溶性のまま。口内で溶けて強い渋みを感じる | × |
| 渋抜き柿(アルコール・炭酸ガス処理) | 処理により不溶性に変化。人が食べられる状態 | △ |
| 熟柿(完全に柔らかくなったもの) | 不溶性。ただし糖度が上がっている | △ |
| 未熟な青柿 | 可溶性が多い。果肉も硬い | × |
実務的な見分け方はシンプルです。人が食べて渋くないものだけを犬に与える。人が渋いと感じる柿は可溶性タンニンが残っており、犬にも与えるべきではありません。
なお犬は人ほど渋みに敏感とは限らず、渋柿を平気で飲み込んでしまうことがあります。「犬が嫌がらないから大丈夫」という判断は成立しません。
犬が柿の種を丸呑みしたら|今すぐ確認する3点

誤飲に気づいたら、動物病院に連絡する前に次の3点を確認してください。電話口で必ず聞かれる項目です。
- 何粒か:1粒か複数か。ヘタや皮も一緒かどうか
- いつか:食べた時刻(推定でも可)。1時間以内かどうかで対応が変わります
- 愛犬の体重:小型犬か中型以上かで詰まるリスクが大きく変わります
そのうえで、体重別のおおよその考え方は次のとおりです。あくまで目安であり、最終判断は獣医師に委ねてください。
| 状況 | 推奨される行動 |
|---|---|
| 体重4kg未満・種1粒以上 | 症状がなくても電話連絡。腸の内径に対して種が大きい |
| 体重10kg以上・種1粒・元気 | 便で排出されることが多い。48時間、便と食欲を観察し、変化があれば受診 |
| 体重にかかわらず種を3粒以上 | 電話連絡。複数粒が団子状になる可能性がある |
| ヘタ・枝を一緒に飲んだ | 電話連絡。硬い繊維が引っかかりやすい |
| 過去に異物を詰まらせた経験・開腹手術歴がある | 粒数にかかわらず電話連絡。癒着で腸が狭くなっている可能性 |
すぐに受診すべき危険サイン
次のいずれかがあれば、夜間でも救急対応のある動物病院へ
- 嘔吐を繰り返す。とくに何も出ないのに吐こうとする
- ぐったりして立ち上がらない
- お腹を触ると嫌がる、背中を丸めて動かない
- 24時間以上便が出ず、食欲がまったくない
- 歯ぐきが白っぽい、呼吸が速く浅い
- 黒いタール状の便、または血の混じった便が出た
翌日の診療時間内に受診してよい状態:軟便や下痢が続くが元気と食欲はある、食欲が普段の半分程度に落ちている、単発の嘔吐が1回だけで以後は落ち着いている。
症状の見分け方は犬の誤飲・誤食の対処法|危険物一覧と受診の目安、下痢が続く場合は犬の下痢の原因と対処法|血便・水様便の見分け方で詳しく解説しています。
自己判断で吐かせないでください。オキシドールや食塩を飲ませる催吐は、誤嚥性肺炎や胃粘膜の損傷、高ナトリウム血症を招きます。また硬い種を吐かせると食道で詰まる危険もあります。催吐処置が必要かどうかは獣医師が判断します。
柿を安全に与える7ステップ
ここまでの内容を、実際の手順に落とし込みます。
- 完熟した甘柿を選ぶ:指で押してわずかに弾力があるもの。硬く青いものは使わない
- ヘタと葉を切り落とす:硬い繊維質で詰まりの原因になります
- 皮をむく:不溶性食物繊維が多く消化が悪いため、薄くではなくしっかりむきます
- 縦に割って種を全部取り除く:Mサイズで0〜6粒。1粒ずつ数えながら外します
- 体格に合わせて刻む:小型犬は5mm角、中型犬は1cm角。丸呑みしても喉に引っかからない大きさに
- 初回は5〜10gから:与えたあと24時間、便の固さと皮膚のかゆみを確認します
- むいた皮・種・ヘタはすぐ処分する:フタつきのゴミ箱か、犬の届かない高い場所へ
7番目は見落とされがちですが重要です。柿の皮と種はよく匂うため、調理台やゴミ箱から犬が引っ張り出す事故が起きます。取り除いた時点で「犬から隔離する」ところまでが手順です。
歯が弱いシニア犬には、すりおろして与える方法もあります。ただし飲み込みが速くなるため、量の管理はより厳密に行ってください。シニア期の食事設計は老犬のごはん完全ガイドも参考になります。
柿を与えないほうがよい犬・場面
健康な成犬でも量を守る必要がありますが、次に該当する犬には与えないでください。
| 対象 | 理由 |
|---|---|
| 腎臓病・腎不全の犬 | カリウム170mg/100g(干し柿670mg)を排泄しきれず、高カリウム血症から不整脈につながる可能性 |
| 糖尿病の犬 | 糖質14.3g/100gが血糖コントロールを乱します |
| 肥満・減量中の犬 | 果物としてはカロリーが高めの部類。治療食の設計が崩れます |
| 膵炎の既往がある犬 | 食事内容の急な変更が再発の引き金になりえます |
| 下痢・軟便が続いている犬 | 水分と食物繊維がさらに症状を悪化させます |
| 生後3か月未満の子犬 | 消化機能が未熟。まずは主食を安定させる時期です |
持病のある犬に果物を与えたい場合は、事前にかかりつけの獣医師に「柿を○g与えてよいか」と具体的な数字で相談すると答えが得やすくなります。
秋の散歩で落ちた柿を拾い食いさせない3つの対策

キッチンでの管理より厄介なのが、屋外の落果です。10〜11月は民家の庭木や公園の柿が熟して落ち、散歩コースに転がります。
落ちた柿は果肉が崩れて柔らかく、犬が一口で飲み込みやすい状態です。しかも種もヘタも付いたままという、もっとも避けたい組み合わせになります。
- ルートを変える:柿の木がある区間を10〜11月だけ迂回します。もっとも確実で手間がかかりません
- リードを短く持つ:落果の多い場所では手元30cmに短く持ち、地面に鼻が届く前に方向転換します。犬のリードの選び方で長さの目安を解説しています
- 「ちょうだい」と呼び戻しを仕込む:口に入れてしまったあとに出させる技術です。犬の拾い食いをやめさせる方法と犬の呼び戻し「おいで」の教え方で手順を確認してください
庭に柿の木がある家庭では、実がなる前にネットをかける、または落果をその日のうちに拾う運用が現実的です。「犬が来る前に拾う」を秋の日課に組み込んでください。
秋の味覚と犬|あわせて確認したい食材
柿と同じ時期に迷いやすい食材も、体重別の適量でまとめています。
- 犬に栗を与えていい?体重別の適量と渋皮・イガの危険
- 犬にかぼちゃは大丈夫?体重別の適量と皮・種・生食のリスク
- 犬に梨は大丈夫?皮・種の危険と体重別の適量
- 犬にさつまいもを与えていい?体重別の適量とNGな与え方
- 犬にりんごを与えていい?体重別の適量と種・芯のリスク
よくある質問
Q1. 柿の種にシアン化合物(青酸)は含まれますか?
「柿の種にもシアン化合物が含まれる」という記述をネット上で見かけますが、これはりんごや桃・梅の種の情報と混同されている可能性が高いと考えられます。りんごや桃の種にはアミグダリンという青酸配糖体が含まれますが、柿の種を代表的な青酸配糖体の供給源として挙げる公的資料は見当たりません。
柿の種で実際に問題になるのは物理的な詰まりと腸の炎症です。海外の動物中毒情報でも、柿の種は腸炎と消化管閉塞の原因として注意喚起されています。いずれにせよ種は取り除くという対応に変わりはありません。
Q2. 皮ごと食べてしまいました。受診は必要ですか?
皮は毒ではないため、元気があれば緊急性は高くありません。ただし不溶性食物繊維が多く消化が悪いため、軟便や嘔吐が出ることがあります。
皮だけを少量なら24時間の観察で構いません。一方、皮を大量に(まるごと1個分以上)食べた小型犬や、皮と一緒に種・ヘタを飲んだ場合は電話で相談してください。繊維の塊が胃に停滞する可能性があります。
Q3. 干し柿は渋が抜けているから安全と聞きましたが?
渋み(可溶性タンニン)は確かに抜けています。しかし安全性の論点はそこだけではありません。
干し柿は水分が83%から24%に減ることで成分が凝縮され、糖質は約4倍、カロリーは約4.3倍になります。体重3kgの犬が1個(35g)食べると1日の必要カロリーの約38%に達します。加えて硬く縮んでいるため丸呑み時の詰まりやすさも上がります。本記事では与えないことを推奨します。
Q4. 柿を食べた後に下痢をしました。どうすればよいですか?
まず柿を中止し、当日は絶食せず通常のフードを1回量の半分ほどに減らして与えます。水はいつでも飲める状態にしてください。多くは1〜2日で落ち着きます。
ただし次の場合は受診してください。水のような便が1日に4回以上出る、血が混じる、嘔吐を伴う、元気がない、子犬やシニア犬である。脱水が進みやすいためです。詳しい見分け方は犬の下痢の原因と対処法にまとめています。
Q5. 子犬やシニア犬にも与えていいですか?
生後3か月未満の子犬には与えないでください。消化機能が未熟なうえ、この時期は主食のフードで栄養バランスを固めることが優先されます。
生後3か月を過ぎた子犬には、成犬の量の半分以下から試します。シニア犬は歯と飲み込みの力が落ちているため、すりおろすか5mm以下に刻んでください。腎機能が低下している高齢犬ではカリウムが問題になるため、健康診断の結果を確認したうえで判断します。
Q6. 柿の葉茶やドライフルーツの柿チップは与えられますか?
市販の柿の葉茶はカフェインを含まないものが多いものの、犬用に安全性が確認された製品ではありません。積極的に与える理由がなく、水で十分です。
柿チップなどのドライフルーツは、砂糖や油で加工されているものが大半です。原材料表示を確認し、砂糖・油脂・保存料・甘味料が入っているものは避けてください。キシリトールが入った製品は犬にとって危険です。表示の読み方はドッグフードの選び方|原材料の正しい見方で解説しています。
まとめ
- 完熟した甘柿の果肉だけなら、量を守って与えて問題ない
- 種・ヘタ・皮・未熟な青柿・渋柿・干し柿・加工品は避ける
- 生柿のカロリー上限は3kgで約40g、10kgで約100g。実務上はその3分の1程度が安心
- 干し柿は糖質が生柿の約4倍。3kgの犬には1個で1日の約38%のカロリーになる
- 種を飲み込んだら、粒数・時刻・体重を整理して動物病院へ電話する
- 嘔吐の繰り返し・腹痛・24時間以上の排便なしは、夜間でも受診する
- 秋は落果の拾い食いがもっとも多い。ルート変更が最も確実な対策
柿は「与えてはいけない食材」ではありません。しかし「少量なら大丈夫」という言葉の中身を数字にしておかないと、気づかないうちに与えすぎてしまいます。本記事の早見表を、秋のあいだの判断基準として使ってください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、獣医師による診断・治療の代替となるものではありません。愛犬の体調に異変を感じた場合は、速やかにかかりつけの獣医師にご相談ください。
参考にした情報源
- 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」/食品成分データベース(かき 甘がき 生・かき 干しがき)
- 環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」(間食の与え方)
- ASPCA Animal Poison Control Center(柿の種による腸炎・消化管閉塞に関する注意喚起)
- Merck Veterinary Manual: Gastrointestinal Obstruction in Small Animals
- 柿胃石(ディオスピロベゾアール)に関する国内消化器内視鏡領域の症例報告
