愛犬にはいつまでも健康でいてほしいのが飼い主さんの一番の願いですよね。
愛犬の健康を守るためには皮膚を健康的に保つことが大切です。そして健康的な皮膚を保つためには【愛犬にあったシャンプー】を選ぶことがポイントになります。
今回は、犬のシャンプーの選び方について詳しくご紹介します。
愛犬のシャンプー選びの基本【タイプ別で選ぶ】
愛犬のシャンプー選びの基本は、愛犬の犬種や被毛に合わせて選ぶことが大きなポイントになります。
犬用のシャンプーは大きく分けると「薬用」「美容」の2種類があります。
薬用=皮膚にトラブルがある子におすすめ
美容=被毛が長く綺麗に保ちたい子におすすめ
愛犬に合っていないシャンプーを使うと、毛玉の原因になってしまったり皮膚トラブルが悪化する可能性もありますので、その子の体質や皮膚の状態に合わせたシャンプーを選ぶようにしましょう。
皮膚トラブルがあるなら【薬用シャンプー】がおすすめ!
- ノミ・ダニなどの寄生虫駆除・予防がしたい
- 皮膚のベタつきが気になる
- 皮膚の乾燥が気になる
- フケが多い
など、皮膚トラブルに関してお悩みがある場合は、薬用シャンプーを選ぶのがおすすめ!
薬用シャンプーの中でも「抗菌性」「抗真菌性」「抗脂漏性」3つのタイプ用で分かれているので愛犬の皮膚トラブルに合った物を選びましょう。
※皮膚トラブルにお悩みがある方は、自己判断はトラブルを悪化させる可能性もあります。一度獣医さんに相談することをおすすめします。
子犬期には【パピー用シャンプー】がおすすめ!
子犬のシャンプーは全てのワクチンが打ち終わった後、だいたい生後3ヶ月以降から始めることができます。
被毛や皮膚がまだ完璧に出来上がっていない子犬期の間は皮膚が弱いため、通常の犬用シャンプーでは刺激が強く、皮膚トラブルを起こしてしまう可能性もあります。
子犬期にはパピー用(子犬用)シャンプーを使いましょう!
被毛を美しく保ちたいなら【被毛別用】【犬種別用】がおすすめ!
犬用シャンプーには「長毛種用」「短毛種用」の2種類があります。
短毛種用=皮膚のハリやコシが出るように作られている。
長毛種用=ふんわりとした洗い上がりになるように作られている。
また「トイプードル用」「チワワ用」「ダックスフンド用」「シュナウザー用」「フレンチブルドッグ用」など、それぞれの犬種の被毛の特徴に合わせて作られたシャンプーもあります。
被毛別や犬種別用でシャンプーを選ぶことによって、よりお手入れがしやすくなり被毛を綺麗に保つことができます。
安心して使えるかどうかも大切!成分をチェックしよう
犬用シャンプーは成分表示が義務化されていないため、どんな成分が使われているか全くわからないシャンプーも中にはあります。
- どのような成分を使用しているのか
- 成分表に表示されているのはすべての成分なのか
これらのことを、製造業者へ問い合わせる事をおすすめします。
犬用シャンプーの中でも使用されている「界面活性剤の種類」には注意が必要です。種類によっては皮膚への刺激が強いものもあるため、注意が必要です。
犬用シャンプーに使われている界面活性剤とは?
界面活性剤は皮膚や被毛の汚れを落とす「主役」となる成分で、界面活性剤には複数の種類があります。
界面活性剤の種類の中には洗浄力の高いものもあり、皮脂などを必要以上に落としてしまうものもあるのです。
反対に弱い洗浄力の界面活性剤のものを選ぶと、綺麗に汚れを落とすことができずに何度もシャンプーをしなければいけなくなります。
犬用シャンプーを選ぶ際には「どの界面活性剤が使われているか」をチェックして選ぶことがポイントとなります。
犬の肌に優しい界面活性剤の種類
比較的犬の肌に刺激を与えにくく、安全だとされている界面活性剤の種類は以下のとおりです。
界面活性剤の種類 | 解説 | 代表的な界面活性剤 |
アミノ酸系 | 低刺激で皮膚や被毛に優しい界面活性剤です。しかし洗浄効果が少し低いので汚れの多い子の場合はシャンプーを2回してあげると良いでしょう。1度でさっぱりと仕上げたいのであればアミノ酸系の界面活性剤は向いていません。 | ・ラウロイルメチルアラニンナトリウム ・ココイルグリシンナトリウム ・ウラロイルグルタミン酸TEA など… 「ココイル~」「ラウロイル~」などの表記があればアミノ酸系成分が含まれているということです。 |
両イオン界面活性剤 | アミノ酸系よりもさらに低刺激な界面活性剤です。薬用やパピー用シャンプーに使われていることの多い界面活性剤で、被毛の汚れを落としながらも保護成分を吸着させる性質があるので、被毛の痛みが激しい子にも向いていますよ。 | ・ラウラミドプロピルベタイン ・コカミドプロピルベタイン ・ココアンホ酢酸ナトリウム など… |
ノニオン界面活性剤 | 洗浄力が極めて弱いため、汚れがひどい子には向いていないシャンプーです。 ですが、かなりの低刺激で安全性が高く、泡立ちも良いので比較的使いやすいシャンプーと言われています。 | ・アルキルグルコシド ・デシルグルコシド など… |
特に皮膚が荒れやすい子や、皮膚疾患がある子の場合は「両イオン界面活性剤」「ノニオン界面活性剤」など、比較的低刺激なシャンプーで洗うと良いでしょう。
特に注意したい界面活性剤とは?
界面活性剤の中でも以下のようなものが使われている犬用シャンプーは要注意です。
- 高級アルコール系界面活性剤
- カチオン界面活性剤
- 石けん系界面活性剤
それぞれ具体的に、どのような刺激を肌に与えるのかについてご説明しますね!
影響 | 適している犬 | 代表的な界面活性剤 | |
高級アルコール系界面活性剤 | 石油から作られている界面活性剤です。 泡立ちがよく使いやすいシャンプーですが、非常に洗浄力が高いため必要な皮脂まで取ってしまいます。皮膚に必要な皮脂までも取ってしまいますので、皮膚や被毛がパサパサになってしまう恐れもあります。 主に価格の安いシャンプーに使われていることが多いです。 ・乾燥肌 ・敏感肌 ・アレルギー性皮膚炎 などがある犬には不向きです。 | ・脂漏症 ・汚れが激しい子 脂漏症などで皮膚や被毛がベタベタしている子や、汚れが激しい子には向いています。 | ・ラウリル硫酸ナトリウム ・ラウレス硫酸ナトリウム ・ラウレス硫酸アンモニウム ・オレフィンスルホン酸ナトリウム など… |
カチオン界面活性剤 | カチオン界面活性剤は柔軟作用や静電気防止作用があり、トリートメントやコンディショナーに使われている事が多いです。 更に殺菌作用が含まれているので、本来バランス良く皮膚に常在している菌を破壊してしまいバランスを崩してしまう恐れもあります。皮脂の常在菌のバランスが崩れてしまうと皮膚をバリアする機能が衰えてしまい膿皮症などの皮膚トラブルが起こってしまう可能性もあります。 被毛に使う分には問題ないのですが、皮膚への刺激が強いため、直接皮膚につけないようにしましょう。 | 被毛がごわついている子のトリートメント・コンディショナーとして向いています。 | ・塩化ベンザルコニウム ・ベヘントリモニウムクロリド ・ステアラミドプロピルジメチルアミン ・ラウラミンオキシド など… |
石けん系界面活性剤 | 植物油から作られていて環境とっても優しい成分ですが、犬にとっては洗浄力が高い場合もあります。 皮脂を余分に取り、皮膚に刺激を強く与えてしまう恐れがあります。 また、キューティクルを開かせてしまうので、被毛に摩擦を生んでしまいきしみやすくなります。使用後には酸性のコンディショナーの使用が必要です。 | 高級アルコール系界面活性剤と同様 ・脂漏症 ・汚れが激しい子 脂漏症などで皮膚や被毛がベタベタしている子や、汚れが激しい子には向いています。 | ・脂肪酸ナトリウム ・脂肪酸カリウム など… |
それぞれ、使う犬の状態によっては問題なく使えることもありますが、通常の界面活性剤よりも洗浄力が高いため、基本的には避けて選ぶようにしましょう。
実は無添加シャンプーも安全とは言い切れない
ペットに関する「無添加」商品はたくさん販売されていて飼い主さんからの人気も高いですよね。犬用シャンプーにもよく「無添加シャンプー」を目にします。
無添加シャンプー=何も添加されていないというわけではありません。実際に何も添加されていないシャンプーも存在しません。
無添加シャンプーを選ぶ際に大切な事が「何が無添加になっているのか」ということです。
例えば着色料は無添加だけど、犬にとって不必要な別の添加物は使用されているということも考えられます。
無添加シャンプーを選ぶのであれば、何が無添加なのかどうかしっかりと確認する必要があります。
成分表に関して詳しく聞きたい場合は、メーカーに問い合わせると教えてくれることもありますよ!
犬用シャンプーの選び方は愛犬に合うかどうかが重要!
愛犬のシャンプー選びで一番大切な事は【愛犬にとってそのシャンプーが合っているかどうか】です。
いい匂いがするシャンプーでも愛犬に合わないシャンプーを使っていれば、皮膚トラブルによってニオイが発生したり、皮膚トラブルが悪化してしまいゴワゴワとした毛質になってしまうこともあります。
「いい匂いがするシャンプーが良い」「サラサラになるシャンプーが良い」など、飼い主さんの要望も色々あるかと思いますが、まずは愛犬の皮膚の状態をチェックして犬用シャンプーを選ぶことが大切ですよ!