ワンちゃんは「ごほうび」と「罰」で学習するのはすでにお伝えしましたが、ごほうびと言っても漠然としていて何がごほうびになるのかわからない人も多いですよね。
そんな方のために、ごほうびの種類や効果的な使い方などをお伝えしたいと思います。
ごほうびとは何か?
「愛犬が今望んでいることすべてがごほうび」になります。大雑把な表現で、さすがにそれだけじゃわからないと思うのでいくつか具体例を挙げて説明していきます。
【オヤツ】
ごほうびと聞いて多くの人がオヤツを思い浮かべると思います。ほとんどのワンちゃんが好きですし、口に入ると飲み込んですぐ終わるので使いやすく万能なので私もおすすめしています。「うちの子はオヤツに興味ない」という飼い主さんはいろんなオヤツを試してみてください。私の経験では必ずと言っていいほど好きなオヤツが見つかっています。
それでも見向きもしないならごはんの量を減らしてください。お腹いっぱいなのにオヤツがごほうびになるわけがありません。当たり前のことですが、気づかない方けっこう多いんです。ごはん+オヤツでいつもと同じカロリーにするなど計算すれば健康上も問題ないはずです。
【おもちゃ・遊び】
どちらかというと、飼い主さんのごほうびになっていることのほうが多いかもしれませが遊ぶことはごほうびになります。
ただ、ごほうびとしてはオヤツほど万能ではなく使う場面を選びます。何かを教えようとしている時にごほうびで遊ぶと、興奮して何をやっていたか忘れて覚えてくれないことがあるからです。
【飼い主さん】
理想の関係が築けていればこれは絶対ですし、ごほうびになると信じたいですよね。外出から帰宅した時などは喜びますが、残念ながらオヤツよりごほうびとしては弱いことも多いです。でも、それが普通だと思ってください。飼い主さんは頼れる存在、一緒にいると安心できる存在になるほうが大事です。
上記はほとんどの方が理解していると思いますが、逆に「愛犬が望んでいないことをやめる・取り除く」こともごほうびになるんです。言われてみると「確かに」と思うんですが気づかなかったり、知っていても使いこなせない方も多いごほうびです。
【人・他犬など苦手や怖い対象】
怖がりなワンちゃんは、対象から遠ざかったり取り除いたり抱っこすることがごほうびになります。
シャンプー・ブラッシングなどケアが苦手で嫌がるワンちゃんは多いですがやらないわけにはいかないですよね。そういう事は社会化で慣らしてあげることが必要です。社会化のやり方については今後お伝えしていきます。
【不安・怖い場所(スペース)】
初めてで不安な場所や嫌なイメージのある場所に居ることはそれだけで罰になります。そこから立ち去り安心できるスペースに移動することがごほうびになります。病院やトリミングなど、行かないといけない場所なら社会化が必要になります。
上記以外にもまだまだたくさんありますが、まずは愛犬の気持ちを理解することが大事です。眠たい、ゆっくりしたい時に遊んであげてもごほうびになりずらいし、逆に罰になる可能性だってあります。自分が愛犬の立場になって考えてみるとわかりやすいかもしれませんね。
✅ ごほうびは愛犬が今望んでいる物・事すべて
✅ 望んでいないことをやめる・取り除くこともごほうびになる
ごほうびの使い方
何がごほうびになるかを理解したら、次はどうやって使うかです。知っていても使わなかったり効果的でない使い方をしてはもったいないですよ。
タイミング
ごほうびも罰も最適なタイミングがあります。それは対象の行動をした直後で、早ければ早いほど愛犬には伝わりやすく効果的と覚えておいてください。
時間が経ちすぎていると伝わらないので注意が必要です。帰宅したら「トイレ失敗していた」「ゴミが散乱していた」時に叱りがちですがまったく効果はありません。いきなり理由もなく怒る人と認識され、愛犬との関係が崩れるだけなので叱らず黙々と片付けてあげてください。
具体例
愛犬が望むこと・望まないことに対してどのようにごほうびを使い対応するかを具体例で説明していきます。
望むこと
何かを望んでいる時の愛犬の行動はとてもわかりやすい事が多く対応もしやすいです。遊んでほしい・おなか空いた・お散歩行きたいなどを要求するために吠えたり騒いだりするワンちゃんは多いですよね。今回は「飼い主さんがごはんを食べている時」で考えてみましょう。
愛犬が飛びつく、吠えているなら「ぼくにもちょうだい!」と要求しているのはわかりますよね。その時ごほうびは食べ物をもらうことで、罰は食べ物をもらえないことになります。
騒がないように教える方法は飼い主さんが居なくなることです。飼い主さんは直接のごほうびではありませんが、居なくなると望みは絶対に叶わないとワンちゃんは理解しています。だから飼い主さんが居なくなることも「食べ物がもらえない」という罰と同じになります。もちろん食べ物は持って行くか食べられない状況にしてくださいね。
他の方法としては飼い主さんが望む状態だったら食べ物(オヤツ)をあげること。
写真は私が食事している時の愛犬バッシュの様子です。たとえもらえなくてもジ~っと私を見つめて騒がず動かずひたすらオスワリし続けます。なぜなら大人しくオスワリしている時に食べ物をあげることはあるけど、騒いでいる時は絶対にあげないからです。
これをあらゆることで続ければ、ワンちゃんは飼い主さんに何かを要求する時は「大人しくオスワリして見つめる」ことが最善だと学習して騒がなくなっていきます。
だけどバッシュは他の人の食事中には騒ぎます。。。。理由はわかりますよね?
騒いだほうがもらえるからです。ワンちゃんは人によって違うことも学習します。
望まないこと
要求に比べるとわかりずらかったり、対応が難しいこともあります。ここでは「怖がりな愛犬」で説明していきます。
怖がりな子は警戒心が強く、人や他犬・音などに反応して吠えることが多いです。ただし、喜んで興奮して吠えている場合もあるので見極めは必要です。
お散歩中に他のワンちゃんと飼い主さんに吠えているのを見たことある、愛犬がそうだという方はけっこう多いはず。この場合は威嚇や警戒の吠えと考えられるので人や他犬が見える、近づいてくることが嫌なんです。だからごほうびは人・他犬が居なくなることになります。
それがわかれば対応方法は簡単で遠ざかればいいだけです。しゃがんで抱きかかえるようにして視界をさえぎり、通り過ぎるのを待ってもいいです。大事なのは吠えを止めることではなく安心感を与えることです。
✅ 最適なタイミングは対象の行動をした直後
✅ 飼い主さんが望む状態の時にごほうび
✅ 怖がりな子は安心感もごほうびになる
大事なのは「ごほうびの種類」ではなく「愛犬が今何を望んでいるか、望んでいないのかを正確に読み取ること」です。コミュニケーションが取れているのは前提として、その時の状況や愛犬の様子で判断しなければいけないし、状況が変わればごほうび(望み)も変わる事を理解しないといけません。
ごほうびマスターになって愛犬ライフを楽しんでください。
【笑犬】のっぽ さんの詳しいプロフィールはこちらです♪