愛犬に教えてもうまくいかない、覚えてくれないという飼い主さんは多いですがなぜでしょう?それはワンちゃんはそれぞれ生活環境や性格が違い、それに合ったしつけ方が必要だからなんです。今回はそんな中でもワンちゃんの性格に合わせたしつけ方を考えてみましょう。
愛犬の性格
性格というのは犬種特性があったり、親からの遺伝などで先天的にある程度決まっていると言われています。しかし、成長過程での生活環境や飼い主さんの対応など、後天的なことにも影響を受け1歳くらいまでに形成されます。
そういう意味ではワンちゃんのしつけは早いほうがやりやすいと言えます。でも、1歳以上だから性格は変わらない、しつけられないわけではないので安心してください。長く一緒にいる飼い主さんだからこそ愛犬の性格をよく知っているはずだし、知っているからこそできるしつけ方もあります。
簡単に性格と言っても、まったく同じワンちゃんはいないので「おとなしい子」と「元気な(興奮しやすい)子」の2種類で考えていきます。
おとなしい子のしつけ方
おとなしい子は比較的しつけをしなくても飼い主さんが困るような行動は少ない場合が多いです。ただ、これは何度も言いますが、叱ってしつけた結果何もしない無気力な子になっている場合は別なので、ちゃんとコミュニケーションを取ってしつけてあげましょう。
おとなしくて問題ないのはいいですが、何かを教えようとしても興味を示さず動かなかったり、困った時にしつけずらい面もあります。飼い主さんにもよりますが、もっとじゃれてきてほしいとか遊びたいという方もいると思うので、おとなしい子をもっと元気にする方法を考えてみましょう。
好きなことを見つける
まずワンちゃんの好きなことを見つけてください。ず~っとおとなしくじっとしていることはないはずで、オヤツや遊びなどでテンションが上がっているのを見たことがありますよね。今までそんなとこ見たことないのなら、音楽に反応する子もいるし、おもちゃやオヤツの種類も含めあらゆることを試せば見つかるはずです。
それでも動かないなら無気力になっている可能性があります。叱らない教え方を学んで、コミュニケーションを取り関係を築くことから始めてください。
好きな事・物によりますが、うまくごほうびにできればテンションを上げることで動きが出やすくなります。おもちゃや遊びなどをごほうびにすることも可能ですがある程度テクニックが必要です。ごほうびにしにくい場合はたとえば、おもちゃで遊んでテンション上げてからオヤツを使って教えるなど工夫してみましょう。
トリック(芸)を教える
おとなしい子は動きのないフセやマテは得意なので、それよりも動きのあるトリックを教えてあげましょう。動かすことでテンションも上がりやすくなります。たとえば
- 回転系(左回り・右回り・回り続ける・ゴロンと一回転)
- ジャンプ(体に負荷がかかるので多用はしないこと)
- 飼い主さんの足の間をくぐる(8の字など)
- 横について歩く
飼い主さんが積極的に愛犬を動かすことで、おとなしかった子も元気に動くようになっていくはずです。元気じゃなくてもいいという方も試してみてください。「できない」と「できるけどやらない」のは違います。できるようにしておけば、しつけが必用になった時に必ず役に立ちます。
✅ 愛犬がテンション上がることを見つける
✅ 動きのあるトリック(芸)を教える
元気な子のしつけ方
元気な子はエネルギーが有り余っていて、それが困った行動に繋がることも多いです。私の愛犬バッシュはとても元気でヤンチャな子だったので、元気な愛犬の飼い主さんの気持ちはよくわかります。そんなバッシュをどうやって落ち着かせたのかをお伝えしていきます。
ごほうびを考える
元気な子はなんでもごほうびになったりするので扱いはけっこう難しいです。飼い主さんがいるだけで大騒ぎなんてことはよくあるし、一人で騒いでることだって。。。。
そんな子にオヤツをごほうびにする場合はランクを落としてみましょう。オヤツにも好き嫌いがあるはずで、好きじゃないけど食べるくらいのものを使うといいです。好きなオヤツを使うとそれだけで興奮して、言ってもいない芸をやりはじめたり大騒ぎするし、そんな状態で教えたって覚えてくれません。だから遊び・おもちゃなどの動きの出るごほうびも避けてください。
ごほうびは好きなものほど良いと考えがちですがケースバイケースです。興奮しやすいなら教える時はランクを落とし、お散歩中などでどうしても言うことを聞いてほしい、こちらに意識を向かせたい場合には好きなオヤツを使うなど使い分けるようにしましょう。
適度に発散
適度な遊び・お散歩・トリックを教えるなどで発散させてあげれば、それ以外の時にはゆっくり休んでおとなしくしてくれることが多くなるはずです。ただし、飼い主さんの許容範囲以上に興奮したらやめるなど、コントロールしてあげることも大事です。
運動だけでなく頭を使わせるのも効果的で、バッシュはクリッカートレーニングをしたあとなどはぐっすり寝て、私が動いても反応すらしませんでした。
飼い主さんの注意点
興奮しやすい子は飼い主さんの動きにも敏感です。飼い主さんが動くと何かを期待してしまうからですね。だからゆっくり動いたほうが愛犬の興奮もある程度抑えられます。大きな動きや声は興奮度を上げるので注意しましょう。しつける時だけでもいいですが、普段から飼い主さんが動くと騒ぐようなら、ある程度興奮しなくなるまで普段もゆっくり動いたほうがいいかもしれません。
ほめる時にガシガシと激しく撫でたりするのも興奮度を上げるのでNGです。毛並みに沿ってゆっくりと優しく撫でて小さい声でゆっくりとした口調でほめると興奮しにくいし、騒いだら撫でるのをやめるとさらに効果的です。
トリック(芸)を教える
ここまで読んだ方ならどんなトリックを教えればいいかわかりますよね。そうです、動きの少ないオスワリ、フセ、マテなどを教えるのがいいです。基本的なトリックですが、完璧に教えようとするとけっこう難しいんです。具体的には今後「合図について」の記事で説明しますが、オスワリと言ったら終わりの合図を言うまでオスワリし続けるのが完成形です。元気な子はじっとしてられないので、終わりと言う前に動き出してしまうことが多く、それを動かないように教えられれば愛犬の興奮度のコントロールもできます。
良い(悪い?)サンプルとして「しつけ=コミュニケーション」で紹介したバッシュのトリック動画で説明します。
連続で動きのあるトリックをやってもらったので、興奮度が上がってしまいオイデのあとに「ウゥゥ」と唸っているのがわかります。その途端に合図を言う前に先走ってオスワリをしてしまい、さらにネンネと言われたのにフセをしてしまいました。興奮して私の合図はほとんど聞いてない証拠がバッチリ映っています。
さらに細かく解説すると、寝っ転がったあとしっぽが止まるまで待ってから「OK」と言っているのには理由があります。バッシュは興奮しているとしっぽを振り続ける傾向があるので、しっぽが止まれば落ち着いたと判断してOKをかけているんです。
今考えると動くトリックと止まるトリックを交互にやってもらえば、あそこまで興奮度が上がらなかったと思うので順番なども考えてやってもらえばよかったですね。この短い動画の中にもいろいろな要素があって、バッシュの性格・興奮度やトリック順のミスなどを意識して見てみると面白いかもしれません。
✅ 場面に合わせオヤツを使い分ける
✅ 興奮しにくい対応を心がける
✅ 動きの少ないトリックを教える
極端に「おとなしい」「元気」の2種類で説明しましたが、愛犬の性格に合わせて教えるというのは理解していただけたと思います。まずは愛犬の性格を把握して、何をどう教えていくのが最適かを考えて実践してみてください。
【笑犬】のっぽ さんの詳しいプロフィールはこちらです♪