(2026年9月更新)寒さ対策を始める気温の目安と室温・湿度の数値、低温やけどやヒートショック・低体温症への注意点、留守番時の暖房の考え方を追記しました。
一般的に犬は全身が毛で覆われており、人間よりも体温が高く寒さに強いものです。
また、犬の体温は小型犬だと38.6〜39.2度、大型犬だと37.5〜38.6度あります。
しかし、犬はみんな寒さに強いと思われがちですが、種類や年齢によって寒さに弱い犬もいます。
そこで今回は
・寒さが犬に与える影響とは?
・寒さに弱い犬種と強い犬種の違いとは?
・犬の寒さ対策とは?
などの疑問にお答えします。
また「犬の寒さ対策をする時の注意点」についても解説しています。
ぜひ参考にしてください。
【2026年版】寒さ対策はいつから?室温と湿度の目安
「まだ大丈夫かな」と迷ったときの目安は気温15℃です。最低気温が15℃を下回る日が出てきたら、寒さを感じる犬が増えてくると言われています。関東〜関西ではおおむね11月ごろ、北海道や東北では10月にはその日が出てくるため、地域に合わせて早めに準備を始めましょう。
- 室温の目安…一般的には18〜22℃前後
- 小型犬・短毛種・子犬・シニア犬…20〜24℃とやや高めに
- 大型犬・寒冷地原産のダブルコート犬種…18℃前後でも快適なことが多い
- 湿度…40〜60%を目安に。暖房で乾燥しやすいので加湿器や濡れタオルを併用
- 温度計の置き場所…犬の背の高さに合わせて床近くに
数字はあくまで目安です。体を丸めて小さくなっている、ブルブル震えている、動きが減った、水を飲む量が減ったといった様子は、愛犬が寒さを感じているサイン。逆に暖かい場所を離れてフローリングで伸びているなら、少し暑いのかもしれません。愛犬の居場所を観察しながら調整してあげましょう。
寒さが犬に与える影響とは?
免疫力の低下で病気になる可能性がある
犬も人間も、寒さで体温が下がると血液の循環が悪くなり、免疫力が低下してウィルスや細菌に感染しやすくなります。
近年では室内で飼われる犬が多く、寒さに触れる犬が少なくなっています。
そのため、体温調節をうまくできない犬が増えているそうです。
犬の体温調節がうまくいかず冷えた状態が続くと、ブルブルと震えてエネルギーを消費するので動きも悪くなります。
特に持病のある犬は、冷えそのものが持病を悪化させてしまうことも。
さらに、寒さ自体が犬のストレスになり、病気にかかってしまうこともあるので注意が必要です。
犬の免疫力が落ちると発症しやすい病気
冷えからくる犬の免疫力の低下で発症しやすい病気が以下の2つです。
1.ケンネルコフ
ケンネルコフとは「伝染性気管支炎」と呼ばれ、伝染性の呼吸器疾患の病気です。
また、ケンネルコフは「犬風邪」とも呼ばれ、低温で乾燥した環境を好むウィルスなので、冬はまん延しやすくなります。
生後6週〜6カ月の子犬が、もっとも影響を受けやすいので注意してください。
主な症状は
・気管が圧迫されているような咳
・発熱
・苦しそうな呼吸
・食欲不振
・呼吸困難
・ぐったりする
・肺音の異常
などが挙げられます。
ケンネルコフは、症状が軽ければ10〜14日ほどで回復します。
ただし子犬やシニア犬では肺炎に進むこともあるため、咳が続く・食欲が落ちるといった場合は自己判断で様子を見ず、早めに動物病院を受診してください。
また、感染の可能性を低くするためにも、ワクチンを毎年接種するのがおすすめです。接種の種類や間隔は犬の年齢や生活環境によって異なるため、かかりつけの獣医師と相談して決めましょう。
2.下痢
普段は病気を発症しない少数の寄生虫が、犬の腸に感染していることがあります。
腸では善玉菌と悪玉菌がバランスを取りながら、健康な腸内環境を維持しているのは犬も人間も同じです。
しかし、体調の崩れや免疫力が落ちると、これらの寄生虫や悪玉菌が増殖し下痢を引き起こすことがあります。
冷えが原因で下痢になることもあるので、注意が必要です。
冷えの影響を受けやすい犬の病気
持病を抱える犬は特に冷えに注意が必要ですが、老犬も筋力が落ちるため冷えやすい傾向があります。
冷えが原因でなる病気は主に以下の3つです。
1.関節痛
関節の周りには筋肉や血管が少ないので、寒いと関節周辺の血流が滞り筋肉がこわばります。
さらに、筋肉や腱が冷えにより硬くなり、伸び縮みするときに筋肉や腱の付着部に力がかかってしまいます。
その結果、関節の痛みが増してしまうのです。
2.心臓病
犬も人間も体が冷えると、体中の血管が収縮して血圧が上がります。
そうすると心臓は普段よりも強く早く動くので負担がかかり、心臓病を引き起こす可能性があるので注意が必要です。
すでに僧帽弁閉鎖不全症などの心臓病がある子は、冬に咳や疲れやすさが目立つことがあります。気になる変化があれば主治医に相談してください。
3.尿石症・膀胱炎
寒さにより水を飲む量が減ると、尿が凝縮され膀胱内に結石ができやすくなります。
また、免疫力が低下することにより細菌が感染する可能性があるので、感染しないように注意が必要です。
冬は水入れの位置を暖かい場所に移す、ぬるま湯にする、ウェットフードやふやかしフードで水分を足すなど、飲水量が減りすぎない工夫をしておくと安心です。
【2026年版】ヒートショックと低体温症に注意
冬に見落とされがちなのが、暖かい室内と寒い屋外を行き来するときの急な温度差です。人と同じように、犬でも急激な温度変化が血圧や心臓に負担をかける「ヒートショック」が起こりうると言われています。10℃ほどの温度差でも起こる可能性があるとされ、シニア犬や心臓・呼吸器に持病のある犬はとくに注意が必要です。
- いきなり外に出さない…暖かい部屋 → 廊下 → 玄関と、段階的に体を慣らしてから出発する
- 出発前に軽くマッサージや服を着せて体を温めておく
- 散歩は暖かい時間帯に…早朝や日没後を避け、日中の日差しがある時間に
- 帰宅後も急に暖房の効いた部屋へ行かない…玄関で少し休んでから室内へ
- 脱衣所やトイレなど寒い場所も要注意…シャンプー後は特に冷えやすいのでしっかり乾かす
また、体温が下がりすぎた状態を低体温症といいます。震えが止まらない、体(とくに耳や足先)が冷たい、元気や食欲がない、呼吸が浅い、ぐったりして反応が鈍い——こうした様子は危険なサインです。毛布でくるむなどして体を保温しながら、すぐに動物病院へ連絡してください。湯たんぽを直接あてる、熱いお湯をかけるといった急激な加温は、かえって体に負担をかけるため避けましょう。
寒さに弱い犬種と強い犬種の違いとは?
ダブルコートの毛質
犬の被毛には皮膚を保護する硬い毛質のオーバーコート(上毛)と、体温を調節する軟らかい毛質のアンダーコート(下毛)の2種類があります。
比較的寒さに強いのは、オーバーコートとアンダーコートの両方の毛質を持つダブルコートと呼ばれる犬種です。
また、ダブルコートの犬は寒くなるとアンダーコートの毛量が増え、ダウンジャケットのような役割を果たしてくれます。
基本的に寒い地域原産の犬種は、寒さに適応できるようにアンダーコートがしっかりと生えています。
シングルコートの毛質
オーバーコートの毛質のみの犬種は、シングルコートと言います。
基本的にシングルコートの犬は、保温してくれるアンダーコートがないため寒さに弱いです。
また、暑い地域原産の犬種はアンダーコートがなかったり、アンダーコートが極端に少なかったりするので寒さに弱い傾向があります。
幼い犬や老犬、病気を抱えている犬は、毛質や犬種に関係なく寒さに弱いので体調管理に注意してください。
なお、サマーカットなど被毛を短く刈った直後の犬も、犬種に関係なく保温力が落ちています。冬前にトリミングをした場合は、服や室温でいつもより手厚くフォローしてあげましょう。
寒さに弱い犬種・強い犬種
〖寒さに弱い犬種〗
・トイ・プードル
・マルチーズ
・ミニチュアダックスフンド
・ヨークシャーテリア
・パピヨン
・ミニチュア・ピンシャー
・チワワ
など
〖寒さに強い犬種〗
・シベリアンハスキー
・セントバーナード
・ゴールデンレトリーバー
・ラブラドールレトリーバー
・サモエド
・柴犬
・秋田犬
など
個体差はありますが、基本的に超小型犬やシングルコート、毛の短い犬種は寒さに弱いと言えます。
また、中・大型犬やダブルコート、長い毛の犬種は寒さに強いと言えるでしょう。
ただし「寒さに強い犬種だから外に出しっぱなしで平気」ということではありません。強い犬種でも、シニアになれば筋肉量が落ちて冷えやすくなりますし、体調を崩していれば話は別です。犬種よりも「その子の今の様子」を基準に考えてあげてください。
犬の寒さ対策とは?
ケージの置く場所と室温
外飼いしている犬の寒さ対策として、寒い日は玄関など家の中に入れるようにしましょう。
また、犬小屋やケージに毛布を入れたり、ペットヒーターを使ったりすることをおすすめします。
室内飼いの犬の寒さ対策では、「寒い場所を避けること」と「暖房器具を使うこと」が重要です。
室内で飼っている犬は寒さに触れる機会が少なく、体温調節がうまくできず寒さに弱くなっています。
なので、ケージの置き場所は寒い場所を避けましょう。
玄関や廊下、窓の近くは外気が入り込んで冷えやすいので、ケージを暖かい場所に移動してください。
ただし、直射日光があたる場所はNGです。
また、室温は20度前後で湿度を50〜60%を目安に、一定を保つように工夫しましょう。
床の低い場所と天井に近い場所では気温が違うので、温度計を犬の背の高さに合わせた場所に置いておくと良いですよ。
ケージ自体の寒さ対策
〖外飼いの場合〗
外飼いの犬ほど寒さ対策が必要です。
犬小屋は日当たりがよく、北風が当たらない暖かい場所に移動してください。
また、段ボールなどを犬小屋の外側に張り巡らせ、保温性を高めましょう。
こうすると外からの冷気を遮断できるので、防寒性が高くなります。
さらに、犬小屋の中には毛布やフリース素材などの、保湿性のある布地を敷きましょう。
〖室内飼いの場合〗
ケージを壁につけて置いている場合は、ケージと壁の間に段ボールなどを挟み、冷気を遮断します。
また、床からの冷えもあるので、ケージの下には断熱材や段ボールを敷きましょう。
ケージの上からも新聞紙や毛布などを覆いかぶせることで、ケージ内の保温性を高められます。
さらに、ケージの中に毛布やフリース素材など、保湿性のある布地を敷くと良いでしょう。
ペット用のヒーターや湯たんぽも有効です。
電気を使わずに犬自身の体温で暖かさを持続させるマットなどは、手軽かつ経済的なのでおすすめです。
なお、段ボールや毛布で囲うときは暖房器具の熱がこもらない配置にし、コードを噛めない位置に通してください。かじり癖のある子は、段ボールや新聞紙を口にしてしまうこともあるため、様子を見ながら使いましょう。
犬自身の寒さ対策と注意点
外飼いの犬の場合は、皮下脂肪を増やすため、いつものドッグフードの量を10%増やして与えましょう。
ただし増量が向くのは、寒さでエネルギー消費が増える屋外飼育で、体型に余裕がある犬の場合です。室内犬や、もともと太り気味の子、腎臓・心臓などに持病のある子では、増量がかえって負担になることがあります。どのくらい増やすか(そもそも増やす必要があるか)は、体重を測りながら獣医師に相談して決めてください。
また、筋肉量が増えると体温を上げやすくなるので、しっかり運動させてあげることをおすすめします。
室内犬の場合は、冬用の保温効果の高い洋服を着せてあげるのが効果的。
とくに、シングルコートの犬種は寒さに弱いケースが多いので、保温効果の高い洋服を着せることで防寒性を高めます。
ただし服を着せっぱなしにすると、蒸れて皮膚トラブルの原因になったり、毛玉ができたりすることがあります。室内で暖房が効いているときは脱がせる、こまめに皮膚の状態を確認する、といったケアも忘れずに。
首を温めるための犬用のスヌードなども、首が長い犬種にはおすすめです。
散歩前には軽くマッサージなどをして、犬の体を温めてから出かけると良いでしょう。
帰宅後は犬の足先や耳、尻尾などが冷えているので、軽くマッサージをすることで血行が良くなります。
室内犬などの寒さに弱い犬や雪道を散歩する場合には、足のケガなどを防止するためにもペット用シューズを履かせると良いでしょう。
雪道や凍結した道路にまかれた融雪剤・凍結防止剤は、肉球への刺激になったり、舐めてしまうとお腹をこわす原因になったりします。散歩から帰ったら足先をぬるま湯で洗って、しっかり拭いて乾かしてあげましょう。
また、外飼い犬、室内犬ともに、こまめにブラッシングしてください。
ブラッシングすることで被毛がフサフサになり、暖かい空気を蓄えやすくなります。
犬の寒さ対策をする時の注意点
エアコンなどで暖房する場合、部屋の温度に注意が必要です。
寒さに強い犬種は冬の方が快適な場合もあるので、暖まった部屋だけでなく涼しい場所に移動できるようにするといいでしょう。
ただし、やけどや火事に備えて、暖房器具はなるべく火を使わないことをおすすめします。
どうしても、ストーブなど火を使う暖房器具を使用する場合は、暖房器具の周りを柵などで囲い、犬が近づかないように注意してください。
また、電気の暖房器具を使用する場合は、犬がコードをかじらないよう注意が必要です。
床暖房を使用している場合は床全体が温かいので、犬が暑いと感じたときに避難できるように対策しましょう。
例えば、部屋の一部にすのこを敷いたり、小型犬の場合はソファの上にあがれるように逃げ道を作ってあげてください。
散歩の時間もなるべく暖かい時間帯を選びましょう。
【2026年版】見落としがちな「低温やけど」に注意
ペットヒーターやホットカーペット、湯たんぽは冬の強い味方ですが、それほど熱く感じない温度でも、同じ場所に長く触れ続けると低温やけどを起こすことがあります。とくに自分で動けないシニア犬や、感覚が鈍くなっている子、寝たきりの子は注意が必要です。
- 直接肌に触れさせない…湯たんぽはカバーの上からさらにタオルを巻く
- ケージ全面を温めない…ヒーターは床の一部だけに敷き、暑ければ逃げられる場所を必ず残す
- ときどき位置を変える…長時間同じ姿勢で寝ている場合は、体勢や器具の位置をずらしてあげる
- 使用前に温度を確認…手を10秒ほど当てて「熱い」と感じるなら犬には熱すぎます
- 皮膚が赤い・脱毛している・触ると嫌がる場所があれば、低温やけどの可能性があります。冷やしながら動物病院を受診してください
【2026年版】冬の留守番、暖房はどうする?
留守番中の暖房は「つけっぱなしにしていいのか」と悩む方の多いポイントです。考え方はシンプルで、火災リスクの低い器具を、逃げ場を残した状態で使うこと。
- 石油ストーブ・ファンヒーターなど火を使う器具は消してから外出。倒したりぶつかったりする事故を防ぎます
- 使うならエアコンなど本体に触れない暖房を、20℃前後の控えめな設定で
- 湯たんぽや、体温で暖まるペット用マットは、電気を使わず比較的安心です
- コードはカバーやモールで覆い、かじれないように
- 暖房をつけるなら加湿と飲み水もセットで。乾燥と水分不足は冬の体調不良の入り口です
- 暖かい場所と涼しい場所を行き来できるよう、部屋を仕切りすぎない
心配な場合はペットカメラで室内の様子を確認できるようにしておくと安心ですよ。停電時に備えて、電気を使わない保温グッズ(毛布・湯たんぽなど)も用意しておきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 犬は何℃くらいから寒さを感じますか?
A. 目安は気温15℃です。これを下回るようになったら寒さ対策を始めるタイミング。室内は18〜22℃前後、小型犬・短毛種・子犬・シニア犬は20〜24℃を目安に、湿度は40〜60%を保ちましょう。ただし個体差が大きいので、震えや丸まって寝るなどの様子を見ながら調整してください。
Q. 犬に服は必要ですか?
A. シングルコートの小型犬、短毛種、子犬やシニア犬、被毛を短くカットした直後の子には効果的です。一方でダブルコートの寒冷地原産犬種は、着せると暑がることもあります。蒸れや毛玉を防ぐため、室内で暖房が効いているときは脱がせてあげましょう。
Q. 犬が震えていたら寒いということですか?
A. 寒さのサインであることが多いですが、痛み・不安や恐怖・発熱・中毒・低血糖など、寒さ以外の原因で震えることもあります。暖かくしても震えが止まらない、ぐったりしている、食欲がないといった場合は、早めに動物病院に相談してください。
Q. 留守番のとき暖房はつけっぱなしでいいですか?
A. 火を使う暖房器具は必ず消してから外出してください。エアコンなど本体に触れないタイプであれば、20℃前後の控えめな設定でつけたままでも構いません。その際は加湿と新鮮な飲み水を用意し、暑くなったときに移動できる涼しい場所も残しておきましょう。
Q. 冬でも毎日散歩に行ったほうがいいですか?
A. 運動と気分転換のためには続けたいところですが、時間帯と温度差への配慮が大切です。日差しのある暖かい時間帯を選び、出発前に室内 → 廊下 → 玄関と段階的に体を慣らしましょう。強風や雪、氷点下の日は無理をせず、室内遊びやノーズワークに切り替えても構いません。持病のある子やシニア犬は、主治医に運動量を相談してください。
まとめ
「犬種に合った寒さ対策を!」
犬種により被毛のタイプが異なるので、寒さに強い、弱いは種類によって違います。
また、外飼いの犬と室内飼いの犬でも、寒さ対策が異なる場合もあるので、犬種に合った寒さ対策をしてください。
寒さで体調を崩すこともあるので、ケージなどの適切な寒さ対策が必要です。
犬の様子をこまめに観察しながら、上手に暖房器具を使い犬種に合わせた寒さ対策をしてあげましょう。
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※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療を目的とするものではありません。愛犬の症状や体調については、必ずかかりつけの動物病院にご相談ください。掲載内容は2026年9月時点の情報です。

