飼い主さんを追いかける犬の姿を見ると可愛らしいと感じます。しかし、あまりにも飼い主さんに執着しすぎていると「分離不安」なのかもしれません。この記事では「犬の分離不安ってどのような状態のこと?」「分離不安の治し方について知りたい」と疑問を持つ方のために、犬の分離不安の症状や原因、改善方法についてご紹介します。
犬の分離不安って何?
犬の分離不安とは、飼い主さんと離れたときに強い恐れや不安を感じて冷静を保てなくなる状態を指します。孤独になることで平常心を失い、吠える、物を壊すなど、問題行動を起こしてしまうのです。分離不安は不安障害に分類されていて、人間の3歳未満の子どもにもよく見られる症状の一つです。発症のタイミングは飼い主さんが留守のときだけではありません。飼い主さんが出かける準備をする所を見たときや、定時を過ぎても自宅に帰らないとき、など様々でしょう。そのため、長く家を空けられない、ペットの宿泊施設に預けられない、など日常生活が困難になるのです。
分離不安とはどのような症状?
犬は分離不安の状態に陥ると落ち着かず、自分の行動を制御することが難しくなります。飼い主さんが離れたことに対して不安に耐えられず心の整理ができないのです。具体的には次のような症状があります。
- 吠えることを繰り返す
- 自宅の中の物を壊す、荒らす
- うろうろと同じ場所を歩き回る
- 手足を舐める、傷つける
- 食欲不振
- いつもの位置以外の場所で排泄をする
- 下痢や嘔吐
また、上記以外で、飼い主さんの帰宅時にも症状が出る場合があります。
- 常に飼い主さんの後を追う
- 帰宅したことに興奮して排泄してしまう
- 自宅の中で飼い主さんの姿が見えなくなると不安になる
分離不安の原因は?
分離不安には、環境や生活、体質など複合的な原因が影響していると考えられています。犬が一人の時間で、何か恐いことが起こるのではないか、もう誰も戻ってこないのではないか、と不安や恐怖心を感じることが深く関係しているのです。犬に不安を与えれば与えるほど悪化する可能性があるでしょう。具体的な原因には以下のようなことが考えられます。
- 転勤による生活の変化
- 飼い主さんの外出時間が不規則
- 他のペットや同居人が増えた
- 犬への愛情不足
- 自宅不在時に怖い経験(雷や台風など)をした
- 高齢のため視覚や聴力が衰えている
- 病気のため痛みなど不安要素がある
改善へ導くためには…
軽度の場合は、飼い主さんがいない時間の不安を取り除いてあげることで改善に導くことができます。一人の時間が楽しめる環境を整えてあげることが大切です。「犬におもちゃを与えて数分間離れてみる」「雷など天候が悪い日は不在にしない」など飼い主さんがいない時間に前向きな印象を与えてあげましょう。離れる時間を長くするなどして回数を重ねると効果的です。分離不安の障害が重度のときは改善に時間を要する場合があります。愛犬がいつでも安心して過ごすことができるよう、慎重に時間をかけて付き添いましょう。専門知識が必要なケースもあるため、不明な点があるときは、獣医師に相談することをおすすめします。
まとめ
この記事では、犬の分離不安の症状や原因、改善方法などをご紹介しました。分離不安は、多くの場合で飼い主さんが不在の状況で起こります。愛犬の様子がおかしいときや攻撃的なときは、イライラや嫌がらせではなく、助けてほしいという合図なのかもしれません。精神的な不安から体調不良に繋がることがないように、愛犬からのメッセージを見逃さないようにしましょう。
- 分離不安は一人の時間に不安を感じて平常心を失った状態
- 原因は生活環境の変化や過去のトラウマ、加齢や病気などが関係している
- 症状を改善するためには一人の時間をポジティブなものに変えてあげることが大