犬がムカデに咬まれたら、まず患部を舐めさせないこと。次に咬まれた時刻を記録し、動物病院へ連絡します。顔・口の腫れ、嘔吐、ふらつきがあれば夜間でも今すぐ受診してください。
ムカデの咬傷(こうしょう)は、犬にとって「激痛」と「急性の腫れ」を伴う事故です。命に関わることは多くありませんが、まれにアナフィラキシーを起こします。
そして秋は、ムカデが越冬前に屋内へ入り込む第2の活動ピークです。就寝中の犬が布団やベッドの中で咬まれる事故が増える時期でもあります。
この記事では、咬まれた直後の正しい手順、部位別の危険度、受診の目安、そして家にムカデを入れない具体策までをまとめました。

【最優先】犬がムカデに咬まれた直後にすべき3つのこと
ムカデ咬傷に解毒剤はありません。治療はすべて対症療法です。そのため飼い主がやるべきことは「毒を抜く」ことではなく、悪化させないことに絞られます。
1. 患部を舐めさせない(最重要)
ムカデの毒は、牙の付け根の毒腺から分泌されます。そのため皮膚の内部に入る量よりも、皮膚の表面に付着している量のほうが多いとされています(日進市・アニウェル犬と猫の病院の獣医師解説)。
犬は痛む場所を本能的に舐めます。しかし表面に毒が残った患部を舐めると、口腔内や喉の粘膜に毒が触れます。口の中の腫れ、よだれ、呼吸のしづらさという二次被害につながります。
舐めた形跡がある場合は、その事実も病院に伝えてください。エリザベスカラーがあればすぐ装着します。無ければ、脚なら包帯やソックスで物理的に覆い、常に人が見ていられる場所に置きます。
2. 咬まれた時刻と状況をメモする
アナフィラキシーは多くの場合咬まれてから30分以内に始まります。「何時に咬まれたか」は、獣医師が緊急度を判断するうえで最も重要な情報です。
次の4点をスマートフォンにメモしてください。
- 咬まれた(と思われる)時刻
- 場所(屋内か屋外か、ベッドの中か散歩中か)
- 虫を見たかどうか、見たなら大きさと色
- 患部の写真(時間経過で腫れを比べるため)
虫の死骸が残っていれば、ティッシュに包んで持参します。ムカデかヤスデかで対応が大きく変わるためです(後述)。
3. 動物病院に電話してから向かう
いきなり車を出す前に、まず電話をします。症状を伝えれば、病院側が抗ヒスタミン薬やステロイドの準備を先にできます。深夜であれば、夜間救急の受け入れ可否もその場で確認できます。
「温める」か「冷やす」か|見解が割れる論点と、犬での現実的な結論
ネット上には「ムカデ咬傷は43℃以上のお湯で温めるべき、冷やすのは絶対NG」という情報が大量にあります。一方で「冷やすのが正しい」という記述もあります。どちらが正しいのでしょうか。
結論から言うと、人間でも医師の間で見解が分かれており、犬では「どちらも自宅でやらない」のが最も安全です。理由を順に説明します。
加温が推奨される理屈
ムカデの毒はタンパク質を主体とした複合物です。兵庫医科大学皮膚科の夏秋優氏による毒成分の分析報告(『衞生動物』57巻 Supplement, 2006年)では、タンパク分解酵素やヒアルロニダーゼ、ヒスタミンなどが検出されています。
タンパク質は熱で変性します。この性質から「43〜46℃で毒の活性が落ちる」とされ、人の医療現場では43℃以上の湯で患部を温める方法が使われてきました。
それでも犬に勧められない4つの理由
ところが、この加温療法のエビデンスは確立していません。台湾で行われた比較研究では、冷却・温水・鎮痛薬の間で痛みの改善効果に差がなかったと報告されています。医療従事者を対象にした国内の意識調査でも、加温派と冷却派が割れているのが実情です。
そのうえで、犬に43〜46℃の湯をかけ続けるのは次の理由から現実的ではありません。
- やけどのリスク:犬の皮膚の表皮は人の約3分の1の厚さしかありません。人が「熱いが耐えられる」温度でも、犬には熱傷になり得ます。
- 被毛で温度がわからない:毛に覆われた部位は湯温が正確に伝わらず、実際の皮膚温を確認できません。
- 激痛で暴れる:咬まれた直後の犬を10〜20分間じっと保定するのは困難で、飼い主が咬まれる二次事故につながります。
- 時間の浪費:湯温を調整している間に、アナフィラキシーの初期サインを見逃します。
犬での実践的な結論
加温も冷却も自宅ではしない。どうしても何かするなら、常温〜ぬるめの流水で30秒ほど患部をやさしく流すだけにとどめます。皮膚表面に付着した毒を物理的に減らす目的です。こすらず、揉まず、すぐ病院へ向かってください。
絶対にやってはいけない4つの処置
| NG行為 | なぜ危険か |
|---|---|
| 人が口で毒を吸い出す | 吸い出せる量はほぼゼロ。人の口腔粘膜から毒が吸収され、人側が腫れる。人の口内細菌で犬の傷が感染する。 |
| 患部を揉む・こする | 毒の広がりを助け、腫れの範囲が拡大する。犬の痛みも強まる。 |
| 人用のかゆみ止め・虫刺され薬を塗る | 舐めて経口摂取する前提で考える必要がある。特にジフェンヒドラミン配合薬やハッカ・メントール系は犬に不向き。獣医師の指示なく塗らない。 |
| 「様子を見る」で一晩放置 | 咬傷部を舐め続けると、翌朝には毒そのものより舐性皮膚炎・化膿のほうが重症化していることがある。 |
なお、人用の薬を犬が誤って舐めてしまった場合の対応は犬の誤飲・誤食の対処法|危険物一覧と受診の目安で解説しています。
症状の見分け方|咬まれた痕は「2つの点」が基本サイン
「ムカデかどうか分からない」という場面は非常に多いものです。咬傷痕には特徴があります。

咬傷痕の典型的な所見
- 2つの点が数mm離れて並ぶ:ムカデは左右1対の顎肢(がくし=毒牙)で咬みます。そのため刺し口は原則として2つです。ハチの単一の刺し口とはここが違います。
- 点を中心に放射状の発赤:数分〜十数分で赤みが広がります。
- 硬い腫れ(腫脹):30分〜数時間でピークになり、翌日まで残ります。
- 強い痛み:咬まれた瞬間にキャンと鳴く、足を上げる、触らせない。
ただし被毛に覆われた部位では、2点の刺し口はまず見えません。毛をかき分けて皮膚を直接見るか、肉球・鼻先・お腹など毛の薄い部位を確認してください。
「痛がっているのに傷が見つからない」とき
散歩中に急に歩かなくなった、足を上げたまま着けない、という場合は咬傷以外の可能性もあります。判断に迷うときは犬が足を引きずる原因|前足・後ろ足別の見分け方と受診目安もあわせて確認してください。痛みによる全身の震えについては犬が震える原因|寒さ・恐怖・痛み・病気の見分け方と受診目安で整理しています。
部位別の危険度|同じ咬傷でも「どこを咬まれたか」で緊急度が変わる
| 部位 | 危険度 | 理由と対応 |
|---|---|---|
| 口の中・舌・喉 | 最も危険 | 粘膜は腫れが急速。気道が狭くなり呼吸困難に至る可能性がある。ムカデを咥えた・食べたと分かった時点で、症状がなくても即受診。 |
| 鼻先・マズル・まぶた | 高い | 組織が緩く腫れやすい。鼻腔が塞がると短頭種は呼吸が苦しくなる。顔が左右非対称に腫れたら当日中に受診。 |
| 肉球・指の間 | 中 | 最も頻度が高い部位。舐めやすいため二次的な指間炎・化膿に進みやすい。カラー装着が必須。 |
| お腹・内股 | 中 | 被毛が薄く咬まれやすい。就寝中の被害はここが多い。腫れの範囲を写真で記録する。 |
| 背中・体幹(被毛の厚い部位) | 低〜中 | 毛が防御になり、毒の注入量が少ないことが多い。ただし発見が遅れやすい。 |
危険な全身症状=アナフィラキシー|30分以内のサインを見逃さない
アナフィラキシーは、毒そのものではなく免疫の過剰反応で起こります。ハチ毒と同様、ムカデ毒でも起こり得ます。過去に咬まれた経験のある犬ほどリスクが高いとされる点に注意してください。
次のいずれかがあれば、夜間でも今すぐ救急へ
- 顔・まぶた・マズルが急に腫れる(膨疹・じんましん)
- 繰り返す嘔吐、突然の下痢(犬のアナフィラキシーは消化器症状で始まることが多い)
- 歯ぐきが白い・灰色っぽい
- 呼吸が速い、ゼーゼーいう、口を開けたまま苦しそうに呼吸する
- ふらつく、立てない、倒れる(虚脱)
- 体温が下がり、体が冷たい
犬のアナフィラキシーでは、人と異なり肝臓のうっ血に伴う消化器症状(嘔吐・下痢)が初発症状になりやすいことが知られています。「咬まれた後に何度も吐く」は、単なる胃腸の不調ではなくショックの前触れかもしれません。嘔吐が続く場合の危険サインは犬が嘔吐を繰り返す|何度も吐く原因と今すぐ受診すべき危険サインを参照してください。
嘔吐と下痢が重なると急速に脱水します。移動中も含め、犬の脱水症状チェック|5秒でできる見分け方の方法で状態を確認しておくと、病院での説明がスムーズです。
受診の目安|今すぐ/当日中/自宅で経過観察でよいケース
| 緊急度 | 状態 |
|---|---|
| 今すぐ (夜間救急も) |
上記のアナフィラキシー徴候のいずれか/口の中・喉を咬まれた/ムカデを飲み込んだ/体重5kg未満の小型犬や子犬・シニア犬が明らかに咬まれた/顔が急速に腫れている |
| 当日中に受診 | 腫れが手のひら大以上/痛みで足を着けない・触らせない/患部を舐め続けて止められない/2時間経っても腫れが引かず拡大している/過去にハチやムカデでアレルギー反応を起こしたことがある |
| 自宅で経過観察可 (翌日の診察を予約) |
腫れが500円玉程度まで/普段どおり歩き、食欲も元気もある/舐める様子がない(またはカラーで防げている)/咬まれてから2時間以上、全身症状がない |
経過観察を選ぶ場合も、咬まれてから最低2時間はそばで観察してください。遅発性のアレルギー反応が翌日以降に出ることもあるため、48時間は患部の写真を朝晩で比較します。
動物病院で行われる治療と費用の目安
解毒剤がないため、治療は症状を抑える対症療法が中心です。
- 抗ヒスタミン薬の注射:腫れとかゆみを抑える
- ステロイド注射:炎症とアレルギー反応を抑える
- 鎮痛薬:ムカデ咬傷は痛みが強いため重要
- 患部の洗浄・消毒、必要に応じて抗菌薬(舐めによる二次感染の予防)
- 点滴・酸素・アドレナリン投与:アナフィラキシーやショックがある場合
- エリザベスカラーの処方
費用は自由診療のため病院差が大きく、あくまで目安ですが、一般的な範囲は次のとおりです。
| 内容 | 目安 |
|---|---|
| 初診料 | 1,500〜3,000円 |
| 注射(抗ヒスタミン・ステロイド) | 2,000〜5,000円 |
| 処置・内服薬(3〜5日分) | 2,000〜4,000円 |
| 軽症の合計 | およそ5,000〜12,000円 |
| 夜間・救急の時間外加算 | +5,000〜12,000円 |
| アナフィラキシーで入院・集中治療 | 30,000〜80,000円程度 |
「費用が心配だから様子を見る」という判断が最も高くつきます。軽症のうちに受診すれば1万円前後で済むことが多く、こじらせて入院になると数万円単位になるためです。
ムカデと間違えやすい虫|ヤスデ・ゲジとの見分け方
実際には無害なヤスデやゲジだった、というケースは珍しくありません。危険度がまったく違うため、見分け方を知っておくと無駄な夜間受診を避けられます。
| ムカデ | ヤスデ | ゲジ(ゲジゲジ) | |
|---|---|---|---|
| 咬む毒牙 | あり(危険) | なし | あるが極めて微弱 |
| 1体節の脚 | 1対(2本) | 2対(4本) | 1対(2本) |
| 脚の長さ・見え方 | 横に張り出して見える | 短く、体の下に隠れる | 非常に長く、クモのよう |
| 体色 | 頭が赤褐色・胴が黒緑(トビズムカデ) | 黒〜こげ茶で光沢 | 灰褐色で縞 |
| 動き | 素早く直進 | 遅い。刺激で丸くなる | 非常に素早い |
| 犬への実害 | 咬傷・激痛・腫れ | 咬まない。ただし体液に触れると皮膚炎・結膜炎 | ほぼなし(益虫) |
見分けの決め手は1つの体節から脚が何本出ているかです。2本ならムカデかゲジ、4本ならヤスデです。ヤスデは咬みませんが、防御液に触れると皮膚が炎症を起こすため、犬が鼻先でつついた後に赤くなることがあります。
日本で最も被害が多いのはトビズムカデで、大きな個体は体長20cmに達します。頭部が赤褐色である点が目印です。
秋こそ要注意|ムカデが屋内に入る時期と侵入経路

ムカデは気温18℃以上で活発になり、10℃を下回ると動けなくなって越冬に入ります。この性質から、活動には年2回のピークがあります。
- 第1ピーク(5〜6月):産卵期。屋外での遭遇が中心。
- 真夏(7月下旬〜8月):高温を避けて活動が鈍る。
- 第2ピーク(9〜10月):越冬場所を求めて移動。屋内侵入が最も増える。
夏の記事の多くは「散歩中の遭遇」を前提に書かれています。しかし秋の実態は違います。暖かく湿った場所を求めて家に入り込み、夜間に寝ている犬が咬まれるという事故が中心になります。
主な侵入経路
- 玄関・網戸のわずかな隙間(成体は数mmの隙間を通過します)
- 浴室・キッチンの排水口、洗濯機の排水ホースまわり
- エアコンの配管貫通部・ドレンホース
- 換気口、床下の通気口
- 基礎と外壁の継ぎ目、勝手口のドア下
犬の寝床まわりで今日できる対策
- 犬用ベッドを壁から10cm以上離す(ムカデは壁沿いに移動します)
- 床に毛布やタオルを放置しない。ムカデの潜伏場所になります
- 使っていない排水口に栓をする
- 玄関・勝手口まわりの落ち葉と植木鉢を撤去する(鉢の下は定番の潜伏場所)
- 家の外周にゴキブリ対策をする。ムカデはゴキブリを追って入ってくるため、餌を断つのが根本対策になります
犬がいる家庭の駆除・忌避対策|殺虫剤の安全性
薬剤を使う際は、犬への影響を製品ごとに必ず確認してください。判断の軸は次の3点です。
1. 「ペットのいる場所で使用可」の表示を確認する
ムカデ用の粉剤・粒剤には、ピレスロイド系(ペルメトリンなど)が使われることが多くあります。犬ではピレスロイド系の毒性は比較的低いものの、大量に舐めた場合は流涎・嘔吐・振戦を起こすことがあります。製品の安全データシート(SDS)と注意書きを確認し、犬が立ち入る場所では使用しないのが基本です。
なお、猫はピレスロイド系に対する感受性が犬よりはるかに高く、重篤な中毒を起こします。犬猫を同居させている家庭では特に注意してください。
2. 使うなら「屋外の外周」に限定する
最も安全で効果的なのは、家の外周に帯状に粒剤をまくバリア施工です。室内には薬剤を入れず、侵入を外側で止めます。散布後は犬を庭に出す前に、使用説明書の指定時間を必ず守ってください。
3. ハッカ油スプレーは「安全」ではない
「天然だから安全」と紹介されがちなハッカ油ですが、犬の周囲での多用は勧められません。メントールは犬にとって刺激が強く、高濃度では皮膚炎や消化器症状の原因になります。犬の寝床やケージに直接吹き付けるのは避け、使うなら人の出入り口周辺にとどめてください。
害虫対策全般では、マダニのように「取り方を間違えると悪化する」ものもあります。あわせて犬にマダニが付いたら?正しい取り方とNG行為・受診目安も確認しておくと安心です。蚊・ブヨ・ハチによる虫刺されとの症状の違いは犬の虫刺され|蚊・ブヨ・ハチに刺された症状と腫れの対処・受診目安にまとめています。
よくある質問
Q1. ムカデに咬まれたのを放置するとどうなりますか?
多くは2〜3日で腫れが引きます。しかし犬の場合、痛みで患部を舐め続けるため、咬傷そのものより舐性皮膚炎や細菌感染で悪化するケースが目立ちます。特に指の間は蒸れやすく、指間炎に発展しやすい部位です。放置せず、最低でもエリザベスカラーで舐めるのを止めてください。
Q2. 咬まれた痕は残りますか?
軽症であれば、色素沈着が数週間〜数か月残る程度で、被毛が生え揃えば目立たなくなります。ただし化膿や強い炎症を起こすと、その部分の毛が生えにくくなることがあります。跡を残さない最大のコツは、初期に舐めさせないことです。
Q3. 子犬やシニア犬、小型犬は危険度が高いですか?
高くなります。同じ量の毒でも体重あたりの毒量が相対的に多くなるためです。体重2kgのチワワと体重30kgのラブラドールでは、単純計算で15倍の差が生じます。体重5kg未満の犬が咬まれた場合は、症状が軽くても当日中の受診をおすすめします。持病のあるシニア犬も同様です。
Q4. ムカデを食べてしまいました。大丈夫でしょうか?
すぐに動物病院へ連絡してください。口腔内や喉を咬まれている可能性があり、その場合は腫れで気道が狭くなる危険があります。また、吐かせる処置を自己判断で行わないでください。口の中に傷がある状態での嘔吐は、かえって負担になります。
Q5. ムカデに効くワクチンや予防薬はありますか?
ありません。フィラリア予防薬やノミ・マダニ駆除薬は、ムカデには効果がありません。対策は「遭遇させない」の一点に尽きます。屋内の侵入経路を塞ぎ、散歩では落ち葉の吹き溜まりや石の周辺を避けることが最も現実的な予防です。
Q6. 夜中に咬まれました。朝まで待っても大丈夫ですか?
全身症状(顔の腫れ・嘔吐・ふらつき・呼吸の異常)がまったくなく、咬まれてから2時間が経過して悪化がなければ、朝一番の受診でも間に合うことが多いです。ただし口の中を咬まれた、顔が腫れている、小型犬である、のいずれかに当てはまるなら夜間救急へ向かってください。判断に迷ったら、まず夜間救急に電話して状況を伝えるのが確実です。
Q7. 咬まれた場所を家族(人間)も咬まれました。どうすれば?
人の対応は皮膚科または救急外来の判断に従ってください。人では43℃以上の温水で洗う方法が用いられることがありますが、犬にそのまま適用しないでください。人と犬では皮膚の厚さも保定の可否も異なります。
まとめ|秋のムカデ対策は「寝床まわり」から
- 咬まれたら、まず舐めさせない。次に時刻を記録し、病院に電話する
- 自宅での加温・冷却は行わない。流水で30秒流す程度にとどめる
- 刺し口は2つの点。1つならハチなど別の虫の可能性
- 口の中・顔・小型犬は緊急度が高い。30分以内の全身症状に注意
- 9〜10月は屋内侵入の第2ピーク。犬のベッドを壁から離すだけでもリスクは下がる
ムカデ咬傷は、正しく初動を取れば1万円前後・数日で回復することがほとんどです。慌てて間違った処置をしないこと、そして舐めさせないこと。この2つを覚えておいてください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、獣医師による診断・治療の代替となるものではありません。愛犬の体調に異変を感じた場合は、速やかにかかりつけの獣医師にご相談ください。
参考文献・情報源
- 夏秋優「毛虫の有毒毛、およびムカデの毒牙における毒成分の分析」『衞生動物』57巻 Supplement, 2006年, p.65
- アニウェル犬と猫の病院「犬・猫がムカデに咬まれたら(刺されたら)毒と症状と治療」
- m3.com 意識調査「ムカデ咬傷には加温か冷却か」(医師の見解が分かれる点について)
- 各自治体・害虫防除事業者が公開するムカデの季節消長および生態情報
- 殺虫剤製造元が公開する安全データシート(SDS)のペットに関する記載
