ペットホテル選びで確認すべきは3つです。「第一種動物取扱業の登録」「見学での環境確認」「愛犬に合う施設タイプ」を満たせば、大きな失敗は防げます。料金相場は小型犬で1泊3,000〜6,000円が目安です。お盆や年末は満室が早く、1ヶ月前までの予約が安心です。
この記事では、犬の預け先4つの比較、料金相場、見学時のチェックリスト、予約時期、預ける前の準備までまとめて解説します。お盆の帰省や夏休みの旅行を控えた飼い主さんは、ぜひ参考にしてください。
犬の預け先は4つ|選択肢ごとの向き不向きを比較
犬の預け先は、大きく分けて4つあります。ペットホテル、動物病院併設ホテル、ペットシッター、知人・家族です。それぞれ費用と得意分野が異なります。まずは愛犬の性格と健康状態から、合う選択肢を絞りましょう。
| 預け先 | 費用目安(1泊) | メリット | デメリット | 向いている犬 |
|---|---|---|---|---|
| ペットホテル専門店 | 3,000〜10,000円 | 散歩・遊びなどサービスが充実。24時間常駐の施設もある | 環境変化がストレスになる。医療対応は不可 | 社交的で環境変化に強い犬 |
| 動物病院併設 | 3,000〜8,000円 | 体調急変や投薬に対応できる安心感 | ケージ管理が中心で遊び時間は少なめ | シニア犬・持病のある犬 |
| ペットシッター | 3,000〜7,000円/回 | 自宅で過ごせるためストレスが最小 | 不在時の急変に気づくのが遅れる可能性 | 環境変化が苦手な犬・多頭飼い |
| 知人・家族 | 無料〜謝礼 | 顔見知りで犬も安心。費用がかからない | 事故時の責任があいまい。世話の質は相手次第 | その人に懐いている犬 |
連泊の旅行ならペットホテルか動物病院併設が現実的です。1泊程度で愛犬が繊細な性格なら、ペットシッターも検討しましょう。
ペットホテルの料金相場|犬サイズ・シーズン別
ペットホテルの料金は、犬の体重・サイズで決まるのが一般的です。1泊あたりの相場は次のとおりです。
| 犬のサイズ | 宿泊(1泊) | 一時預かり(1時間) |
|---|---|---|
| 小型犬(〜10kg) | 3,000〜6,000円 | 500〜1,000円 |
| 中型犬(10〜20kg) | 4,000〜8,000円 | 700〜1,200円 |
| 大型犬(20kg〜) | 5,000〜10,000円 | 1,000〜1,500円 |
都心部の個室タイプやWebカメラ付きの施設は、1泊10,000円を超えることもあります。また、お盆・年末年始などの繁忙期は10〜30%程度の割増料金を設定する施設が多いです。逆に3泊以上で連泊割引がある施設もあります。
基本料金のほかに、次のオプション費用がかかる場合があります。散歩の追加(500〜1,000円/回)、投薬対応(300〜500円/回)、送迎(1,000円〜)などです。総額で比較するために、見積もり時に必ず確認しましょう。

失敗しない選び方チェックリスト7項目
料金だけで選ぶと、後悔につながりやすいです。以下の7項目を、予約前に必ずチェックしましょう。
1. 第一種動物取扱業(保管)の登録があるか
ペットホテルの営業には、動物愛護管理法に基づく「第一種動物取扱業(保管)」の登録が義務付けられています。環境省の第一種動物取扱業者の規制にあるとおり、登録業者は登録番号などを記した標識の掲示が必要です。店内やホームページに登録番号の記載がない施設は避けましょう。
2. 犬舎まで見学させてくれるか
受付だけでなく、実際に犬が過ごす犬舎まで見せてくれる施設が理想です。環境省令では、犬のケージについて「タテは体長の2倍以上、ヨコは体長の1.5倍以上、高さは体高の2倍以上」という数値基準が定められています。狭すぎるケージしかない施設は、この基準を満たしていない可能性があります。見学を理由なく断る施設は候補から外して構いません。
3. 空調が24時間管理されているか
夏の預け入れで最も重要なのが空調です。夜間にエアコンを切る施設では、熱中症のリスクが高まります。犬は体温調節が苦手で、室温28度を超えると危険域に入ります。詳しくは犬の熱中症|症状・応急処置・予防の記事も参考にしてください。
4. 散歩・運動の回数と時間
1日の散歩回数と1回あたりの時間を確認しましょう。標準プランでは1日1〜2回、各15〜30分が一般的です。運動量の多い犬種は、散歩追加やドッグラン利用ができる施設が向いています。
5. 夜間のスタッフ体制
夜間は無人になる施設が少なくありません。特に持病がある犬や子犬を預ける場合は、24時間スタッフが常駐する施設を選ぶと安心です。無人になる場合は、見回りの頻度を確認しましょう。
6. 緊急時の対応と提携動物病院
体調急変時にどの動物病院へ搬送するか、事前に決まっている施設を選びましょう。飼い主への連絡フローが明確かどうかも重要です。かかりつけ医の連絡先を伝えられるかも確認してください。
7. 料金・キャンセル規定が明確か
宿泊料のほか、延長料金・キャンセル料の規定を書面で確認しましょう。お盆などの繁忙期は「3日前からキャンセル料50%」といった規定が多いです。曖昧な施設は金銭トラブルのもとになります。
予約はいつまでに?お盆・年末の混雑と早期予約
ペットホテルの2大繁忙期は、お盆(8月中旬)と年末年始です。この時期は、人気施設なら1ヶ月前には満室になることも珍しくありません。2026年のお盆は8月13日〜16日が中心です。8月に預ける予定があるなら、7月中の予約をおすすめします。
初めて利用する施設の場合は、さらに前倒しが必要です。多くの施設で、宿泊前に一時預かりでの「お試し利用」を推奨しているためです。本番の2〜3週間前までに、半日程度の一時預かりを済ませておきましょう。愛犬の反応を見てから本予約できるので、失敗が減ります。

預ける前の準備|ワクチン・フード・分離不安対策
ワクチン接種証明書の準備
ほとんどの施設で、狂犬病予防接種と混合ワクチンの証明書が必要です。「接種から1年以内」を条件とする施設が一般的です。証明書の期限が切れている場合、接種後に抗体ができるまで時間がかかります。預ける2週間以上前には接種を済ませておきましょう。ノミ・マダニの予防も、多くの施設で利用条件になっています。
いつものフードを小分けで持参
急なフード変更は下痢や食欲不振の原因になります。普段のフードを1食分ずつ小分けにし、食数プラス1〜2食分を持たせましょう。給餌量と回数をメモで渡すと、施設側も対応しやすくなります。
留守番・ケージに慣らしておく
飼い主と離れると強い不安を示す犬は、ペットホテルで食事を取れなくなることがあります。普段からケージで過ごす練習と、短時間の留守番練習をしておきましょう。分離不安の傾向がある場合は、犬の分離不安の原因や改善方法の記事を参考に、早めの対策をおすすめします。
持ち物チェックリスト
- 狂犬病・混合ワクチンの接種証明書
- いつものフード(小分け+予備1〜2食)
- 服用中の薬と投薬メモ
- 使い慣れたタオルやおもちゃ(匂い付きが安心)
- 首輪・リード・迷子札
- かかりつけ動物病院の連絡先メモ
なお、帰省先まで車や電車で一緒に移動する場合は、犬の車酔い対策と犬用キャリーバッグの選び方の記事もあわせてご覧ください。
持病・シニア犬・子犬は動物病院併設という選択
一般のペットホテルでは、次のケースで預かりを断られることがあります。ワクチン未接種、10歳以上のシニア犬、持病・服薬中、生後4ヶ月未満の子犬、ヒート中などです。
該当する場合は、動物病院併設のペットホテルが第一候補になります。獣医師の管理下で預かってもらえるため、体調急変や投薬にすぐ対応できます。心臓病や腎臓病などで通院中の犬は、かかりつけの動物病院に預かり対応の有無を聞いてみましょう。子犬はワクチンプログラム完了前だと感染症リスクがあり、一般ホテルでは断られるのが普通です。生後2〜3ヶ月で預ける必要がある場合も、動物病院に相談するのが安全です。
よくある質問
Q1. 初めてで不安です。いきなり1泊させて大丈夫?
いきなりの宿泊は避けましょう。まず数時間の一時預かりを1〜2回試すのがおすすめです。施設への慣れと、食事・排泄が普段どおりできるかを確認できます。問題なければ1泊、その後に連泊とステップを踏むと安心です。
Q2. 連泊は何泊までが限界ですか?
明確な上限はありませんが、初回は2〜3泊までが目安です。慣れない環境が続くと、食欲不振やストレス性の下痢が出やすくなります。1週間以上の長期になる場合は、長期預かりの実績がある施設を選び、途中経過の報告をもらえるようにしましょう。
Q3. ワクチンを打っていないと預けられませんか?
ほとんどの施設で断られます。狂犬病予防接種は法律上の義務でもあります。集団で預かる施設では感染症予防のため、混合ワクチンも必須条件です。体質等で接種できない場合は、獣医師の猶予証明書で相談できる施設もあります。
Q4. 見学を断られました。どうすべき?
衛生管理や他の預かり犬への配慮で、犬舎の立ち入りを制限する施設もあります。ただし、写真や窓越しでの確認すら断る場合は注意が必要です。飼育環境を一切見せない施設は避け、別の施設を検討しましょう。
Q5. 預けている間に体調を崩したらどうなりますか?
多くの施設は提携動物病院へ搬送し、飼い主に連絡します。治療費は飼い主負担が一般的です。預ける際に、緊急時の連絡先とかかりつけ医の情報を必ず伝えましょう。帰宅後も食欲や便の状態を2〜3日観察し、異変が続くなら受診してください。
まとめ|登録・見学・愛犬との相性で選ぼう
ペットホテル選びは、動物取扱業の登録確認から始めましょう。そのうえで見学し、空調・散歩・夜間体制・緊急対応をチェックします。シニア犬や持病のある犬は動物病院併設が安心です。お盆の予約は1ヶ月前、お試し利用は2〜3週間前が目安です。準備を整えて、飼い主も愛犬も安心して夏を過ごしましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、獣医師による診断・治療の代替となるものではありません。愛犬の体調に異変を感じた場合は、速やかにかかりつけの獣医師にご相談ください。

