犬のマイクロチップ情報を変更するときは、まず飼い主は同じで住所などが変わったのか、犬を迎えて飼い主そのものが変わったのかを分けましょう。前者は「登録事項の変更」、後者は「変更登録」です。似た名前ですが、手数料も異なります。
さらに、環境省の情報登録、AIPOなどの民間登録、自治体の犬の登録は、同じ手続きとは限りません。引っ越しや譲渡の後に「どこを直せば終わりなのか」で迷わないよう、書類と確認先を順に整理します。制度・料金は2026年11月6日に確認した公式案内に基づきます。
最初に確認するのは「何が変わったか」と「どこに登録したか」
引っ越しても飼い主が同じなら、所有者を別の人にする手続きではありません。結婚などによる改姓や電話番号の変更も、同じ飼い主の情報を直す場面です。一方、販売店や保護団体、知人から登録済みの犬を迎えた場合は、新しい飼い主への変更登録を確認します。
手元の書類で、登録先の名前と犬の識別番号を確かめてください。「動物病院でチップを入れた」「前の飼い主が登録済みと言っていた」だけでは、現在の登録先と連絡先までは分かりません。複数の犬がいる家庭では、別の犬の書類を使わないよう、犬ごとに照合します。
書類を並べるときは、環境省の登録証明書、民間登録の控え、自治体からの鑑札や通知を分けると整理しやすくなります。これは家庭での管理方法の一例です。番号が同じだから一つの窓口への届出ですべて更新される、と判断しないことが大切です。
住所・氏名・電話番号だけが変わった場合
環境省の制度に登録している犬で、飼い主の住所や氏名、電話番号が変わったときは、登録事項の変更を届け出ます。環境省の飼い主向けリーフレットでは、変更が生じた場合は30日以内の届出を案内しています。犬を飼い始めた日ではなく、今回の変更があった日を確認しましょう。
同じ飼い主の登録事項を直す手続きは無料です。登録証明書を用意し、公式案内から該当する手続きへ進みます。引っ越しの際は住所だけでなく、連絡が取れる電話番号も確認してください。古い番号が残っていると、保護された際の連絡に支障が出るおそれがあります。
住民票の異動届を出したことで、犬のマイクロチップ情報も変更されたと思い込まないようにしましょう。家族で担当を分けるなら、「誰が、どの登録先を、いつ確認したか」をメモしておくと、未処理と二重確認を見分けやすくなります。
犬を迎えて飼い主が変わった場合
環境省の指定登録機関に登録済みの犬を取得した新しい飼い主には、変更登録が必要です。千葉市の制度案内も、取得した日から30日以内の手続きと、犬とともに受け取る登録証明書を説明しています。購入だけでなく、譲り受けた場合も登録状況を確認します。
受け渡し時には、登録証明書があるか、どの犬のものか、現在の登録先はどこかを譲渡元と確認します。チップの番号を聞いただけで、必要な書類まで受け取ったことにはなりません。分からない項目は推測で入力せず、譲渡元や指定登録機関へ相談してください。
変更登録を終えると、新しい登録証明書が交付されます。環境省の案内では、新しい飼い主の変更登録が完了すると前の証明書は無効になります。手続き前の控えと完了後の書類を混ぜず、今後使う証明書が分かる状態で保管しましょう。
生活の引継ぎも同時に受けると、迎えた後の相談がしやすくなります。ミックス犬を迎える場合は、ミックス犬の飼い方と迎える前の確認点で、健康記録や普段の食事などの確認項目も整理しています。暮らしの記録を受け取ることと、登録の名義を変えることは別々に確認してください。
費用と書類を混同しない
無料の情報変更と、有料の変更登録
確認時点の環境省の公式Q&Aでは、登録・変更登録は1回につきオンライン400円、紙申請1,400円です。登録証明書の再交付はオンライン300円、紙申請1,300円。住所・氏名・電話番号など、同じ飼い主の登録事項の変更は無料とされています。
古いパンフレットには以前の料金が残っていることがあります。保存した画像の金額だけで判断せず、申請時にも公式案内の手数料を確認してください。これらはマイクロチップ情報の登録に関する料金で、装着の診療費や自治体の犬の登録手数料とは別です。
装着証明書と登録証明書は別の書類
装着証明書は、マイクロチップを装着した獣医師が発行する書類で、情報を新たに登録する際に使います。登録証明書は、情報登録の完了後に交付され、飼い主の変更や登録事項の届出に使います。動物病院の書類が手元にあっても、それだけで情報登録が完了しているとは限りません。
なくしたのが装着証明書なら、まず装着した獣医師に再発行を相談します。登録証明書をなくした場合や暗証記号が分からない場合は、指定登録機関の案内で再交付・確認方法を調べてください。書類が見つからないことを理由に、新規登録を重ねれば解決すると決めつけないようにしましょう。
AIPOと環境省、自治体の手続きを分けて確かめる
環境省の登録制度と、日本獣医師会が民間登録として行うAIPOは別です。古い登録の控えがある場合は、発行元を確かめ、そちらの情報更新方法も確認します。環境省の手続きを済ませただけで、民間登録の内容も直ったと考えないでください。
制度開始前の民間登録には経過措置があります。環境省のQ&Aでは、2022年6月1日より前に民間団体へ登録した犬猫について、販売業者以外の飼い主が現在所有する場合は環境省への登録義務はなく、希望する場合は指定登録機関へ問い合わせる案内です。古い登録だけを見て、すべての犬に同じ追加手続きを勧めることはできません。
自治体の犬の登録も確認が必要です。マイクロチップに関する特例制度の扱いによって、必要な届出が変わります。新宿区の案内では、チップを装着し環境省に登録している場合は登録サイトで変更し、区の窓口手続きは不要とされています。一方、千葉市は特例制度に参加せず、別に犬の登録や所有者変更などの手続きが必要と案内しています。
この違いを全国共通の扱いに置き換えず、引っ越し先の自治体へ、自分の犬の登録状況を伝えて確認しましょう。相談時には「環境省に登録済みか」「鑑札があるか」「住所だけの変更か、飼い主も変わるか」を整理すると伝わりやすくなります。
申請後まで含めて確認すること
入口は環境省のマイクロチップ情報登録案内から確認できます。オンラインで進められない場合は、指定登録機関へ紙での手続きや必要書類を相談してください。本記事では、申請画面のボタン配置やログイン後の操作を再現していません。
手続きが終わったら、届出内容や完了案内を確かめ、交付された書類を保管します。証明書には手続きに使う情報が含まれるため、写真をSNSへ公開したり、不特定の相手と共有したりしないでください。家族に保管場所を伝える場合も、必要な人が安全に確認できる方法を選びます。
マイクロチップは、読み取った番号を登録情報と照合するためのものです。情報を更新しても、犬が必ず見つかるという保証にはなりません。連絡先の管理と、普段の迷子防止はそれぞれ続けていきましょう。
マイクロチップ情報の変更でよくある質問
引っ越しただけでも変更が必要ですか?
環境省の制度に登録している場合は、住所などが変わった日から30日以内に登録事項の変更を届け出ます。同じ飼い主の住所・氏名・電話番号の変更は無料です。
譲り受けた犬の名義はいつまでに変えますか?
指定登録機関に登録済みの犬を迎えた場合は、取得した日から30日以内に変更登録を行います。譲渡元から登録証明書を受け取り、登録状況が不明なら確認してください。
変更の手数料はいくらですか?
確認時点では、飼い主が変わる変更登録はオンライン400円、紙申請1,400円です。同じ飼い主の住所などの変更は無料です。再交付や自治体の手数料とは区別し、申請時にも公式案内を確認しましょう。
AIPOに登録してあれば環境省にも登録済みですか?
AIPOと環境省の登録制度は別です。登録の控えで発行元を確かめ、各登録先の案内を確認してください。制度開始前の登録には経過措置もあるため、一律に追加登録が必要とはいえません。
マイクロチップの変更だけで自治体の届出も終わりますか?
自治体の特例制度の扱いや犬の登録状況によって異なります。別の届出が必要な地域もあるため、引っ越し先などの自治体に登録状況を伝えて確認してください。
執筆:わんわんメディア編集部/情報確認日:2026年11月6日
掲載画像はAI生成のイメージです。実際の登録証明書や申請画面、手続きの実演ではありません。
本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の手続きは指定登録機関と自治体の最新案内を確認してください。獣医師による診断・治療の代替となるものではありません。

