犬のフィラリア・ノミ・マダニ予防2026|時期・費用・薬の選び方を解説

草むらを散歩する犬とフィラリア・マダニ予防

犬のフィラリア予防は2026年、多くの地域で「4月〜12月」が必須期間です。ノミ・マダニ予防は「3月〜12月」、できれば通年。蚊とマダニが活動を始める前に開始するのが鉄則です。温暖化で予防期間は年々長くなっています。

この記事では、フィラリア・ノミ・マダニそれぞれのリスク、2026年シーズンの予防スケジュール、薬のタイプと費用の目安、散歩後のマダニチェック方法までをまとめて解説します。「いつから始めればいい?」「費用はどれくらい?」という疑問に、公的情報と動物病院の最新案内をもとにお答えします。

目次

なぜ予防が必要?フィラリア・ノミ・マダニのリスク

3つの寄生虫は、どれも放置すると命に関わります。まずはそれぞれの怖さを知っておきましょう。

フィラリア(犬糸状虫)|蚊が運ぶ心臓の寄生虫

フィラリアは、蚊に刺されることで感染する寄生虫です。体内で成長し、最終的に心臓や肺動脈に寄生します。咳・お腹が膨れる・元気がない・運動を嫌がるといった症状が出て、重症化すると突然死することもあります。発症してからの治療は体への負担が大きく、月1回の予防薬で防ぐことが何より大切です。

ノミ|激しいかゆみと寄生虫の媒介

ノミは吸血して激しいかゆみを起こし、ノミアレルギー性皮膚炎の原因になります。さらに、ノミを口にすることで瓜実条虫(サナダムシの一種)に感染することも。1匹見つかったら多数が潜んでいると考え、駆除と予防を徹底しましょう。ノミの生態や駆除方法は犬に寄生するノミの徹底解説でも詳しく紹介しています。

マダニ|SFTSなど命に関わる感染症を媒介

マダニは、固い外皮をもつ大型のダニで、成ダニは吸血前で3〜8mm、吸血後は10〜20mm程度にもなります(厚生労働省)。森林や草地だけでなく、郊外や市街地の公園にも生息します。

最も注意したいのがSFTS(重症熱性血小板減少症候群)です。厚生労働省のQ&A(第8版・令和7年11月作成)によると、日本のSFTS患者の致命率は27%。犬も感染・発症することがあり、発症した犬の約4割が死亡するとされています。2025年は患者数が過去最高の183名に達し、これまで西日本中心だった発生地域が関東・北海道にも拡大しました。「室内犬だから大丈夫」とは言い切れない状況です。

2026年の予防スケジュール(いつからいつまで)

予防の開始時期は「気温」が目安になります。蚊の体内でフィラリアの幼虫が育つのは、気温が約15.6℃を超えてから。近年の温暖化で、この時期が前倒しになっています。東京圏のある動物病院では、平均気温が3月中〜下旬に15.6℃を超えるデータをもとに、2026年からフィラリア予防の必須期間を「4月開始・12月終了」に設定しています。

対象2026年の目安期間ポイント
フィラリア4月〜12月(9〜10回)蚊を見なくなった後も1か月後まで投与
ノミ・マダニ3月〜12月/できれば通年冬でも暖かい室内で繁殖するため通年が安心
※地域・気候により前後します。お住まいの地域はかかりつけの獣医師に確認しましょう。

フィラリア予防で重要なのが、シーズン最初の投与前に血液検査を受けることです。すでに感染している状態で予防薬を飲ませると、まれにショック症状を起こす危険があるためです。毎年春に検査をしてから薬を処方してもらいましょう。

動物病院で診察を受ける犬

予防薬のタイプ比較(おやつ・錠剤・スポット・注射)

予防薬には大きく4タイプあります。愛犬の性格や生活スタイルに合わせて選びましょう。

タイプ投与頻度特徴向いている犬
おやつ(チュアブル)月1回おやつ感覚で食べられる。ノミ・マダニも同時に防げるオールインワン製品もある薬が苦手・好き嫌いが少ない犬
錠剤月1回ごはんに混ぜやすい。比較的安価食いつきが良い犬
スポット(背中に滴下)月1回口に入れず投与できる。フィラリア+ノミ・マダニ対応製品も食べるのを嫌がる犬
注射年1回1回で約12か月フィラリアを予防(有効成分モキシデクチン)。飲み忘れがない投薬が難しい・忙しい家庭

注射タイプ(プロハート12など)は飲み忘れの心配がない一方、薬剤を一度に体内へ入れるため体質によっては合わないこともあります。導入の可否は必ず獣医師と相談してください。なお、ノミ・マダニ対策はスキンケアとも関係します。皮膚の異常が気になる場合は犬の皮膚病の症状と原因もあわせて確認しておくと安心です。

費用の目安と動物病院での流れ

費用は体重と薬のタイプで変わります。フィラリア薬は体重で用量が決まるため、大型犬ほど高くなります。以下は一般的な目安です。

項目費用の目安
フィラリア血液検査1,000〜2,000円前後
フィラリア予防薬(月1回・1回分)500〜2,000円前後(体重による)
フィラリア予防注射(年1回)小型犬10,000円前後/中型犬12,000円前後/大型犬15,000円〜
ノミ・マダニ薬(月1回・1回分)1,000〜2,500円前後
※金額は病院・地域・製品により異なります。正確な料金はかかりつけの動物病院にご確認ください。

動物病院での流れは、①春に血液検査 → ②結果が陰性なら予防薬を処方 → ③シーズン中は月1回投与(注射なら年1回)、というのが基本です。シーズン前は病院が混み合うため、3〜4月の早めの受診がおすすめです。

散歩後のマダニチェックと見つけたときの対処

散歩中の犬とマダニチェック

薬での予防に加えて、散歩のあとの全身チェックが効果的です。厚生労働省も、散歩後にペットの体表を確認し、目の細かい櫛をかけることを勧めています。特にマダニが付きやすいのは次の場所です。

  • 耳の内側・付け根
  • 目や口のまわり、あご下
  • 首まわり、わきの下
  • 内股・足の付け根・指の間
  • お腹まわり

マダニを見つけても、無理に引き抜いてはいけません。口器が皮膚に残って化膿したり、マダニの体液が逆流して病原体が入りやすくなる恐れがあります(厚生労働省)。しっかり食い込んでいる場合は、自分で取らず動物病院で除去してもらいましょう。

【受診の目安】マダニに咬まれた後、または駆除した後に、発熱・食欲不振・元気消失・嘔吐・下痢などが見られたら、早めに動物病院を受診してください。飼い主さん自身も、犬の体調不良時は手袋・マスクを着用し、咬まれたり舐められたりしないよう注意しましょう。暑い季節は熱中症との見分けも必要なので、犬の熱中症の症状と応急処置もチェックしておくと安心です。

予防を忘れた・夏から始める場合はどうする?

「うっかり開始が遅れた」「夏の途中で気づいた」という場合も、自己判断で薬を飲ませるのは避けましょう。感染している状態で予防薬を投与するとリスクがあるため、まず動物病院で血液検査を受けてください。検査で陰性が確認できれば、その時点から予防を始められます。1回飲み忘れた場合も、気づいた時点で獣医師に相談を。途中からでも予防しないより必ず良い結果につながります。

よくある質問(FAQ)

Q. 室内飼いの犬も予防は必要ですか?

A. 必要です。蚊は室内にも入りますし、散歩や来客の衣服を介してノミ・マダニが持ち込まれることもあります。厚生労働省も、室内外を問わずダニ駆除剤の使用を勧めています。

Q. フィラリア予防はいつまで続ければいいですか?

A. 蚊を見かけなくなってからも約1か月後まで続けます。2026年は多くの地域で12月までが目安です。気温が下がっても体内の幼虫を駆除するため、最後まで投与することが大切です。

Q. 注射と飲み薬、どちらがいいですか?

A. 一長一短です。注射は年1回で飲み忘れがなく便利ですが、体質に合わないこともあります。飲み薬・おやつは毎月の手間がある反面、ノミ・マダニも同時に防げる製品が選べます。愛犬の性格と生活に合わせて獣医師と相談しましょう。

Q. ノミ・マダニ薬は冬も必要ですか?

A. 暖房の効いた室内ではノミが冬でも繁殖します。マダニも暖冬で活動期間が延びています。そのため通年の予防が安心で、最低でも3月〜12月は続けましょう。

Q. 人にもSFTSはうつりますか?

A. 発症した犬や猫の体液に直接触れると感染する可能性があります。ただし発症していないペットからの感染事例は報告されていません。ペットの体調不良時は防護に注意し、動物に触れたら必ず手を洗いましょう。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、獣医師による診断・治療の代替となるものではありません。愛犬の体調に異変を感じた場合は、速やかにかかりつけの獣医師にご相談ください。

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