犬の尿石症|「出ない」は数時間の緊急・溶ける石と溶けない石の見分け方

蛇口から流れる水を飲む犬。尿石症の予防は尿を薄く保つことが基本

犬の尿石症でいちばん大事な分かれ目は、「尿が出ているかどうか」です。排尿姿勢をとるのに尿が出ない・数滴しか出ないなら尿路閉塞の疑いで、数時間単位の緊急事態です。夜間でも救急へ。尿は出ていて血が混じる・回数が多いだけなら、2日以内の受診でかまいません。

蛇口から流れる水を飲む犬。尿石症の予防は尿を薄く保つことが基本
尿石症の管理は「石を溶かす」より前に「尿を薄くする」から始まります
目次

結論|尿石症は3行で判断できる

この記事の要点を先に出します。迷ったときはここに戻ってください。

状態判断理由
出したいのに出ない/数滴だけ今すぐ受診(夜間救急も)尿路閉塞。血中カリウムが7mEq/Lを超えると不整脈・徐脈が起こる
尿は出るが血が混じる・回数が増えた2日以内に受診結石か膀胱炎か腫瘍かは、尿検査とエコーでしか区別できない
症状なし・健診で結晶が出た1〜2週間以内に相談結晶は石の予告。この段階なら食事と水だけで止められることがある

そして、治療方針を決めるのは「石の種類」です。アメリカ獣医内科学会(ACVIM)の2016年コンセンサス推奨では、無菌性ストルバイト結石は2〜5週間未満で溶けること、シュウ酸カルシウム結石は溶解の対象にならないことが明記されています。この2つを混ぜて書いた情報を読むと、治療の見通しを完全に読み違えます。

予防のゴールも数字で決まっています。同コンセンサスは、シュウ酸カルシウムの再発予防として尿比重(USG)を1.020以下に保つことを推奨しています。これは動物病院の尿検査で毎回測ってもらえる値です。「たくさん水を飲ませましょう」という助言を、検証可能な数字に置き換えられます。

【緊急】おしっこが出ないのは尿路閉塞|数時間で命に関わる

芝生で排尿姿勢をとる小型犬。何度も姿勢をとるのに尿が出ないのは緊急サイン
何度も姿勢をとるのに出ない。これは「頻尿」ではなく「閉塞」のサインです

尿路閉塞は、結石が尿道に詰まって尿の出口が塞がった状態です。腎臓は尿を作り続けるので、出口がないまま時間が経つと、体の外へ捨てるべきカリウムと老廃物が血液中にたまっていきます。

カリウム7mEq/Lが心臓のラインになる

MSD獣医マニュアルの閉塞性尿路疾患の項では、血漿カリウムが7mEq/Lを超えると徐脈や不整脈が起こりやすく、7.5mEq/Lを超える高カリウム血症は生命を脅かすと記載されています。治療には10%グルコン酸カルシウム0.5〜1.5mL/kgの20分以上かけた静脈内投与や、レギュラーインスリン0.25U/kgとブドウ糖の併用が挙げられています。

つまり閉塞は「膀胱が苦しい病気」ではなく、心臓が止まりうる電解質の異常です。これが「様子を見てはいけない」理由です。完全閉塞では、嘔吐・脱水・低体温・強い元気消失が急速に出てきます。

最大の落とし穴は「便秘と間違える」こと

ここが本記事で最も強調したい点です。MSD獣医マニュアルは、尿道閉塞の犬が力む姿を飼い主が便秘と誤認することがあると明記しています。犬が背中を丸めていきむ姿は、排便の努力と排尿の努力でほとんど同じに見えます。

「2日便が出ていないから整腸剤をあげて様子を見た」という判断が、閉塞では致命的になります。見分け方は次の3点です。

確認すること便秘尿路閉塞
いきんだあとに何か出るか硬い便が少量でも出る何も出ない/尿が数滴
下腹部を軽く触ったとき変化なし硬い球状のかたまり(膀胱)を触れ、強く痛がる
全身状態食欲・元気はある嘔吐・ぐったり・体が冷たい

下腹部に張った風船のようなかたまりを触れたら、絶対に押さないでください。圧がかかった膀胱は破裂することがあります。触って確認したら、それ以上は触らずに病院へ向かいます。

夜間救急に行くかどうかの判断基準

サイン行動
12時間以上まったく排尿がない夜間でも救急受診
排尿姿勢を5回以上とって数滴しか出ない夜間でも救急受診
下腹部が硬く張り、触ると鳴く夜間でも救急受診
排尿困難+嘔吐、または体が冷たい夜間でも救急受診
血尿は出るが尿量はふだんどおり翌日の診療時間内でよい

電話をかける前に、体重・最後に排尿した時刻・いきんだ回数・嘔吐の有無をメモしてください。この4つを伝えるだけで、受け入れ判断が速くなります。嘔吐が主症状として前に出ている場合は、犬が嘔吐を繰り返す|何度も吐く原因と今すぐ受診すべき危険サインの緊急サインも併せて確認してください。腹部が張って空吐きを繰り返すなら、犬の胃捻転との鑑別も必要になります。

犬の尿石症とは|できる場所で危険度がまったく違う

尿石症は、尿に溶けているミネラルが結晶になり、集まって石(結石)になる病気です。尿路のどこにできるかで、名前と危険度が変わります。

場所呼び名症状危険度
腎臓腎結石無症状のことが多い低〜中(症状がなければ経過観察)
尿管尿管結石嘔吐・食欲低下・腰を痛がる高(腎機能が落ちる)
膀胱膀胱結石頻尿・血尿・排尿痛中(ただし尿道に移動すると急変)
尿道尿道結石尿が出ない・力む最高(数時間の緊急)

ACVIMコンセンサスは、症状がなく尿流を妨げるおそれもない膀胱結石は、必ずしも除去しなくてよいとしています。一方で、閉塞を起こしそうな石は低侵襲な方法で取り除くべきだとしています。「石があるから即手術」ではなく、「詰まるかどうか」で判断するわけです。

なお尿管の完全閉塞については、実験的に犬の尿管を完全に閉塞させた研究で、糸球体ろ過量(GFR)が7日で35%、14日で54%、40日で100%低下したというデータがACVIMコンセンサスに引用されています。腎臓は「詰まった分だけ静かに失われる」臓器です。

膀胱炎との違い|飼い主からは見分けられない

頻尿と血尿という症状だけでは、尿石症と膀胱炎は区別できません。しかも両者はしばしば同時に起きます。結石が膀胱の粘膜を傷つけ、そこに細菌が感染するからです。

役割分担として、症状の見分け方・抗菌薬の投与期間・再発性膀胱炎の定義はこちらの記事で扱っています。本記事は「石そのもの」を扱います。

» 犬の膀胱炎|血尿・頻尿の症状と受診の目安・再発予防【獣医学情報】

尿の色だけで危険度を見積もりたいときは、犬のおしっこの色でわかる健康状態|濃い黄・オレンジ・赤の危険度と受診目安の色別チャートが役立ちます。

「秋冬に増える」は本当か|季節ではなく尿の濃さで判断する

尿石症は「涼しくなって水を飲まなくなる秋冬に増える」と説明されることが多い病気です。ここは正確に書きます。

犬の尿石症に明確な季節性があることを示した大規模な疫学データは、現時点で確立していません。ミネソタ大学尿石センターやイギリスの大規模解析でも、報告されているのは成分の構成比や犬種の偏りで、月別の発生率ではありません。「秋冬だから危ない」と断定する根拠はないのです。

では季節を無視してよいか。無視できません。理由は季節そのものではなく、尿の濃さという測れる指標が動くからです。

目標は尿比重1.020以下(ACVIM推奨)

結晶も石も、ミネラルが尿に溶けきれなくなったとき(過飽和)にできます。だから予防の本質は「尿を薄くする」の一点です。ACVIMコンセンサスは、犬のシュウ酸カルシウム再発予防として次の数値を挙げています。

指標犬の目標値補足
尿比重(USG)1.020以下猫は1.030未満。病院の尿検査で毎回測れる
フードの水分75%超水分73%のフードで相対過飽和度が13→8に低下したデータあり
尿pH6.6以上を維持pH6.6未満はシュウ酸カルシウム形成と関連
動物性タンパク100kcalあたり10g超は避ける高タンパクは尿中カルシウムを増やす

この表の意味は大きいです。「水を飲ませる」はあいまいですが、「次の尿検査で比重1.020以下に入るか」は合否が出ます。対策が効いているかどうかを、2〜3か月ごとに判定できるわけです。

秋冬に気をつける理由を数字で押さえる

気象庁の平年値(1991〜2020年・東京)では、月平均気温は9月23.3℃・10月18.0℃・11月12.5℃・12月7.7℃と下がり、平均湿度は9月75%・10月71%・11月64%・12月56%と下がります。気温が下がれば自発的な飲水は減りますが、暖房を使う室内では空気が乾き、呼気から失われる水分(不感蒸散)は減りません。

つまり入ってくる水が減り、出ていく水はあまり減らない。この収支の差が尿を濃くします。だから秋冬は「季節のせいで石ができる」のではなく、比重1.020以下という目標から外れやすい時期と捉えるのが正しい理解です。

この時期は飲水量の低下が他の症状としても表に出ます。寒暖差による消化器・呼吸器・関節の症状については犬の寒暖差による体調不良|10月の夜15℃が分岐点、夏の疲れの持ち越しは犬の秋バテ、寒さ全般の影響は犬も寒がり?寒さが犬に与える影響で解説しています。

尿石の4タイプ|「溶ける石」と「溶けない石」を分ける表

ここが治療方針を決める分岐点です。国内の解説記事では「食事で溶かせるのはストルバイトだけ」と書かれることが多いのですが、これは正確ではありません。ACVIMコンセンサスは、尿酸塩(尿酸アンモニウム)とシスチンについても内科的溶解の検討を推奨しています。

項目ストルバイトシュウ酸カルシウム尿酸塩シスチン
成分リン酸アンモニウムマグネシウムシュウ酸カルシウム尿酸アンモニウムシスチン
できやすい尿アルカリ性(pH6.5以上)酸性(pH6.6未満と関連)酸性酸性
溶かせるか溶かせる(食事が主役)溶かせない溶かせる(食事+薬)溶かせる(食事+薬)
溶解までの期間無菌性なら2〜5週間未満―約4週間報告例では18/18例で溶解
併用する薬感染性では抗菌薬―アロプリノール15mg/kg×1日2回チオプロニン15〜20mg/kg×1日2回
予防の尿pH酸性寄りに保つ6.6以上(酸性化は禁)7以上約7.5
多い犬種シーズー、ヨークシャーテリアヨークシャーテリア、ミニチュアシュナウザーダルメシアンまれ(遺伝性)

正しい言い方は「食事だけで溶かせるのはストルバイト。溶解をいっさい狙えないのはシュウ酸カルシウムだけ」です。愛犬の石が尿酸塩やシスチンだった場合、「溶けないから手術」と早合点すると、不要な手術を受けることになりかねません。

「溶けるまで1〜4か月」は無菌性と感染性を混ぜた数字

ストルバイトの溶解期間について、国内記事では「膀胱結石で1〜4か月」と書かれることがあります。一方ACVIMコンセンサスは「無菌性ストルバイト膀胱結石は通常2〜5週間未満で溶ける」としています。倍以上の差があります。

この差は誤りではなく、2種類のストルバイトを分けていないことから生じます。

無菌性ストルバイト感染性ストルバイト
原因食事・遺伝的素因で尿がアルカリ性に傾くウレアーゼ産生菌の尿路感染症
治療療法食で尿を酸性化し、マグネシウムとリンを減らす療法食+抗菌薬(感染を根絶するまで)
溶解期間2〜5週間未満感染が続くかぎり長引く
溶けないときの原因フード以外のものを食べている抗菌薬が効いていない・途中でやめた

実務上の意味はこうです。療法食を1か月続けて石が小さくならないなら、「もっと続ける」ではなく「原因を切り分ける」段階です。尿培養で細菌がいるか、おやつや拾い食いで療法食以外のものが入っていないか。この2点を確認してください。おやつは療法食の設計を簡単に崩します(犬のおやつおすすめの選び方|無添加・低カロリーの3基準と体重別の上限早見表)。散歩中の拾い食いも同じです(犬の誤飲・誤食の対処法)。

ACVIMコンセンサスは、感染性ストルバイトの治療後に月1回の尿培養を2〜3か月続けることを推奨しています。「石が消えたら終わり」ではありません。

溶けない石が増えている|1981年の5%が2013年には42%

ミネソタ大学尿石センターに提出された犬の尿石の成分構成は、30年で大きく入れ替わりました。

年シュウ酸カルシウムストルバイト備考
1981年5%最多ストルバイトが主役の時代
2002年逆転―シュウ酸カルシウムが最多に
2013年42%38%提出件数66,310個。プリン系4%、混合石10%

イギリスの解析(1996〜2006年、14,066個)では、ストルバイト49%・シュウ酸カルシウム31%・尿酸塩9%・シスチン3.2%で、地域差があることもわかります。

ここから導かれる結論は重要です。「尿石症=療法食で溶ける病気」という期待は、もう3〜4割の犬には当てはまりません。だから尿石症の管理で最初にやるべきことは、溶かす努力ではなく「種類を確定させること」です。

症状の見分け方|初期に出る4つのサイン

サイン観察するポイント
排尿回数が増えた散歩で何度もマーキングするのではなく、家の中で何度もトイレに行く
1回の量が減ったトイレシートの濡れた範囲が、以前の半分以下になる
血が混じる排尿の最後の数滴が赤い、シートにピンクのにじみが出る
陰部を気にして舐める排尿のあとに毎回なめる、または舐め続ける

進行すると、痛みで排尿姿勢が長くなる、尿が漏れる、食欲が落ちる、背中を丸める、といった変化が出ます。嘔吐や強い元気消失が出ている場合は、腎臓まで影響が及んでいる可能性があります。

トイレシートの「キラキラ」は結晶とは限らない

「トイレシートに砂のようなキラキラが残る」は尿石症のサインとしてよく挙げられます。ただし、シートの表面に見える光る粒は、シートの吸水ポリマーが乾いたものと見分けがつきません。

確認するなら、次の方法が確実です。

  1. 清潔なおたまや平たい容器で、朝いちばんの尿を直接受ける
  2. 密閉できる容器に入れ、冷蔵し、できれば2時間以内に病院へ持参する
  3. 室温で放置しない(時間が経つと結晶が新たにできて誤判定の原因になる)

屋外で排尿する犬は、おたまを散歩に持っていくのが最も確実です。トイレトレーニングが済んでいて室内でも排尿できる犬は採尿がずっと楽になります(犬のトイレトレーニング完全ガイド)。

なりやすい犬種・性別・年齢の傾向

イギリスの犬14,066個の尿石解析では、成分ごとに多い犬種が報告されています。

成分報告された犬種
ストルバイトシーズー、ヨークシャーテリア、ジャックラッセルテリア
シュウ酸カルシウムヨークシャーテリア、ウエストハイランドホワイトテリア、ジャックラッセルテリア
尿酸アンモニウムダルメシアン、ヨークシャーテリア、シーズー

ヨークシャーテリアが3つすべてに名前が出ているのが特徴的です。小型犬が多いこと、そしてシュウ酸カルシウムではミニチュアシュナウザーがよく知られていることも押さえておきたい点です。該当犬種を飼っている方は、犬種記事の健康管理の章も確認してください。

» ヨークシャーテリアの性格・特徴・飼い方/シーズーの性格・特徴・飼い方/ミニチュアシュナウザーの性格・特徴・飼い方|高脂血症とコメド症候群の対策

オスは詰まる、メスは感染する

性別によってリスクの種類が変わります。

オスメス
尿道の形細くて長く、陰茎骨の部分で急に狭くなる短くて太い
高いリスク尿道閉塞(石が詰まる)尿路感染症(細菌が上がる)
見るべきサイン尿が出ない・力む頻尿・血尿・においの変化

同じ大きさの石でも、オスでは命に関わり、メスでは膀胱にとどまる。この非対称性は覚えておく価値があります。オスの小型犬が力んでいたら、まず閉塞を疑ってください。

動物病院での検査と治療|レントゲンに写らない石がある

動物病院で診察を受ける犬。尿石症の診断は尿検査とエコー検査が中心
尿石症の診断は尿検査とエコーが中心。レントゲンだけでは見逃すことがあります

検査の内容と、それぞれが答えてくれること

検査わかること限界
尿検査pH、尿比重、結晶の種類、血液、細菌、炎症結晶の種類=石の種類とは限らない
尿培養細菌の種類と有効な抗菌薬結果まで数日かかる
レントゲン石の数・位置・大きさ尿酸塩やシスチンは写りにくい
エコー(超音波)写らない石、膀胱壁の厚み、腫瘤尿道の奥は見えにくい
血液検査腎機能(BUN・クレアチニン)、カリウム石の種類はわからない
結石成分分析石の成分を確定(赤外分光法)石が取れた後でないとできない

注意点を2つ挙げます。

1. レントゲン陰性は「石がない」証明にはなりません。尿酸塩やシスチンはX線を通しやすく写りにくい石です。症状があるのにレントゲンで何も出なかったときは、エコーの追加を相談してください。

2. 尿中の結晶の種類と、石の成分は一致しないことがあります。尿の中でストルバイト結晶が見えても、膀胱の中の石がシュウ酸カルシウムであることは起こります。だから摘出した石は必ず成分分析に出します。分析には米粒半分(約10mg)程度の量があれば足り、赤外分光法で9種類程度の成分が判別できます。

治療の選択肢と費用の目安

ACVIMコンセンサスは、治療方針の優先順位を明確にしています。ストルバイトは内科的溶解。症状のある膀胱結石は低侵襲な方法での除去。尿道の石については、開いて取る尿道手術は推奨されず、体内で砕いてバスケットで回収する方法が推奨されています(尿道結石のレーザー砕石では有効率100%、所要時間の中央値36分と報告)。

方法対象費用の目安(自由診療)
尿検査+尿沈渣すべての症例2,000〜5,000円
レントゲン+エコー結石が疑われる場合8,000〜20,000円
尿培養・感受性試験感染が疑われる場合5,000〜12,000円
療法食での溶解ストルバイト3kgで約6,000円+再検査費
膀胱結石の摘出手術溶けない石・症状がある石100,000〜250,000円
結石成分分析摘出・排出した石5,000〜10,000円
閉塞の緊急処置+入院尿道閉塞50,000〜200,000円

金額は動物病院ごとに大きく異なります。上記は国内の一般的な診療報酬の幅から算出した参考値です。実際の費用は必ず受診先で確認してください。成分分析の数千円は、その後の数年分の食事方針を決める投資です。「石が取れたから終わり」で分析を省くと、何を予防すべきかがわからないまま再発を待つことになります。

食事療法|「溶かす食事」と「予防する食事」は設計が正反対

ステンレスの食器からフードを食べる犬。ストルバイト結石は療法食で溶かせる場合がある
療法食は「石の種類」と「溶かす/予防する」のどちらかで設計が変わります

ここが尿石症でもっとも事故が起きやすい領域です。結論から書きます。

市販の「尿ケア」をうたうフードを、石の種類が確定する前に自己判断で選ぶのは危険です。理由は、ストルバイト対策とシュウ酸カルシウム対策が逆方向だからです。

設計ストルバイト対策シュウ酸カルシウム対策
尿pH酸性化させる酸性化させない(6.6以上を維持)
ミネラルマグネシウム・リンを低くカルシウムの過度な制限はしない
タンパク溶解期は制限することがある動物性タンパク100kcalあたり10g超を避ける
水分薄い尿が有利薄い尿が必須(比重1.020以下)
薬の選択肢感染性では抗菌薬クエン酸カリウム150mg/kg/日、サイアザイド系利尿薬

ストルバイト向けの酸性化フードを、シュウ酸カルシウムの犬に与えるとどうなるか。ACVIMコンセンサスは犬の尿pH6.6未満がシュウ酸カルシウムの形成と関連するとしています。つまり善意の「尿ケア」が、石を増やす方向に働く可能性があります。

水分だけは両者で共通です。だから種類が未確定の段階でやっていいのは「水を増やすこと」だけと覚えてください。フードの変更は成分分析か獣医師の判断を待ちます。切り替えが必要になったときの手順は犬のドッグフードの切り替え方|移行手順と下痢を防ぐコツにまとめています。

第一選択はウェットフード(水分75%超)

ACVIMコンセンサスは、シュウ酸カルシウム予防として水分75%超の高水分食を推奨しています。根拠として、12〜19日間の試験で水分73%のフードを与えると、犬の相対過飽和度が13から8へ低下したデータが示されています。

一般的なドライフードの水分は10%前後です。同じカロリーを与えるなら、ウェットに切り替えるだけで摂取水分が大きく変わります。全量をウェットにする必要はありません。

  • ドライに同量以上のぬるま湯を加えて10分ふやかす
  • 1日のうち1食だけウェットにする
  • ウェットをトッピングとして混ぜる

ふやかす場合は、食器に残った水まで飲みきれているか確認してください。残していれば、加える水の量を減らして濃いスープ状にします。1日の給与量そのものは犬の1日の食事量と回数|体重・年齢・運動量別の目安と計算方法の計算式で確認できます。

「高ナトリウムのドライで水を飲ませる」は3〜6か月で切れる

これは知られていない重要な指摘です。塩分を増やして飲水量を増やし、尿を薄めるという設計のドライフードがあります。ACVIMコンセンサスはこれについて、100kcalあたり375mg超の高ナトリウムのドライフードは、高水分食の代わりとして推奨されないとしています。

理由は、尿を薄める効果が3〜6か月しか続かないように見えるためです。最初の数か月は比重が下がっても、その後は元に戻っていきます。半年後の尿検査で「以前より比重が上がっている」場合は、この現象が起きている可能性を疑ってください。

フードのラベルからナトリウム量を読むのは簡単ではありません。表示の読み方全般はドッグフードの選び方|原材料・無添加・グレインフリーの正しい見方で解説しています。シニア犬で腎臓の数値も気になる場合は老犬のごはん完全ガイドも参考にしてください。

手作りごはんと野菜のシュウ酸

シュウ酸カルシウム結石の既往がある犬では、シュウ酸を多く含む食材を日常的に大量に与えるのは避けます。ほうれん草、たけのこ、さつまいもなどが代表例です。

ただし、少量のトッピングを一律に禁止する必要はありません。問題になるのは「主食の代わりになる量」です。食材ごとの考え方は犬が食べていいもの一覧|野菜・果物・肉・魚を○△×で解説、さつまいもの扱いは犬にさつまいもを与えていい?体重別の適量とNGな与え方にまとめています。水分補給を兼ねたトッピングならきゅうりのように水分が多くシュウ酸の少ない食材が向きます。

手作りごはんで管理したい場合は、結石の既往がある犬ではレシピを自己流で決めないでください。ミネラルバランスが結石の設計そのものだからです。季節の食材を使った基本の考え方は犬の秋の手作りごはん|旬の食材レシピ5品と体重別の適量にありますが、療法食中の犬は必ず獣医師に設計を確認してもらってください。

再発を防ぐ飲水量の増やし方|体重別の目標値

屋外の水飲み場のそばに立つ長毛の犬。飲水量を増やす工夫が再発予防の柱
飲水量は「増やす工夫」と「測る習慣」の両方が必要です

犬の1日の必要水分量は、目安として体重1kgあたり50〜60mLとされます。ドライフード主体の犬は、この量をほぼ飲水で補う必要があります。

体重1日の必要水分量(50〜60mL/kg)ウェット1食分で補える量の例
3kg150〜180mL水分75%のウェット100gで約75mL
5kg250〜300mL同150gで約113mL
8kg400〜480mL同200gで約150mL
10kg500〜600mL同250gで約188mL
20kg1,000〜1,200mL同400gで約300mL
30kg1,500〜1,800mL同600gで約450mL

右の列を見てください。ウェットを1食入れるだけで、必要量の3〜4割を食事から取れます。「水を飲んでくれない犬」に水を飲ませる努力より、食事の水分を増やすほうが成功率は高いです。

飲水量を増やす7つの手

  1. 水飲み場を家の数か所に増やす(寝床の横、リビング、トイレの近く)
  2. 器を2種類置く(ステンレス・陶器・プラスチックで好みが分かれる)
  3. ぬるま湯にする(冬の冷たい水は飲水量を落とす。人の体温よりやや低い程度)
  4. 循環式給水器を試す(流れる水を好む犬では飲水量が増えやすい)
  5. ドライをぬるま湯でふやかす(同量以上の水を加えて10分)
  6. 無塩のゆで汁を少量足す(鶏ささみや野菜のゆで汁。味付けは一切しない)
  7. 散歩に水を持参する(帰宅後に一気に飲むより、途中で分けて飲むほうが総量が増える)

器の数は「犬の頭数+1個」が目安です。多頭飼育では、順位の低い犬が水を飲めていないことがあります。

測り方|1週間だけ本気で測る

毎日測るのは続きません。季節の変わり目に1週間だけ測って基準値を作るのが現実的です。

  1. 朝、計量カップで量を測って器に入れる
  2. 24時間後に残りを計量カップに戻して測る
  3. 差が飲んだ量(こぼれ・蒸発があるので誤差は1割程度と考える)
  4. 7日間の平均を出し、体重×50〜60mLと比べる

逆に飲水量が急に増えた場合は、別の病気のサインです。糖尿病、腎臓病、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)などが候補になります(犬が水をたくさん飲むのは病気?多飲の原因5つと受診の目安)。飲まないほうに振れている場合の対処は犬が水を飲まない原因と対処法、脱水の簡易判定は犬の脱水症状チェック|5秒でできる見分け方が使えます。

排尿を我慢させない|トイレ環境と散歩の回数

尿が膀胱に長くとどまるほど、結晶が育つ時間が増えます。水を増やしたら、出す回数も増やす必要があります。

排尿後に陰部まわりが濡れたままだと、皮膚炎を起こしやすくなります。拭き取りは押し当てて水分を移す方式が基本で、こすらないのがコツです。手順は犬の足拭きの正しい手順5ステップと同じ考え方で、吸水性の高いタオルを選ぶと拭き残しが減ります(犬用タオルの選び方|吸水性を数字で見抜く4つの判断軸)。秋冬は乾燥でかゆみが出やすい時期でもあります(犬が秋に体を掻く原因)。

体重管理も予防の一部

肥満は排尿姿勢をとりにくくし、運動量と飲水の機会を減らします。秋から冬は体重が増えやすい時期でもあります。1日20kcalの上振れで2か月後に体重が5%増える計算は犬が秋に太る理由|体重別カロリー早見表で解説しています。

尿検査の間隔|「治った」の確認方法

状況検査の間隔見る項目
溶解療法中2〜4週間ごと石のサイズ(画像)、pH、比重
感染性ストルバイトの治療後月1回×2〜3か月の尿培養細菌の再出現
シュウ酸カルシウムの術後最初の半年は2〜3か月ごと比重1.020以下、pH、結晶
既往があり安定している半年ごと比重、結晶、潜血
結晶が出たが石はない1〜2か月後に再検査結晶が消えたか

再発予防で薬を使う選択肢もあります。ACVIMコンセンサスでは、持続的に酸性尿の犬に対するクエン酸カリウム(ある研究では150mg/kg/日)、頻回に再発する犬に対するサイアザイド系利尿薬が挙げられています。犬でヒドロクロロチアジド2mg/kgを1日2回投与した研究では、尿中カルシウムが55%低下したと報告されています。いずれも処方薬です。食事と水だけで比重が下がらない場合に、こうした選択肢があることを知っておくと相談しやすくなります。

受診の目安|3段階で判断する

迷ったときはこの3段階に当てはめてください。

時間外でも今すぐ受診(夜間救急)

  • 排尿姿勢をとるのに尿が出ない/数滴しか出ない
  • 12時間以上まったく排尿がない
  • 下腹部が硬く張り、触ると強く痛がる
  • 排尿困難に嘔吐・ぐったり・体が冷たいが加わった
  • いきんでいるが便も尿も出ない(便秘と決めつけない)
  • 歯ぐきや舌が白い・紫色
  • 大量の血尿が続く

当日〜翌日の診療時間内に受診

  • 尿に血が混じる(1回でも)
  • 排尿回数が急に増えた/1回の量が減った
  • 排尿のたびに陰部を舐める
  • 排尿時に声を出す・姿勢が長い
  • 尿のにおいが急に強くなった
  • 食欲が落ちた、または水を飲まなくなった
  • オスの小型犬で、わずかでも排尿しにくそうに見える

数日〜2週間以内に相談

  • 健康診断の尿検査で結晶が見つかった
  • 尿比重が1.020を超えていると言われた
  • 療法食を1か月続けても石が小さくならない
  • 以前に結石の既往があり、半年以上尿検査をしていない
  • トイレシートに砂のような粒が残る日が続く
  • 水をあまり飲まない日が1週間以上続いている

受診時に持参・準備する5つ

  1. 朝いちばんの尿(密閉容器・冷蔵・2時間以内)
  2. 最後に排尿した時刻と、その量の印象
  3. フードの商品名と1日量、おやつの種類と個数
  4. 1日の飲水量(わかる範囲で)
  5. 過去に石が出たことがあれば、その成分分析の結果

5番目が最も価値があります。過去の成分がわかれば、同じ石がまた作られたと推定して初日から正しい方針で動けます。分析結果は受診のたびに持ち歩けるよう、スマートフォンで撮影しておいてください。

尿石症にまつわる5つの誤解を正す

よく見る説明実際は
「食事で溶かせるのはストルバイトだけ」尿酸塩とシスチンも薬の併用で溶解を狙える。溶解の対象外はシュウ酸カルシウムだけ
「ストルバイトは溶けるまで1〜4か月」無菌性なら2〜5週間未満。長引くのは感染が残っているか、療法食以外を食べている
「石があるなら手術」症状がなく閉塞のおそれもない膀胱結石は、必ずしも除去しない
「塩分の多いフードで水を飲ませれば予防できる」尿を薄める効果は3〜6か月しか続かないように見える。高水分食の代わりにはならない
「レントゲンで何も写らないから石はない」尿酸塩とシスチンは写りにくい。症状があればエコーを追加する

よくある質問(FAQ)

Q1. 尿石症は一度治れば再発しませんか?

再発しやすい病気です。石ができる体質や食事が変わらなければ、同じ石がまた作られます。ダルメシアンの尿酸塩結石を対象にしたクロスオーバー試験では、6か月後の再発率が低プリン・低タンパク食で約50%、通常食で87%と報告されています。また、手術の縫合糸が核になって石ができる「縫合糸関連」の再発が全体の最大9%を占めるというデータもあります。再発予防の柱は、尿比重1.020以下の維持と、定期的な尿検査です。

Q2. 市販の「尿ケア」フードを与えれば予防になりますか?

石の種類が確定していないなら、やめてください。多くの「尿ケア」設計は尿を酸性化してストルバイトを防ぐ方向に作られています。しかしACVIMコンセンサスでは、犬の尿pH6.6未満がシュウ酸カルシウムの形成と関連するとされています。シュウ酸カルシウムは現在アメリカで最も多い成分(2013年で42%)です。種類が未確定なら、やってよいのは水分を増やすことだけです。既往がある犬は、過去の成分分析の結果に合わせた療法食を獣医師の指示で続けてください。

Q3. おしっこが出ないとき、自宅でできることはありますか?

自宅での処置はありません。やってはいけないことが2つあります。張った下腹部を押して尿を出そうとしないこと(膀胱が破裂する危険があります)。水をたくさん飲ませて流そうとしないこと(出口が塞がっているので、膀胱にたまる量が増えるだけです)。やるべきことは、体重・最後の排尿時刻・いきんだ回数・嘔吐の有無をメモして、すぐに電話をかけることだけです。夜間でもかまいません。血中カリウムが7mEq/Lを超えると不整脈が起こりうる状態で、時間が直接リスクになります。

Q4. 水を増やしたのに尿比重が下がりません。なぜですか?

よくある原因は3つです。1つめは飲んでいる量が思ったより少ないこと。器に水を足しているだけでは実際の摂取量はわかりません。1週間だけ計量カップで測ってください。2つめは食事の水分が少ないこと。水分10%のドライだけでは、必要量のほぼ全部を飲水に頼ることになります。ウェットや水分を足したドライに変えると数字が動きます。3つめは腎臓やホルモンの病気で尿を薄くできない/濃くできない状態です。比重が極端に低い(1.008未満)場合も含めて、血液検査での評価が必要です。

Q5. オスとメスで気をつけることは違いますか?

違います。オスは尿道が細く長く、陰茎骨の部分で急に狭くなるため、石が詰まる(尿道閉塞)リスクが高いです。同じ大きさの石でも、オスでは命に関わります。メスは尿道が短く太いため詰まりにくいですが、外から細菌が入りやすく尿路感染症を起こしやすいです。感染はストルバイト結石の原因にもなります。オスでは「出ているか」を毎日見る。メスでは「においと回数」を見る。この違いを意識してください。

Q6. 腎臓に石があると言われましたが、無症状です。手術は必要ですか?

ACVIMコンセンサスは「問題を起こしている腎結石だけが治療の対象」としています。無症状で尿流を妨げていない腎結石は、まず経過観察が選択肢になります。問題になるのは尿管に落ちて詰まった場合です。実験的に犬の尿管を完全閉塞させた研究では、GFRが7日で35%、14日で54%、40日で100%低下しました。したがって経過観察の中身は「何もしない」ではなく、画像で位置と大きさを追い、腎機能の数値を定期的に測ることです。間隔は獣医師と決めてください。

Q7. 療法食中におやつを与えてもいいですか?

溶解を狙っている期間は、原則として与えないでください。療法食は「これだけを食べる」前提でミネラルとpHが設計されています。ジャーキーや煮干しはミネラルが多く、設計を簡単に崩します。療法食を1か月続けて石が小さくならない原因の多くが、ここにあります。どうしても必要な場合は、同じ療法食シリーズの専用おやつを使うか、療法食の粒を数個取り分けておやつとして使ってください。予防期に入ってからのおやつは、1日の摂取カロリーの10%以内という一般ルールで管理できます(犬のおやつの選び方|体重別の上限早見表)。

まとめ

  • 「出ない」は数時間の緊急。いきんでいるのに尿も便も出ないときは、便秘と決めつけず夜間でも受診する
  • 血中カリウムが7mEq/Lを超えると不整脈が起こりうる。閉塞は心臓の問題でもある
  • 下腹部に張ったかたまりを触れても、絶対に押さない
  • 溶解の対象外はシュウ酸カルシウムだけ。尿酸塩とシスチンは薬の併用で溶解を狙える
  • 無菌性ストルバイトは2〜5週間未満で溶ける。長引くのは感染か、療法食以外の摂取が原因
  • シュウ酸カルシウムは1981年の5%から2013年に42%へ増加。溶けない石が主役になった
  • 予防の合否は尿比重1.020以下で判定する。「たくさん飲ませる」を数字に置き換える
  • 水分75%超の高水分食が第一選択。高ナトリウムのドライは3〜6か月で効果が切れる
  • 種類が未確定の段階でやってよいのは、水分を増やすことだけ
  • 摘出した石は必ず成分分析に出す。その数千円が数年分の食事方針を決める

尿石症は、毎日の排尿をひと目確認するだけで、かなりの部分を早期に捉えられる病気です。今日見るのは1つだけでいい。「ちゃんと出ているか」です。

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参考にした情報源

  • Lulich JP, Berent AC, Adams LG, Westropp JL, Bartges JW, Osborne CA.「ACVIM Small Animal Consensus Recommendations on the Treatment and Prevention of Uroliths in Dogs and Cats」Journal of Veterinary Internal Medicine, 2016(無菌性ストルバイトの溶解期間2〜5週間未満、尿比重1.020以下、水分75%超、尿pH6.6、動物性タンパク10g/100kcal、ナトリウム375mg/100kcal、クエン酸カリウム150mg/kg/日、ヒドロクロロチアジド2mg/kg、アロプリノール・チオプロニンの用量、尿培養の月1回×2〜3か月、尿管完全閉塞時のGFR低下)
  • MSD獣医マニュアル「Obstructive Uropathy in Small Animals」(高カリウム血症7mEq/L・7.5mEq/L、グルコン酸カルシウムとインスリンの用量、便秘との誤認)
  • Minnesota Urolith Center / dvm360「Canine and feline urolith epidemiology 1981–2013」(2013年の犬の尿石66,310個、シュウ酸カルシウム42%・ストルバイト38%、1981年のシュウ酸カルシウム5%)
  • Wood K, Pratt A, Lulich J, Syme H.「Analysis of 14,066 uroliths from dogs in the UK over a 10 year period」(ストルバイト49%・シュウ酸カルシウム31%・尿酸塩9%・シスチン3.2%、犬種の偏り)
  • 気象庁「平年値(年・月ごとの値)東京」1991〜2020年(月平均気温と平均湿度)
  • 富士フイルム 獣医療「結石分析」(赤外分光法、必要量10mg)

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、獣医師による診断・治療の代替となるものではありません。愛犬の体調に異変を感じた場合は、速やかにかかりつけの獣医師にご相談ください。

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